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2018年8月

2018年8月31日 (金)

カルムイクの馬頭琴、喉歌、民族舞踊

昨日はトーク・トークでの終活カフェ5回目の弦楽合奏本番のため、ブログアップは出来ずでした。
カルムイクの音楽のYouTubeも膨大にありますが、馬頭琴、喉歌、特徴的な民族舞踊の映像が特に目に留まりましたので、上げておきます。先日のCDでは馬頭琴の存在は分かりませんでしたが、同じモンゴル系ということで、カルムイクでも弾かれるようです。追分的なコブシ回しがカスピ海の北で聞ける不思議を、また感じました。喉歌も馬頭琴弾き語りで歌われています。民族舞踊は78分のステージで、色々な踊りを楽しめます。リズム、メロディ共に実に面白いです。合唱ではロシアの影響が見えます。

Kalmyk horse-head fiddle (Mörin-Khür) piece performed by Baator Gavrilovitch Bukhaev

Kalmyk Throat Singers

Kalmyk State Ensemble of Song and Dance "Tulpan"

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2018年8月29日 (水)

ドン・カルムイク・コサック

これは興味深い映像です。コサックの中には日本人と見紛うようなアジア顔のカルムイク人がいたらしいことが、この映像から分かりました。カルムイクの「長い歌」を放送では、モンゴルのオルティンドーとロシアの地声合唱の民謡の中間のように聞こえると表現しましたが、この映像を見るとやはりロシアの地声民謡の方に断然近いと思いました。1分54秒辺りに出てくるのは、ほとんどコサック歌謡の地声合唱そのものです。

Don Kalmyk Cossacks

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2018年8月27日 (月)

ロシアのモンゴル系の国、カルムイクの音楽

ゼアミdeワールド123回目の放送、日曜夕方に終りました。29日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画は、とりあえずカルムイクのドンブル(dombura or topshur)のデュエットを上げておきます。CDと同じ音源は無さそうです。ドンブル奏者は女性のみと解説にありましたが、これは男性が踊る時は、という注釈付きだったのかも知れません。

Kalmyk topshur dueling (Viktor Batyrovich Okchayev and Dmitriy Sharayev)


今回はカスピ海北西岸のヴォルガ河下流西部に位置するロシア連邦内のモンゴル系の国、カルムイクの音楽をご紹介します。ヨーロッパ唯一の仏教国です。モスクワからそれ程離れてないヨーロッパ・ロシアにありながら、モンゴル系でチベット仏教を信奉する仏教国の存在は、一般にはほとんど知られてないかも知れません。
カルムイク人(Kalmyk)とは、オイラート人のロシアでの呼称で、ではオイラートとは何かと言うと、モンゴル高原の西部から新疆ウイグルの北部にかけて居住する民族で、15世紀から18世紀にモンゴルと並ぶモンゴル高原の有力部族連合であった、オイラト族連合に属した諸部族の民族で、中華人民共和国、モンゴル国の一部になった後、モンゴル民族の一員とみなされていますが、元来はテュルク系だったようです。
この場所でのモンゴル系ということで、ダッタン人の末裔のイメージを強く持っていましたが、いわゆる「タタールのくびき」は、13世紀前半に始まったモンゴルのロシア侵攻と、それにつづくモンゴル人によるルーシ(現在のロシア・ウクライナ・ベラルーシ)支配を、ロシア側から表現した用語ですから、時期的にはずれます。

この場所に居住していることについて、ウィキペディアには以下のように解説がありました。
「1755年から1759年にかけて、清の乾隆帝がジュンガル・ホンタイジ国を征服、清・ジュンガル戦争が終結。疫病(天然痘)の蔓延でカルムイク人の父祖の地が空き地になる。1771年、ヴォルガ・カルムイク人の指導者ウバシは、父祖の地である東トルキスタンのイリ地方への帰還を決定したが、その年は暖冬で、ヴォルガ川が凍結しなかったためヴォルガ西岸にいた半数は取り残されることになった。この取り残された人々こそがカルムイキア自治共和国のカルムイキア人の祖先である。
また、このときみすみすカルムイク人たちを逃がしたロシア政府の辺境守備での無能振りと権威の失墜(ウラル・コサックの蜂起 (1772年))が、2年後の1773年にドン・コサックが蜂起したプガチョフの大乱を招くきっかけとなった。」
このようにありましたが、更に興味深い一例として
「ロシアの革命家、政治家レーニンは、父方の祖母を通じてカルムイク人の血を引いている。」
とありました。レーニン以外にも、作曲家ならグバイドゥーリナなど、タタールやカルムイクなどのアジア系の血を引くロシアの有名人は枚挙に暇ないと思います。

