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2018年6月 4日 (月)

ハズィゴラク (WRMLから)

ゼアミdeワールド111回目の放送、日曜夕方に終りました。6日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は、壮絶なエピソードが伝わっているハズィゴラクだけにしておきます。他の曲は、また後日探してみます。

111回目の放送になりました。トルクメニスタンも4回目になります。最初は3回の予定でしたが、入手してなかったキングWRML(ワールドルーツミュージックライブラリー)盤が手に入ったので、今回はこの2枚組からご紹介したいと思います。このシリーズがリニューアルされて再発されたのは2008年で、当時はプロデューサーの星川京児さんとキングレコードの担当者井上さんのお二人もお元気でしたが、10年経った今では、お二人ともまだお若くして鬼籍に入られて、担当者不在になってしまってからのここ数年は、かなりのタイトルがメーカー切れか、ほぼ廃盤の状態なのをとても残念に思っていました。星川さんからの呼びかけで、私もこの150枚シリーズの一枚の「イラン/シャハラーム・ナーゼリーの芸術」のライナーノーツ執筆を担当しました。

このシリーズの「トルクメニスタンの音楽」の解説は、洗足学園音楽大学などで教鞭を取られている浦本裕子さんです。音楽的には既にご紹介しましたイネディやVDEの音源と似た内容ではありますが、解説には非常に興味深い内容の曲が幾つかありました。まずサルティクラルという曲からおかけします。アタエフ・アラベルディによる擦弦楽器ギジャクの独奏曲です。解説には以下のようにありました。
「サルティクラルは男の名前。兵役でイランに送られ目をくりぬかれた男が、その地で愛する女性を思い、トルクメニスタンに戻ってからこの曲を作った。その演奏を聞いて、その女性は彼だとすぐに気がついたという。」

<1-8 トルクメニスタンの音楽 ~サルティクラル 3分12秒>

もう一曲、何とも切なく壮絶な曲がありました。ハズィゴラクというドゥタールの独奏曲で、解説には以下のようにあります。
「曲名になっているハズィは人の名前で、ゴラクは両手がないという意味である。昔トルクメニスタンにドゥタールの名演奏家ハズィが住んでいた。ある時その評判を聞いたウズベキスタンの王が、富や美しい娘を条件に宮廷に抱えたいと彼に申し入れた。しかし、ハズィは祖国を離れたくないので、それを断った。自分の権力に屈しないハズィに立腹した王は、彼を呼んで宮廷で演奏させた。そして両腕を切り落とし、どこへでも行って演奏するがよいと解き放った。この曲は身の危険を予見した彼が、前の晩に徹夜で作曲して弟子に託したものと言われている。」
漠然と聞いているだけでは分からない、壮絶なヒストリーを秘めた11分を越える大曲で、ドゥタール独奏はアンナムラドフ・アンナセイイトです。

<1-13 トルクメニスタンの音楽 ~ハズィゴラク 11分35秒>
Türkmen dessany - Hajy golak

この曲にまつわるストーリーを語っているように思いますが、トルクメン語のようですので、残念ながら詳細不明です。

2枚目にはイネディ盤でも出てきたバフシーの名歌手ジャマラ・サパロヴァの歌唱も入っておりまして、その中からイズラマという曲をおかけします。中東版の「ロミオとジュリエット」とも形容される悲恋物語の叙事詩「ライラとマジュヌーン」(トルクメンの発音では「レイリとメジヌン」)に基づくトルクメン民謡です。永遠の恋人ライラを探し求めて荒野を彷徨う狂人マジュヌーンの苦悩を、トルクメンではどう歌っているかが聞きものです。

<2-2 トルクメニスタンの音楽 ~イズラマ 4分35秒>

前回Yara Degmesinという曲でご紹介した笛も、1枚目に収録されていました。カルグィ・テュイデュクという縦笛で、その音は、日本なら尺八、イランやトルコならネイ、東欧ならカヴァルに似た縦笛で、ウラル地方南部のバシコルトスタンにも同じ様な音色の笛があります、と前回ご紹介しておりました。同じテュルク系民族で、地理的にはトルクメンよりもロシアやヨーロッパに近い訳ですが、バシキールの方は、ぐっと東洋的なカラーが強く感じられます。笛の音と声が一緒に出ているバシコルトスタンのKurayの吹奏をまず一曲おかけしてから、後でトルクメンのカルグィ・テュイデュクの曲をおかけします。トルクメンの次に控えているカザフの後でバシコルトスタンも一回予定しております。

<4 Ural - Traditional Music of Bashkortostan ~Ilyas 2分39秒>

ジュマエフ・チャルィヤルによるカルグィ・テュイデュクの独奏曲「月のような娘」は、トルクメニスタンの古い曲で、月のように美しい娘を表現している曲です。中東では女性の美しさをしばしば月に喩えます。
この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-1 トルクメニスタンの音楽 ~月のような娘 2分38秒>

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