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2018年8月20日 (月)

バシコルトスタンの伝統音楽

ゼアミdeワールド122回目の放送、日曜夕方に終りました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。放送でかけたのと同じ音源は見当たりませんので、国紹介のような2本を上げておきました。口琴、クライなど、伝統楽器の音も出てきます。

今回はウラル山脈南部に位置し、カザフスタン北西部に近いバシコルトスタンの音源をご紹介します。バシコルトスタンと言っても、どこにあるのか分からない人が多いかと思いますが、カザフの位置が分かれば少しはイメージ出来るでしょうか。ロシア連邦を構成する沿ヴォルガ連邦管区に含まれる共和国で、ヴォルガ中流域巡りの時に回ったタタールスタンやウドムルト(旧称ヴォチャーク)は、北西部に隣接しています。言語はテュルク系のキプチャク語群に属し、人種的には、モンゴロイドをベースにしながらも、コーカソイドの血もかなり混じっているそうです。確かに日本人そっくりな顔立ちと、ロシアなどの白人に近い風貌と両方がいる所のようです。
民族名と言語ではバシキールと呼ばれますが、その語源について大変に興味深い記述がウィキペディアにありました。「ミハイル・アルタモノフは、バシキール人はもともとスキタイの一部族「Busxk'」であり、紀元前1000年紀にテュルク族の西進に際してテュルク語に言語交替したものと推測した。いっぽうバシュキールの名は10世紀のアラブ資料に現れ、「マジャガル」という表記もみられることから、ソ連のS.トカレフ(1958年)は西遷しなかったマジャル人がマジャル→マジャガル→バジャガル→バシュクルトと名称を変えていったと考えた。」このようにありました。
音楽では、アジア的な5音音階が目立ち、トルクメンにもあったようなダブルトーンの縦笛や、倍音唱法と口琴も盛んな所です。音源は、私の知っている限りでは、オランダPanから2枚ありました。その内、Ural - Traditional Music of Bashkortostanだけ手元にありますので、こちらからご紹介して行きます。
まずは、一曲目のHandugasという女性の独唱曲ですが、日本の民謡にも似た音階で歌われています。これがモスクワに近い所の民謡とは信じられないのではと思います。曲名はナイチンゲール(サヨナキドリ)の意味です。

<1 Alfia Suleymanova / Handugas 4分49秒>

次は3曲目のGyulnaziraという曲ですが、Jocular Song(顎骨の歌)と英訳があります。同じアルフィア・スレイマノヴァの歌唱です。

<3 Alfia Suleymanova / Gyulnazira 56秒>

4曲目のIlyasという曲はKurayというダブルトーンの縦笛の吹奏ですが、これがトルクメンのカルグイ・テュイデュクに似た楽器と以前引き合いに出した笛です。東欧のカヴァルや日本の尺八にも似ているように思います。

<4 Abdulla Sultanov / Ilyas 2分39秒>

10~12曲目はバシキールの倍音唱法ウズリアウのスタイルで歌われています。一人で同時に二つの音を出すのが倍音唱法で、モンゴルのホーミー、トゥヴァのホーメイなどがよく知られています。オランダPanからのもう一枚のタイトルは、Uzlyauでした。フリー・スタイル、スロー・スタイル、ダンス・スタイルの3曲続けてどうぞ。

<10 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in free style 1分31秒>
<11 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in slow style 1分14秒>
<12 Mausur Uzyanbayev / Uzlyau in dance style 1分25秒>

13曲目もウズリアウですが、チベット仏教の聲明に似て聞こえます。バシコルトスタンではイスラムが多いようなので、意外にも思えます。Suleymanovaという名前なので、低い声ですが女性のようです。

<13 Bibizada Suleymanova / Gaysa Khun 1分48秒>

15、16、24曲目ではクライを吹きながらウズリアウをやっているようです。笛がメロディを奏で、声がリズムを刻んでいるのがはっきり分かる16曲目をどうぞ。

<16 Hasan Akhmetshin / Kara Yurga 1分38秒>

25、26、29、30曲目には口琴の独奏が入っておりますが、熟練の技が聞ける29曲目をおかけします。バシキールでは口琴をクブズ(Kubyz)と呼ぶようです。

<29 Ilsen Mirhaidarov / March of Salavat Yulayev 2分1秒>

終わりの辺りにバシキールのフィドル演奏が入っていますが、これが東洋的なメロディで実に面白いです。ヴァイオリン(フィドル)独奏はAbrar Argynbayevです。32曲目のShamsi,Igezakov,Tal Byugeliaという曲をどうぞ。

<32 Abrar Argynbayev / Shamsi,Igezakov,Tal Byugelia 2分28秒>

では最後に、34曲目の伝統楽器の合奏を聴きながら今回はお別れです。Potpourri of lyrical and dance melodiesと題するこの曲では、クライ、クブズ、バヤン(ロシアのボタン・アコーディオン)の賑やかな合奏になっています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<34 Potpourri of lyrical and dance melodies 2分37秒>

Republic of Bashkortostan 1


Russian cities: Ufa, Bashkortostan, Уфа, Башкортостан + marathon, уфимский марафон

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