解説はこの位にしまして、ロシアのKailasから2001年に出ましたCD「Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music (1990-1997)」から聞いて行きたいと思います。解説が簡略なので、私の感想中心になります。

2曲目はTakin Biという弦楽器の独奏曲です。ドンブラをすぐさま思い出す音ですが、カルムイクではドンブルと言うようです。弾き手は女性のみだそうです。

<2 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Takin Bi 2分10秒>

6曲目のTuula Biもドンブルの曲ですが、沖縄音階にも聞こえる旋律で、こんなメロディがカスピ海の北部から聞こえる不思議を感じます。ドンブルは女性が弾いて、男性が踊ることが多いようですが、この曲は「野うさぎの踊り」とのことです。

<6 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Tuula Bi 3分40秒>

22曲目にも同じTuula Biが入っていて、違う演奏者ですので、比較でかけてみます。

<22 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Tuula Bi 1分46秒>

9曲目のTohrun Aisという曲は、南隣のコーカサス各地で幾つか見られた「鶴」をテーマにした歌のカルムイク版で、ドンブルの弾き語りです。

<9 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Tohrun Ais 1分36秒>

モンゴルにオルティンドーという「長い歌」と訳される歌唱のジャンルがありまして、その定義は「非拍節的な自由リズムにもとづく旋律で歌い演奏される」となります。日本の追分や馬子唄のようなコブシを利かせたフリーリズムの歌ですが、同じモンゴル系ということで、カルムイクにも「長い歌」の伝統があり、この盤にも何曲か入っています。モンゴルのオルティンドーのような高度な技術ではないようですが、ロシアの茫洋とした本物の民謡との中間のようにも聞こえて、興味深いものがあります。
10曲目のAlta Gidg Hazrはその「長い歌」で、ラマ教(チベット仏教)関連の民謡のようです。

<10 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Alta Gidg Hazr 3分35秒>

21曲目の「長い歌」Tsahan Tolhata Bornは、この盤のタイトルのツァハンという語が入っている曲で、その意味は不明ですが、正にロシアの女性の地声民謡と、モンゴルのオルティンドーのあいのこのようにも聞こえます。「幸運な歌」とだけ解説がありました。

<21 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Tsahan Tolhata Born 4分37秒>

では最後に、25曲目のドンブル弾き語りのAakin Kkukn Kotushを聴きながら今回はお別れです。3分過ぎてから歌が出てきます。踊り手を囃し立てる賑やかな曲です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<25 Tsahan - Masterpieces of Kalmyk Traditional Music  Aakin Kkukn Kotush 6分37秒>

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2018年8月24日 (金)

バシキールの民舞と民謡

今日はバシキールの民族舞踊と民謡です。民舞の方は、1本目のようにオリジナルな感じの映像もありましたが、民謡の方はシンセの入ったポップ・アレンジの少女の歌唱が目立ちました。大人の歌唱もありますが、大体アレンジが入っています。伴奏にホルンが使われているのは異色で、他ではこういう編成は見かけません。おまけで、クライの素晴らしい独奏がもう一本ありましたので加えておきます。右手を逆手に構えるスタイルは、オランダPan盤の写真と共通しています。2本目の舞踊は、ハンガリーのルーツを探る催しでしょうか。確かに、マジャールの踊りと似て見えます。マジャールのルーツは、マリ・エルやヴォチャークでもハンティ・マンシでもなく、バシキールなのでしょうか? (なおバシコルトスタンは、中央アジアではなくウラル・アルタイのカテゴリーに入れております。)

Bashkir Folk Dance - 'Zärifä' (Зәрифә)

