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2018年6月18日 (月)

カザフの哲学的キュイ

ゼアミdeワールド113回目の放送、日曜夕方に終りました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。アブィルとコスバサルが見つかりましたので、今日はこの2本を上げて、他はまた後日探してみます。と言っても、今週は22日のライブの準備でブログアップが難しい日があると思います。しかし、草原を吹き渡る風の音を聞くような、カザフのドンブラの音は、本当に素晴らしいです!

カザフスタンの音楽の2回目になります。キングのシリーズの2枚目では、2弦のドンブラの器楽曲キュイと、後半はドンブラ弾き語りのカザフ民謡を聞けますが、その中から特徴的な曲を抜粋してご紹介したいと思います。1枚目と同様に、森田稔氏の解説を参照しております。前回、遊牧民の「草原の孤独」を表現したかのような哀愁に溢れる旋律、と形容しましたが、これは全く私の個人的な印象でしたが、曲の背景や歌詞の内容を見て行くと、やはりカザフの音楽には内省的な面が元々あるように思いました。それと、キルギスの場合と同じように、音階に短音階が多いのは、ロシアの影響があるのでしょうか? この点も前から非常に気になっている所です。
まず7曲目のアブィルという曲ですが、19世紀の作曲家アブィルは、この曲の中で、この世の人生の儚さについて、哲学的な思索を巡らしている、と解説にありました。言葉のない器楽曲にそういう思いを込めた、私のイメージしている通りのカザフの曲と言えそうです。演奏はアイトジャン・トクタガーノフの独奏がしばらく続きます。

<7 カザフの音楽2 風響のドンブラ~アブィル 3分55秒>
"Абыл" исп.М.Амзе


続く8曲目のコスバサルという伝統的なキュイについては、以下のように解説がありました。この伝説的なキュイには、次のような美しい伝説がある。皆の尊敬を集めているある人物が、跡継ぎである5歳の一人息子に死なれた。彼もまたこの世を去る決心をする。どんな説得も聞き入れないので、人々はドンブラ弾きを呼び、62曲のコスバサル全曲を弾いてもらった。カザフでは62という数には意味がある。人間には62の静脈があるので、音楽家は62のコスバサルを弾いて、全ての静脈に生命を吹き込むのである。彼はもっとも悲劇的なものから始めて、だんだん明るいものに移っていき、遂には生命力に溢れたコスバサルに到達する。その意味は明白で、どんなに死が魅力的に見えても、結局は人生の方が大切であり、生きていくことをやめてはならないのである。この老人も音楽の力と率直さに負けて、人生へ帰ってくる。

<8 カザフの音楽2 風響のドンブラ~コスバサル 4分22秒>
KAZAKH DOMBYRA KUİ - KOSBASAR


11曲目はアビカン・ハセーノフ作曲のコヌィルという曲ですが、何度か出てきている「コヌィル」の意味は、柔らかい、ベルベットのような、思慮深い、瞑想的な、哲学的な、といったものである。この曲では、希望と絶望、喜びと悲しみ、生と死について、哲学的な思索が巡らされている。と解説にありました。

<11 カザフの音楽2 風響のドンブラ~コヌィル 3分53秒>

ここまで、深遠で哲学的な3曲を並べてみましたが、ドンブラ独奏の最後に5曲目のセキルトペという曲をおかけします。この曲は対照的な一曲で、曲名は「遊び」を意味し、この小品ではコケットな娘の姿を描いているそうです。

<5 カザフの音楽2 風響のドンブラ~セキルトペ 1分57秒>

ここでライブのお知らせをしたいと思います。
6月22日に私の店トーク・トークで「まかな瑠音ライアーコンサート」をすることになりました。
開場 午後5時45分 開演 午後6時30分~ 約70分
会場Cafeトーク・トーク
今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階
*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:30名限定(要予約)  ワンソフトドリンク付き1,500円
演奏:まかな瑠音(ライアー、歌)  共演:Nalu(歌他)
ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp
※22日は、3時半~5時半まで、前座のような形で終活カウンセラーの黒石さとみさん主催で毎偶数月開催の終活カフェをやっておりまして、その4回目になります。定員は7人前後までで、要予約ですが、宜しければ併せてお越し下さい。5時からは、当店マスターの近藤(ヴァイオリンとチェロ担当)が代表を務める今治市民弦楽合奏団の演奏が30分程あります。2014年4月に桜井の翠松苑でのライアーコンサートにて、チェロでゲスト出演させて頂きました。4年の月日を経て、遂にまかなさんの当店でのライブが実現します。静謐な美しさ溢れるライアーの音色を、PA無しで聞ける嬉しい機会です。

以上、ライブのお知らせでした。宜しければ是非お越しください。

キング盤2枚目の後半には1枚目と同じく女性歌手カバシ・クルィシェヴァのドンブラ弾き語りのカザフ民謡が7曲ほど入っておりますので、その中から2曲おかけします。15曲目のシムィルという曲では以下のように解説にありました。人が人生でどんな障害に出会おうとも、気落ちしてはならず、反対に、気持ちを取り直して、高揚した気分になれる力を持たなくてはならない。

<15 カザフの音楽2 風響のドンブラ~シムィル 2分16秒>

続く16曲目のドゥニェ・アウという哀感溢れる曲は、キルギスの歌に近い印象を覚えました。解説には以下のようにありました。この世は悲しみと偽りに満ち、人々は欲望を求めるばかりだ。幸せはここにあるかと思えば、すぐにあちらに移ってしまう、といったこの世の儚さを歌っている。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<16 カザフの音楽2 風響のドンブラ~ドゥニェ・アウ 4分5秒>

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