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2018年5月28日 (月)

倍音唱法入りバフシー

ゼアミdeワールド110回目の放送、日曜夕方に終りました。30日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。VDE盤では浪曲のような発声から倍音唱法に至る吟遊詩人バフシーの音源が目立ちます。このタイプの歌唱は、イネディやキングWRML盤(次回予定)では聞けなかったので、貴重な記録だと思います。倍音入りバフシーのyoutubeはほとんど見当たりませんが、長尺の映像を含めいくつかありました。VDE盤と同じ演奏者では残念ながら見当たりませんでした。

Turkmen folk song and Dutar


Kerwen bagsy - Goroglynyn oylenishi


トルクメニスタンの3回目は、トルクメンの吟遊詩人バフシーの歌の男性編ということで、スイスVDE-Galloの「トルクメニスタン バフシーの音楽」から聞いて行きたいと思います。この盤には、テケ、サリク、エルサリーなどの部族に伝わる5つの歌唱スタイルが収録されていて、それはアシガバード、メルヴ、チャルゾウ、タシャウズ、クラスノボズクの5つになります。首都のアシガバードなど、それぞれ町や地方の名前のようです。繊細な音の弦楽器ドゥタールをかき鳴らし、朗々と歌うさまは勇壮で、時に擦弦のギジャックの伴奏も入ります。トゥバやアルタイの喉歌(あるいは倍音唱法)に近いような、喉を締めて歌う発声法も随所にみられます。この盤の録音は1988-90年で、やはり現物が手元に残ってないので、アップルミュージックからの音出しになります。解説を参照出来ませんので、その5流がどのトラックになるのか不明なのが残念です。
まず1曲目のYagmyr Nurgeldyevという人のGongurbash Mukamyというドタール独奏曲からどうぞ。

<1 Yagmyr Nurgeldyev / Gongurbash Mukamy 2分53秒>

2曲目は、Khomat Jelilovという人のDalmidiという曲ですが、日本の浪曲に似た歌い方のように思いました。倍音唱法的に聞こえる部分もありますので、と言うことは、浪曲も喉歌に似ていると言えるのかも知れません。

<2 Khomat Jelilov / Dalmidi 4分52秒>

3曲目のGelinlerという曲は先ほどの同じKhomat Jelilovの歌唱ですが、この曲では浪曲風な技巧ではなく、朗々と勇壮に声を張り上げて歌っていて、同じ歌い手なのかと思う位に違って聞こえます。

<3 Khomat Jelilov / Gelinler 4分5秒>

4曲目のAk Yuzliという勇壮な曲もKhomat Jelilovの歌唱ですが、この様な複雑な曲調を表現できる凄い歌い手であることが3曲続けて聴くとひしひしと伝わってきます。CDジャケットの白いテルペックを被った男性はこの人かも知れません。

<4 Khomat Jelilov / Ak Yuzli 4分53秒>

数曲飛んで7曲目のYarym Garasaという曲はOdenyaz Nobatovという人の歌唱で、ドタールの掻き鳴らしは控えめです。声を揺らすゆったりとした歌い方は、隣の国のウズベキスタンの歌に少し似て聞こえました。

<7 Odenyaz Nobatov / Yarym Garasa 4分10秒>

11曲目のGarygymになると、はっきりとした倍音唱法が聞けます。これは明らかにモンゴルのホーミーやトゥヴァのホーメイを思わせるものがあります。Khaitly Mammetdurdyevの歌唱です。

<11 Khaitly Mammetdurdyev / Garygym 4分35秒>

12曲目のGitme Goroglyも同じKhaitly Mammetdurdyevの歌唱ですが、ここでは低音での倍音唱法もありまして、これはチベット仏教の聲明を思わせるものがあります。タイトルのGoroglyというのは、この辺りの英雄叙事詩の朗唱(ダスタン)で最も好まれる古いトルコの英雄叙事詩ケログルの一種のように思いましたが、どうでしょうか。

<12 Khaitly Mammetdurdyev / Gitme Gorogly 3分59秒>

17曲目のAkmammet NurmammedovによるDaglarになると、これまた浪曲にそっくりで、しかも低音の倍音が入って来る歌唱になっています。それが中央アジアから聞こえるという不思議を感じます。

<17 Akmammet Nurmammedov / Daglar 3分40秒>

この盤には器楽だけのトラックも幾つかありますが、8曲目のVelek Gubalyevという人のYara Degmesinという曲は、日本なら尺八、イランやトルコのネイ、東欧ならカヴァルに似た縦笛の吹奏で、ウラル地方南部のバシコルトスタンにも同じ様な音色の笛があります。笛の音と声が一緒に出ているダブルトーンに近い演奏ですが、バシコルトスタンの方が、より声も一緒に出ています。カザフの後でバシコルトスタンも一回予定しております。
時間が余りましたら、9曲目のSona Gelinという曲もおかけしたいと思います。同じ笛の吹奏のようで、演奏はTschariyar Jumaevという人です。

これらの曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 Velek Gubalyev / Yara Degmesin 2分>

<10 Tschariyar Jumaev / Sona Gelin 1分40秒>

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