Baskíria - Bashkortostan - A sátornál

Bashkir folk song: "Ber almanı bishke bülejek"

Epic Bashkir folk song: "Nuğajbek" - Zilija Bahtieva

Bashkir National Instrument "Kurai" flute (1997)

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2018年8月23日 (木)

バシキールの縦笛クライ

バシコルトスタンの縦笛クライは、幾つかyoutubeがありました。発音方法ですが、今回初めて映像を見て、はっきり確認できました。ペルシアのネイと同じで、上の片方の前歯と犬歯辺りに当てて、舌で音をコントロールしているようです。歌口はおそらくなくて、切りっぱなしの筒だと思います。それでこれだけの表現力! ペルシア音楽と違って、バシキールでは5音音階なので、日本の民謡尺八と聞き間違えそうなほどに東洋的です。2本目では途中からクライを吹きながら歌(あるいは喉歌ウズリアウ?)が入ります。私はペルシアのネイを持っていますが、容易に鳴らせる笛ではありません。カザフにもsybyzgyという同様の笛があるそうです。激しく気になります。

Qurai (kurai) flute from Bashkortostan

Quray - Kuray - Ҡурай - Bashkir (Başqort) national instrument

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2018年8月22日 (水)

バシキールのウズリアウとモンゴルのホーミー

バシコルトスタンの喉歌(倍音唱法)ウズリアウは、今の所これくらいしか見つかっていませんが、モンゴルのホーミーと並べてみました。バシコルトスタンはムスリムが多いようですが、このだみ声はチベット仏教声楽の影響なのでしょうか? 民謡や民族舞踊の映像も若干ですが、ありましたので、また後日に。しかし、モンゴルの方の技巧の高度さとバリエーションの豊富さには、改めて驚くばかり。

Uzlyau. Ilham Baybuldin and Carlos Valderrama Ortiz

The Mongolian traditional art of Khöömei

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2018年8月20日 (月)

バシコルトスタンの伝統音楽

ゼアミdeワールド122回目の放送、日曜夕方に終りました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。放送でかけたのと同じ音源は見当たりませんので、国紹介のような2本を上げておきました。口琴、クライなど、伝統楽器の音も出てきます。

今回はウラル山脈南部に位置し、カザフスタン北西部に近いバシコルトスタンの音源をご紹介します。バシコルトスタンと言っても、どこにあるのか分からない人が多いかと思いますが、カザフの位置が分かれば少しはイメージ出来るでしょうか。ロシア連邦を構成する沿ヴォルガ連邦管区に含まれる共和国で、ヴォルガ中流域巡りの時に回ったタタールスタンやウドムルト(旧称ヴォチャーク)は、北西部に隣接しています。言語はテュルク系のキプチャク語群に属し、人種的には、モンゴロイドをベースにしながらも、コーカソイドの血もかなり混じっているそうです。確かに日本人そっくりな顔立ちと、ロシアなどの白人に近い風貌と両方がいる所のようです。
民族名と言語ではバシキールと呼ばれますが、その語源について大変に興味深い記述がウィキペディアにありました。「ミハイル・アルタモノフは、バシキール人はもともとスキタイの一部族「Busxk'」であり、紀元前1000年紀にテュルク族の西進に際してテュルク語に言語交替したものと推測した。いっぽうバシュキールの名は10世紀のアラブ資料に現れ、「マジャガル」という表記もみられることから、ソ連のS.トカレフ(1958年)は西遷しなかったマジャル人がマジャル→マジャガル→バジャガル→バシュクルトと名称を変えていったと考えた。」このようにありました。
音楽では、アジア的な5音音階が目立ち、トルクメンにもあったようなダブルトーンの縦笛や、倍音唱法と口琴も盛んな所です。音源は、私の知っている限りでは、オランダPanから2枚ありました。その内、Ural - Traditional Music of Bashkortostanだけ手元にありますので、こちらからご紹介して行きます。
まずは、一曲目のHandugasという女性の独唱曲ですが、日本の民謡にも似た音階で歌われています。これがモスクワに近い所の民謡とは信じられないのではと思います。曲名はナイチンゲール(サヨナキドリ)の意味です。

