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2018年9月24日 (月)

テンギル=トー/キルギスの山岳音楽

ゼアミdeワールド127回目の放送、日曜夕方に終りました。26日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。一本目はテンギル=トーのDVDから。口琴、チョポ・チョール、マナス、コムズなど、ほぼ一通り出てきます。他の曲は後日探してみます。
Tengir-Too: Mountain Music of Kyrgyzstan


キルギスタンの音楽の4回目です。今回は世界で最も豊富なカタログを持つアメリカの民族音楽の名門レーベル、Smithsonian Folkways(スミソニアン・フォークウェイズ)から出ている「テンギル=トー/キルギスの山岳音楽(Music of Central Asia Vol. 1: Tengir-Too: Mountain Music from Kyrgyzstan)」からご紹介したいと思います。この盤はSmithsonian FolkwaysからのDVD付の中央アジア音楽シリーズの第一作で、演奏はテンギル=トーという若手中心のグループですが、ゲストでキング盤に90年代の録音があったベテランのヌラック・アブドゥラフマノフも参加しています。2005年リリースですから、キング盤からちょうど10年経って出た盤です。冒頭いきなり口琴の演奏から始まりますが、もちろん口琴だけでなく、コムズやその他伝統楽器が沢山登場します。キング盤の「草原のキュ」ではデモ演奏程度でしたが、コムズと口琴以外の楽器も多彩な音色を聞かせます。

まず1曲目のJangylyk (Novelty)というエクスペリメンタルな曲ですが、倍音とベース音がはっきり聞き取れる3人の口琴奏者のトリオから始まります。金属製のテミル・コムズと木製のオーズ・コムズの音色の違いがよく分かります。冒頭の音は木製のオーズ・コムズだと思います。演奏者の一人のNurlanbek Nyshanovの作曲です。

<1 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Jangylyk (Novelty) 3分14秒>

2曲目のErke kyz (The Spoiled Girl 甘やかされて育った少女?)という曲は、本来コムズだけで演奏される器楽曲キュを、2弦の擦弦楽器クル・クヤク、縦笛のチョール、オカリナに似た土笛のチョポチョールを加えた合奏で、きれいにユニゾン(同音)で合奏していて、その点では解説にあるようにアイリッシュのダンス音楽を連想させるものがあります。

<2 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Erke kyz (The Spoiled Girl) 2分7秒>

3曲目のKuidum chok (I Burn, I Smoulder like Charcoal)は、キルギスの有名な吟遊詩人のアタイ・オゴンバエフ(1900-49)作の自伝的な曲で、オーソドックスなコムズ弾き語りです。Zainidin Imanalievが詩人の若き日の叶わぬ恋話を切々と聞かせます。このCDのジャケットで、上下逆さに構えてコムズを弾き語っているのは、彼です。英訳を訳すなら「私は燃える、私は木炭のようにくすぶる」となるでしょうか。

<3 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Kuidum chok (I Burn, I Smoulder like Charcoal) 3分26秒>
Küidüm chok (I Burn, I Smoulder like Charcoal)


続く4曲目のEpisode from the Manas: Kokotoidun Ashy (Kokotoi’s Memorial Feast) は、Tengir-Tooのメンバーの荘厳な合奏で始まりますが、その後で語り出されるのは、前に出てきました英雄叙事詩マナスの一節です。語り手のRysbek Jumabaevは写真では若そうに見えますが、堂々たる語りを聞かせています。「草原のウル」のマナスは無伴奏でしたが、このテンギル=トーの演奏は、とても語りに合った伴奏を付けていると思います。

<4 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Episode from the Manas 6分26秒>

少し飛びまして8曲目のアッティラ・ハーンという曲は、曲名でびびっと来まして、是非ともフェイドアウト無しでかけておきたいと思いました。5世紀にヨーロッパ東部にまで及ぶ大帝国を打ち立てたテュルク(あるいはモンゴル)系民族の大王、フン族のアッティラの偉業を讃えた曲です。キング盤でお馴染み、ベテランのヌラック・アブドゥラフマノフの自作コムズ独奏曲です。

<8 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Attila Khan 3分27秒>

この盤にはヌラック・アブドゥラフマノフのコムズ独奏がもう一曲入っておりまして、それは17曲目のカンバルカンという曲です。キング盤や英ARC盤のカンバルカン・アンサンブルをすぐに思い出しますが、コムズを作ったのが、この「キルギス音楽の父」カンバルカンとされています。このKaramoldo Orozov(1883-1960)の曲は、カンバルカンを讃えたコムズ独奏のキュです。
この曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<17 テンギル=トー/キルギスの山岳音楽 ~Kambarkan 4分52秒>

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