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2018年5月21日 (月)

トルクメンとトルカマン

ゼアミdeワールド109回目の放送、日曜夕方に終りました。23日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。女性バフシーの二人とも残念ながらyoutubeは見当たりませんので、Tawus Perizatという人の弾き語りを入れておきます。Tawus Perizatの左で弾いている擦弦楽器が、ギジャクです。

Tawus Perizat Turkmen bagşy


トルクメニスタンの2回目は、トルクメンの吟遊詩人バフシーの歌を中心に聞いて行きたいと思います。まずはフランスIneditの「女性バフシーの歌」から、有名なトルクメンの歌姫ジャマラ・サパロヴァの歌でQashliyarと言う「別れの曲」からどうぞ。ドタール伴奏は、前回ロシアのMelodiya音源でご紹介しましたアク・モラード・チャーリエフと同一人物と思われるアクムラド・シャリエフです。

<1 Songs of Bakhshi Women~Qashliyar  5分4秒>

ジャマラ・サパロヴァは、キングのワールドミュージックライブラリーにも録音が入っていた歌手で、私も執筆で参加した音楽之友社の「世界の民族音楽ディスクガイド」の星川京児さんのコラムによると、「アルジェのライとパンジャブのバングラを掛け合わせ、イランのタハリールを強烈にしたようなヴォーカル」と形容された世にも希なポップスで、この盤ではドタール伴奏で歌っていますが、星川さんが首都アシガバードで彼女の歌を聞かれた時はプログラム・シンセ伴奏のポップなスタイルだったようです。国土の7割が砂漠というトルクメニスタンの風土を強く感じさせるドタールの鮮烈な音と、遊牧民ならではの強靭な喉を聞かせる典型的な歌手です。
このイネディの「女性バフシーの歌」には、もう一人Shemshat Hodjaevaという、サパロヴァよりは高い可憐な声で歌う歌手も入っておりますので、Gelsynという曲をおかけしたいと思います。

<4 Songs of Bakhshi Women~Gelsyn  3分20秒>

ジャマラ・サパロヴァで、もう一曲Kone Guzerと言う曲もおかけしておきたいと思います。完売で手元にないため今回アップルミュージックからかけていて、解説を参照出来ておりませんので、曲の詳細は不明です。

<14 Songs of Bakhshi Women~Kone Guzer  2分53秒>

トルクメンの音楽と言うと、いずれも個性的な中央アジア諸国の音楽の中では比較的印象が薄いのは否めませんが、カスピ海の東岸に面し、日本の1.5倍ほどの国土の7割が砂漠という、地理的な魅惑も感じさせる、謎を秘めた国という風に常々感じております。
トルクメンで思い出すのが、イランのタールとセタールの巨匠ホセイン・アリザーデのトルカマン(正確にはトルキャマン)という曲で、元はセタールとオーケストラのために書かれたようですが、KereshmehとMahoorの盤ではセタール独奏で演奏されています。彼の弾くセタールの強靭な音は、明らかにトルクメンのドタールを思わせるもので、彼自身「この曲はトルカマンの人々と彼らの土地にインスパイアされた」と解説に書いています。イランは北西部にアゼルバイジャン系、北東部にトルカマンという、いずれもトルコ系民族が住んでいる国で、アリザーデ自身アゼルバイジャンの血を引くので、彼らの音楽には強く惹かれる部分があるのだろうと思います。この曲はラストパンジガーという旋法で即興演奏されますが、ペルシアの旋法の中で最も複雑かつ流動的で、遊牧民の哀しみと激情を映し出すのに適した旋法のように思います。
全曲は57分余りありますので、最初のちょうど3分のダルアーマド・ラストと、終曲の11分を越える壮絶なトルカマンの途中までになると思いますが続けてお聞き下さい。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Daramad-e Rast 3分>

<14 Hossein Alizadeh / Torkaman ~Torkaman 11分38秒>
Hossein Alizadeh - Torkaman

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