<1 Alfia Suleymanova / Handugas 4分49秒>

次は3曲目のGyulnaziraという曲ですが、Jocular Song(顎骨の歌)と英訳があります。同じアルフィア・スレイマノヴァの歌唱です。

<3 Alfia Suleymanova / Gyulnazira 56秒>

4曲目のIlyasという曲はKurayというダブルトーンの縦笛の吹奏ですが、これがトルクメンのカルグイ・テュイデュクに似た楽器と以前引き合いに出した笛です。東欧のカヴァルや日本の尺八にも似ているように思います。

<4 Abdulla Sultanov / Ilyas 2分39秒>

10~12曲目はバシキールの倍音唱法ウズリアウのスタイルで歌われています。一人で同時に二つの音を出すのが倍音唱法で、モンゴルのホーミー、トゥヴァのホーメイなどがよく知られています。オランダPanからのもう一枚のタイトルは、Uzlyauでした。フリー・スタイル、スロー・スタイル、ダンス・スタイルの3曲続けてどうぞ。

<10 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in free style 1分31秒>
<11 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in slow style 1分14秒>
<12 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in dance style 1分25秒>

13曲目もウズリアウですが、チベット仏教の聲明に似て聞こえます。バシコルトスタンではイスラムが多いようなので、意外にも思えます。Suleymanovaという名前なので、低い声ですが女性のようです。

<13 Bibizada Suleymanova / Gaysa Khun 1分48秒>

15、16、24曲目ではクライを吹きながらウズリアウをやっているようです。笛がメロディを奏で、声がリズムを刻んでいるのがはっきり分かる16曲目をどうぞ。

<16 Hasan Akhmetshin / Kara Yurga 1分38秒>

25、26、29、30曲目には口琴の独奏が入っておりますが、熟練の技が聞ける29曲目をおかけします。バシキールでは口琴をクブズ(Kubyz)と呼ぶようです。

<29 Ilsen Mirhaidarov / March of Salavat Yulayev 2分1秒>

終わりの辺りにバシキールのフィドル演奏が入っていますが、これが東洋的なメロディで実に面白いです。ヴァイオリン(フィドル)独奏はAbrar Argynbayevです。32曲目のShamsi,Igezakov,Tal Byugeliaという曲をどうぞ。

<32 Abrar Argynbayev / Shamsi,Igezakov,Tal Byugelia 2分28秒>

では最後に、34曲目の伝統楽器の合奏を聴きながら今回はお別れです。Potpourri of lyrical and dance melodiesと題するこの曲では、クライ、クブズ、バヤン(ロシアのボタン・アコーディオン)の賑やかな合奏になっています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<34 Potpourri of lyrical and dance melodies 2分37秒>

Republic of Bashkortostan 1


Russian cities: Ufa, Bashkortostan, Уфа, Башкортостан + marathon, уфимский марафон

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2018年8月19日 (日)

春駒・猫の子

予想通り今週はアップが少なかったので、日曜ですが上げておきます。郡上おどりは他にも色々ありまして、春駒や猫の子は特に人気の高い演目のようです。春駒と聞くと今治の人は御祝いの太鼓を思い出すかも知れません。ビデオで見ても浮き立つようなリズムです。郡上は馬の一大産地だったので、手綱さばきの勇ましい姿が威勢のよい踊りの動きに取り入れられているそうです。猫の子は、「養蚕農家の多かったこの地域では猫を鼠取り用とし、あるいは愛玩用として飼う所が多く、子猫の所作を真似た踊り」と、例の「白鳥おどり」に解説がありました。どちらも踊り手が近く、祭りの臨場感のある映像です。

4K 郡上徹夜踊り2017「春駒・2日目雨天」Harukoma, Gujo odori

4K 郡上徹夜踊り2017「猫の子・2日目雨天」Neko no ko, Gujo odori

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2018年8月16日 (木)

