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2018年6月11日 (月)

カザフのドンブラ

ゼアミdeワールド112回目の放送、日曜夕方に終りました。13日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。キング盤と同じ曲の動画は、また探してみますが、なかなか見つからないのではと思いますので、サンプルとして、有名なUlytau(冒頭のトリオの曲)などを弾いている一本を上げておきます。

KAZAKH MUSIC: DOMBRA


今回から中央アジア最大の国、カザフスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。楽器としては、周辺国のドタールと同じく2弦のドンブラと、イスラム化以前からのシャーマンが占術に用いていた擦弦楽器のコビュズが特に有名です。特筆すべきは、やはりドンブラのガット弦の柔らかい響きと、あたかも遊牧民の「草原の孤独」を表現したかのような哀愁に溢れる旋律で、それは日本人の心にもストレートに訴えかけて来ると思います。その点では隣のキルギスの弦楽器コムズの音楽と似ています。
音源はトルクメンと同じく、キングWRML(ワールドルーツミュージックライブラリー)盤が一般によく知られ、素晴らしい曲が多いので、まず第一集からご紹介して行きます。このシリーズは、私の手持ちの92年リリース盤では2枚の別売りですが、2008年のリニューアルからは2枚組に変わっております。プロデュースは、トルクメンの2枚組と同じく、故・星川京児さんです。
1曲目のコシタスという曲は、19世紀後半から20世紀にかけて活躍した民謡歌手で、ドンブラの即興演奏家だったエスタイの作曲です。ドンブラ弾き語りは女性歌手のカバシ・クルィシェヴァです。

<1 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~コシタス 5分19秒>

2曲目のパンコイレクという曲は、「誇り高い娘」の意味で、18世紀の民謡歌手兼ドンブラ即興演奏家のムヒトの作曲です。誇り高く毅然としたカザフの娘を賞賛する曲とのことです。同じくドンブラ弾き語りはカバシ・クルィシェヴァです。

<2 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~パンコイレク 2分31秒>

女性歌手のカバシ・クルィシェヴァの歌声は、私がイメージするカザフの歌そのものなので、続けて彼女のドンブラ弾き語りをおかけしたいと思います。3曲目のブルブルィムという曲は、カザフ民謡でよく歌われる「夜鶯」(ナイチンゲール=サヨナキドリ)について歌っています。鶯を歌に詠みこむテーマは、イランを初め中東一帯によく見られます。

<3 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~ブルブルィム 3分1秒>

4曲目からは男性歌手カイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りに変わります。トルクィンという曲は、1860年生まれの民謡歌手兼ドンブラ即興演奏家のイブライの作曲で、曲名は「波」の意味です。この明朗な曲で、若い演奏家たちに、歌というものの多様さ、豊かな名人芸の可能性、限りない美しさについて説明しています。

<4 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~トルクィン 3分50秒>

5曲目も同じくカイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りですが、打って変わって短調の哀愁のある旋律で、これぞカザフ民謡という印象を持ちました。バルハディシャとは娘の名前で、彼女の美しさと優しさを讃えているようです。

<5 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~バルハディシャ 3分46秒>

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ここでライブのお知らせをしたいと思います。

6月22日に私の店トーク・トークで「まかな瑠音ライアーコンサート」をすることになりました。
開場 午後5時45分 開演 午後6時30分~ 約70分
会場 Cafeトーク・トーク   今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階
*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定(要予約)  ワンソフトドリンク付き1,500円
演奏:まかな瑠音(ライアー、歌)  共演:Nalu(歌他)
ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp
※22日は、3時半~5時半まで、前座のような形で終活カウンセラーの黒石さとみさん主催で毎偶数月開催の終活カフェをやっておりまして、その4回目になります。定員は7人前後までで、要予約ですが、宜しければ併せてお越し下さい。5時からは、当店マスターの近藤(ヴァイオリンとチェロ担当)が代表を務める今治市民弦楽合奏団の演奏が30分程あります。2014年4月に桜井の翠松苑でのライアーコンサートにて、チェロでゲスト出演させて頂きました。4年の月日を経て、遂にまかなさんの当店でのライブが実現します。静謐な美しさ溢れるライアーの音色を、PA無しで聞ける嬉しい機会です。

プロフィール
今治市在住(2012年に東京から移住)数多くの作曲を手掛けながら日本各地、海外(ウィーン、ザルツブルグでのソロコンサート他、ヨーロッパ、ニュージーランド等)でも様々な場面で演奏。国内外の詩人、俳人、歌人、美術家の作品(絵画、版画、彫刻)とのコラボ曲も多数。障がい者との音楽ワークも長年にわたり行っている。

ライアーについて
シュタイナー思想の基に20世紀初めにドイツで最初のライアーが製作されて、主にヨーロッパの教育、セラピーの現場で使われて来た。日本では「千と千尋の神隠し」のエンディングテーマ「いつも何度でも」でその透明感のある音色が知られるようになった。奏者が使用しているコンサートライアーは一般的なものより大きさも響きも大きく、世界でもまだ珍しい型で四国では唯一の楽器である。

以上、ライブのお知らせでした。宜しければ是非お越しください。

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男性歌手カイラト・バイボスキノフのドンブラ弾き語りは5曲入っておりますが、時間の都合で飛びまして、シャーマンが占術に用いていた擦弦楽器のコビュズも聞いておきたいと思います。コビュズの曲は全部で7曲入っております。おかけしますのは、ジャルグィズ・アヤクというコブィズの独奏曲で、器楽曲のことをキュイと呼びます。演奏はスマグル・ウンベトバーエフと言う人です。ジャルグィズ・アヤクと言うタイトルは「片足の人」の意味で、作曲者のアビケイは冬の寒さで片足を失い、人間の体の完全さを夢見ながらこの悲しいキュイを書いたそうです。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<9 カザフの音楽 遊牧の叙事詩~ジャルグィズ・アヤク 3分38秒>

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