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2018年9月10日 (月)

「草原のウル」の2回目

ゼアミdeワールド125回目の放送、日曜夕方に終りました。(最初5分は大雨関連の防災情報になりました) 12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。youtubeは日本語タイトルで検索しても出てこないので、CDにある原語のローマ字表記で検索しましたが、1本だけでした。キリル文字で検索すればあるかも知れませんが。

キルギスタンの音楽の2回目です。先週に続きまして、キングの「草原のウル」から続けたいと思います。
前回15曲目のサラマト・サディコヴァのコムズ弾き語り「花咲く青春」という曲をかけられずに終わりましたので、この曲から行きます。「娘に恋をした若者が恋人を夜空に輝く星と芳しい花にたとえ、幸せを運んでくる人と讃えている。更に娘の知恵を清い泉に、美しい目を灯の点る灯籠に、その姿を山に広がる花にたとえ、彼女と共に歩み、船に乗り、青春の金の湖から、幸福という金の魚を釣り上げたいと熱く願う歌」という内容で、前回かけたような哀愁味を帯びた曲とは対照的な一曲です。

<15 草原のウル キルギスの歌 ~花咲く青春 3分43秒>

17曲目には、カンバルカン・アンサンブルのもう一人の女性歌手ディルシャト・カンゲルディエヴァのコムズ弾き語りが出て来ますが、再び哀調を帯びたウルになります。「あなたを思ったら」という曲で、キング盤「草原のウル」の伊藤広宣氏の解説には以下のようにあります。「愛する男から遠く離れて一目でも会いたいと願う娘の恋愛歌。もしも男が自分のことを忘れても、自分は彼のことを忘れない。一生自分の心の中に彼は生きて行くという内容。」

<17 草原のウル キルギスの歌 ~あなたを思ったら 3分38秒>
The Kambarkan Folk Ensemble - Seni Oylosom


次の18曲目ではサラマト・サディコヴァを中心に、3人の女性歌手が見事な重唱を聞かせます。こういうコムズ弾き語りのソロではないスタイルは元々は無くて、ソ連時代に始まったようです。「愛と言うためらいがある」という曲で「ある青年に愛を打ち明けた娘が、彼が自分の愛を恥ずかしいから他人に言わないように、また自分の愛に答えて欲しい、と願った歌」と解説にありました。

<18 草原のウル キルギスの歌 ~愛と言うためらいがある 3分5秒>

続く19曲目は、コムズだけでなく、口琴のオーズ・コムズと、オカリナに似たチョポチョールも加わった賑やかな演奏で、「心より」という曲です。「愛するあなたに手紙を書きます。私の話を聞いて下さい。私の心を手紙に込めてあなたに送ります。私の暗い心は、あなたを思って明るくなりました。これからの人生を花咲かせましょう。あなたへ綴る熱い愛の言葉。あなたが遠くに行ってしまって、私の悲しみは募るばかりです、と歌った歌。」と解説にありました。

<19 草原のウル キルギスの歌 ~心より 1分31秒>

前回は8曲目から始めて14曲目までのサラマト・サディコヴァの歌唱でした。ここで1曲目に戻りますが、前半は男性歌手のコムズ弾き語りが中心に入っておりまして、特に1曲目のマナスという無伴奏の独唱は、これまで多かった短調の叙情歌とは対照的に、雄々しく明るい歌です。英雄叙事詩「マナス」は、キルギス人の始祖とされるマナスとその子孫の生涯を、何十万行にも亘って、即興で韻を踏まえて語りあげる叙事詩ということですから、キルギス人のアイデンティティに関わる重要なレパートリーと思われます。歌っているヌラック・アブドゥラマノフはキルギスを代表する最も有名な男性歌手です。キルギス民族の統一と侵略者から祖国を守る英雄マナスの勇猛さを伝える語りが聞けます。

<1 草原のウル キルギスの歌 ~マナス 2分20秒>

英雄叙事詩の豪快な語りでしたが、やはり男性の歌にもやるせない短調の曲がありまして、どちらかと言えば、そういうタイプが目立っているようです。しかし、2曲目に入っているヌラック・アブドゥラマノフのケルベスというコムズ弾き語りの曲は、偉大なアクン(キルギスの即興詩人)トクトグルの、歌の内容とは対照的とも思える明るい歌になっています。人生はとても短く、一瞬にして過ぎて行くという愛惜を歌っていて、なぜ人は永遠に青春の25歳の年齢で止まっていないのか、という内容です。

<2 草原のウル キルギスの歌 ~ケルベス 2分15秒>

3曲目も同じくヌラック・アブドゥラマノフのコムズ弾き語りですが、やるせない短調のタイプの歌に変わります。内容は以下の通りです。「恋人の顔、姿の美しさ、また彼女の優しさをよく夢で見、自分の愛が成就することを望んでいる詩人の切ない恋心を表現した内容。」

<3 草原のウル キルギスの歌 ~思索 2分44秒>

4曲目から4曲はバクトゥベク・シャテノフのコムズ弾き語りが続きますが、4曲目のアイナグルという曲は、これまたやるせなく切ない歌です。「アイナグルという女性に恋した青年の歌。彼は彼女を辺り一面を照らすような宵の明星にたとえ、一目彼女を見た瞬間、彼女に恋し切なくなった。彼女以外何も目に入らない、何も考えられない」という内容の歌です。

この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<4 草原のウル キルギスの歌 ~アイナグル 4分44秒>

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