源助さん

郡上市白鳥町の盆踊り唄「源助さん」は、単に小唄踊りの一種と解説されることがほとんどですが、日本伝統文化振興財団のCD「現地保存会による岐阜・奥美濃 白鳥おどり」の解説には、以下のような見逃せない記述がありました。
「その昔、美男子、源助という男がある民家に泊まった。民家の娘おさよと契りを交わしたが、三日にして源助は北国に姿を消した。源助さん、源助さんと庭の木の小鳥と共に狂い呼びながら世を去った純情な恋物語が“源助さん”である。」
シンコペーションの入った親しみ易い民謡ですが、こんな哀切な裏話があったとは、驚きでした。

【岐阜県郡上市】白鳥おどり「源助さん」

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2018年8月13日 (月)

阿波踊りと郡上節

ゼアミdeワールド121回目の放送、日曜夕方に終りました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

今回は放送されるのが12日と15日ということですので、お盆特集にしたいと思います。何年先になるか分かりませんが、東アジアの続きで日本の民謡などを取り上げたいと思っております。
盆踊りの民謡で有名な曲と言えば、徳島の阿波踊り、富山の越中おわら節、福島の会津磐梯山、岐阜の郡上節などがありますが、今回は久保田麻琴さんプロデュースの阿波踊りの現地録音「ぞめき」シリーズを中心におかけしたいと思います。60、70年頃には「裸のラリーズ」のような過激なロックバンドのメンバーでもあった久保田さんですが、その後はサンディー&サンセッツの活動も加わり、90年代以降はプロデューサー業が中心になっているようです。ここ数年は阿波踊りや沖縄各地(八重山、宮古)の民謡、郡上の民謡など、日本各地の伝統芸能にも目を向けられています。これまでにも阿波踊りの現地録音はありましたが、目の前で演奏しているかのような臨場感溢れる録音です。まずは蜂須賀連の演奏からどうぞ。

<1 ぞめき弐 徳島阿波踊り 蜂須賀連 9分45秒>
徳島阿波踊り 2017 0813 蜂須賀連 紺屋町演舞場 第1部


続きまして、津田の盆(ぼに)踊りですが、CDの解説に「海で亡くなった家族などを供養する踊りで「お父、もんてこい」と涙まじりの叫びが入ることもある。ゆっくりと奏でられる鳴り物の音色が鎮魂の思いを表現している」とありました。私もテレビのドキュメンタリーで、正にその「お父、もんてこい~」と海に向かって叫んでいるシーンを見たので、思い出して目頭が熱くなる一曲です。この素朴な踊りを阿波踊りの起源の一つと見る人も多いようです。

<2 ぞめき弐 徳島阿波踊り 津田の盆踊り 9分22秒>
津田の盆踊り 2017


次に、岐阜県中部、郡上の盆踊り歌の中で最も有名な川崎の古調の歴史的録音と、それよりは後の坪井三郎による歌唱を続けておかけします。古調の方は、寺田敬蔵の1956~72年現地録音で、土取利行と桃山晴衣の選曲、解説です。土取さんは87年に郡上八幡に活動の拠点として茅葺きの芸能堂「立光学舍」と「立光学舎レーベル」を奥さんの桃山さんと共同で設立しています。久保田さんの郡上の現地録音も去年出ましたが、川崎の部分は入ってないようです。

<2-9 郡上のうた 古調川崎 桝田耕三 2分20秒>

<2-8 決定版日本の民謡 郡上節(かわさき) 坪井三郎 3分19秒>
字幕入り『かわさき』完全版 郡上八幡・2012徹夜踊り最終日


では最後に「ぞめき」シリーズの第三集「路上派」から、苔作の演奏を聴きながら今回はお別れです。最初の2曲はシリーズ第二集で正調連でした。路上派の方では旋律楽器は影を潜め、ひたすらパーカッシヴに打楽器のみが炸裂する演奏が入っております。

<4 ぞめき参 徳島阿波踊り 苔作 8分54秒>
2018 苔作 ファーストイン 8月12日

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2018年8月11日 (土)

セキルトペをもう一本

いよいよ今日でカザフ・シリーズをひとまず終えますが、最後は先日も取り上げたセキルトペ。とても印象的なドンブラ弾き語りで、Topic Records盤ではアコーディオン伴奏でしたから、オリジナルと思われるスタイルの演奏が見つかり、嬉しい限りです。同名異曲でしょうか、結構他の旋律の方が多いようで、辛うじて目当ての方が一本見つかりました。例のアフター・ディナーのハコさんが歌っていたキルギス民謡を思い起こさせるような、懐かしい感じの叙情味溢れる旋律です。
昨日は早々寝落ちしたため、土曜ですがアップしておきます。来週はお盆&夏休み期間中のため、ブログアップは少なくなると思います。トーク・トークは11~19日までお休みですm(. .)m

Ардақ Исатаева - "Секіртпе"

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2018年8月 9日 (木)

カザフ音楽番外編

ゼアミdeワールド120回目の放送、水曜夜に終りました。
5日の本放送枠が今治の夏祭り「おんまく特番」になりましたので、今回はカザフスタンの音楽の番外編と言うことで進めます。今回の分は8日だけに放送されます。カザフの広大さを実感させるイギリスのTopic Recordsの「Songs from the Steppes - Kazakh Music Today」の未紹介音源からご紹介しますが、まず前回途中までになってしまいました19曲目からです。カザフ東部に近いアルタイやトゥヴァの影響かと思わせるホーメイ(トゥヴァの倍音唱法)が登場しますが、これはモンゴルやトゥヴァで国教のようになっているチベット仏教声楽の影響でしょうか。だみ声の倍音唱法は、強烈なインパクトがあります。

<19 Edil Huseinov / Altyn Altai 3分40秒>
Altyn Altai (kazakh folk song)


口琴は中央アジア諸国ではカザフやキルギスで盛んなようですが、シベリア南部のトゥヴァやアルタイ、世界最寒冷地ベルホヤンスクやオイミヤコンのあるシベリア東北部のサハなど、広大なシベリアの各地が中心と言って良いと思います。シベリアの音楽については、中国や韓国、モンゴルなど、東北アジアを取り上げる際に一緒にしたいと思います。この辺に回ってくるのは、何年か先になるかと思います。
20、21曲目と口琴の超絶技巧演奏が続きます。口琴ソロの20曲目と、途中からホーメイの出てくる21曲目を続けてどうぞ。演奏は先ほどと同じでEdil Huseinovです。

<20 Edil Huseinov / Tokym Kagar 1分43秒>
Tokym kagar (kazakh folk song)


<21 Edil Huseinov / Tulpar Shabyty 2分12秒>

22,23曲目にはバラライカのようなドンブラ演奏が入っていますが、アコーディオンも入ったスタイルはロシア的な感じもありまして、同時に旋律はオリエンタルな趣きがあります。これらの点で中央アジアのカザフやキルギスの音楽と、かなり違う感じに聞こえます。アコーディオン(あるいはバヤン?)奏者のAlexei Yefremenkoという名前は、ウクライナ系のようにも見えます。ドンブラ奏者はカザフ人のMarat Nukeevのようです。

<22 Alexei Yefremenko / Navoi Shark (feat.Marat Nukeev) 2分6秒>

<23 Alexei Yefremenko / Toi Bastar (feat.Marat Nukeev) 2分50秒>

24曲目には、何度も取り上げましたアック(白鳥)の、別な演奏家のドンブラ演奏も入っておりますので、そちらをおかけしたいと思います。白鳥を恋人の化身と知らず撃ち殺してしまう悲話の一種のように思いますが、この曲には後日談とか、裏の真意があるのでしょうか? 瀕死の白鳥をリアルに描写しながら、明るくも聞こえる不思議な曲です。Roza Zhangabylとは一味違う豪快さのある演奏です。

<24 Rustem Kulshebaev / Akku 2分19秒>

27曲目のコログリは、タイトルからは中央アジアのテュルク系の英雄叙事詩を連想しますが、これぞドンブラと言う感じの豪快な独奏が聞けます。これを聞かないとこの一枚を締めくくれないようにも思います。英雄叙事詩を表現した器楽曲キュイということでしょうか。

<27 Asylbek Akhatov / Korogly (feat.Edil Basygaraev) 1分49秒>
Kazakh Folk Music - Korogly


前々回にネットワークトラブルで音飛びしてしまいました14曲目のセキルトペという曲を、もう一度かけておきたいと思います。叙情的な7音音階で短音階のカザフやキルギスの女性歌のタイプで、独特な哀愁美がありまして、個人的には一番惹かれるタイプの歌です。

<14 Lara Tulenbaeva / Sekirtpe 2分47秒>

9曲目から3曲は、中国の琴のような楽器(チャング?)の漣のような音に始まる演奏で、前々回に9曲目をおかけしました。今回は11曲目のAk Ozenという曲をおかけしたいと思います。とても爽やかな一曲です。この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<11 Folk Ensemble of the Presidential Orchestra / Ak Ozen 3分15秒>
Ak Ozen (Kazakh folk song)

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2018年8月 8日 (水)

ドンブラとコムズ

前にも同じタイトルをつけたことがあったかも知れませんが、予告編として上げておきます。カザフのドンブラとキルギスのコムズの競演です。曲芸のような速弾きは共通していますが、最大の違いは、弦の本数(ドンブラは2本、コムズは3本)以外に、フレットの有る無しがあります。よくフレットレスで弾けるなと思います。どちらも素晴らしく叙情的な歌の伴奏もしますが、ここでは火花を散らすような超絶技巧合戦が繰り広げられています。カザフの後は、すぐにでもキルギスに行きたいところですが、その前にお盆特集をやって、バシコルトスタンとモンゴル系のカルムイクを回って、その後でキルギスに向かいます。

Кыргыз - Казах домбыра комуз күй тартыс

Көрұғлы күйі

9分辺りで出てくるキュイをRoza Zhangabylも弾いています。

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2018年8月 6日 (月)

「テルメ・エレメンタウ」と「ファシュクタル・バル」

このリリカルで印象的なドンブラ弾き語りを聞かせる女性を覚えておいででしょうか? そろそろカザフを後にしなければなりませんが、この甘美で哀感に富んだ歌声は、忘れないようにしたいものです(忘れられないと思いますが)。2本目が以前上げた一本。それぞれ「テルメ・エレメンタウ」と「ファシュクタル・バル」と読めると思いますが、残念ながら意味は不明です。どちらもカザフ語だと思います。愛の歌らしいことだけは辛うじて分かりました。
今週の放送は8日のみですので、放送原稿を上げるのは9日になります。

Терме Ерементау

Ғашықтар бар....

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2018年8月 3日 (金)

サルタナート 3本

「哀愁のサルタナート」という表現がぴったりなように思うカザフの名曲サルタナート。数日前の一本に続いて映像付の動画が2本ありました。とにかく哀切な侘び寂感が沁みる一曲です。3本目は古老?の演奏。渋くて深い名演です。こういう演奏を味聴(味読ならぬ)しなければ、と思います。ますますこの曲の背景を知りたくなりますが、何とかならないものでしょうか。サルタナートと聞くと、まず北インドのイスラム王朝、デリー・サルタナートを思い出しますが、全く関係はないでしょうか。大半がトルコ系の王朝なので、もしやとも思いますが。(昨日は加藤さんのライブのため、ブログはアップ出来ませんでした。)

Б. Мажагулов & Р. Гайсин - Салтанат 2015

Rynat Gaysyn, Aygul Ulkenbaeva-Saltanat

Tolegen Mombekov - Saltanat (Толеген Момбеков - Салтанат)

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2018年8月 1日 (水)

Roza Zhangabylのイェルケ・スィルキムとサルタナート

アダイやアックなどで妙技を披露していたRoza Zhangabylが、イェルケ・スィルキム(Ерке сылқым)のビデオレッスン(ヴィデオ・ウローク=видео урок)とサルタナート(Салтанат)の演奏を公開していました。イェルケ・スィルキムは2本、サルタナートでは侘び寂の演奏を聞かせます。この2曲の意味や背景も知りたいし、他にもハーフィズ・キュイとか気になる映像が色々ありますが、カザフ・シリーズも来週で一応終わり。きりがないので、この辺にしておきます。(しかし、この人はやっぱりカザフ美人です)

Ерке сылқым 1 (видео урок)

Ерке сылқым 2 бөлімі (видео урок)

Салтанат күйі

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