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2018年9月 3日 (月)

キルギスのディーヴァ Salamat Sadikovaの歌声

ゼアミdeワールド124回目の放送、日曜夕方に終りました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。サラマト・サディコヴァの該当曲のYouTube、2本ありました。

今回からキルギスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。カザフスタンの南東、新疆ウイグルの北西に隣接している中央アジアの山岳国です。旧ソ連の中央アジアには、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンとキルギスタンがありますが、カザフとキルギス、トルクメンは、他の2国と異なり遊牧民の要素を色濃く残しており、カザフやキルギスで聞かれる7音の短音階の旋律は、長く続いた遊牧の生活と無関係ではないように思いますが、どうでしょうか? ウズベクやタジクの音楽のようなシルクロードのエキゾチックさよりも、ロシア民謡に近いような懐かしさを覚える曲が多く聞けます。中央アジアでは異色な、7音の短音階の秘密は、解明はされてないようです。
カザフの時に少しお話しましたが、80年代ニューウェーブのグループ、アフターディナーのハコさんが歌っていたキルギス民謡も、正にそういうタイプでした。国民的弦楽器は、カザフではドンブラでしたが、キルギスではコムズという3弦でフレットレスの弦楽器になります。カザフと同様に曲芸のような超絶技巧も盛んなようですが、7音短音階の歌では、しっとりと叙情的に演奏されます。
キルギスの伝統音楽は、歌謡のウルと器楽のキュに大別されますが、その懐かしいイメージの叙情歌はウルということになります。アフターディナーの歌っていた曲は30年程経っても見つからずですが、似た感じの心に沁み入る曲を何曲か続けておかけしたいと思います。音源はキングの90年代のワールドミュージックライブラリーの「草原のウル」です。2008年に再編された現在のWRMLシリーズの「キルギスの音楽」では、旧シリーズのもう一枚の「草原のキュ」と合わせた2枚組になっておりましたが、新盤の方も現在では残念ながらメーカー切れで、ほぼ廃盤状態になってしまっているようです。

まずは、アフターディナーの曲を思い出させる女性歌手によるコムズ弾き語りです。グループはカンバルカン民族アンサンブルで、女性歌手は「キルギスのディーヴァ」とも讃えられるサラマト・サディコヴァです。曲名は「愛の詩(うた)」で、キング盤の伊藤広宣氏の解説を読み上げます。
「サラマトカン・サドゥコヴァはキルギスで最も人気のある女性歌手の一人。人生には色々困難なことがあるが、愛は永遠のものであってほしいと願う娘の恋心を歌った歌。」

<8 草原のウル キルギスの歌 ~愛の詩 2分46秒>
Salamat Sadïkova: Makhabat ïrï


同じくサラマト・サディコヴァのコムズ弾き語りで、コーカサス辺りで多く見られた鶴をテーマにした「私の鶴よ、帰って来て」です。解説には以下のようにあります。
「今は喧嘩して離れてしまったが、春暖かい所に鶴が舞い戻って来るように、もう一度初恋の相手が自分の許に帰って来て欲しいと願う乙女の恋歌。」

<9 草原のウル キルギスの歌 ~私の鶴よ、帰って来て 3分12秒>

10曲目は対照的に明るい曲調の「赤い花」という曲です。「娘が自分を赤い花にたとえ、好きな青年を夜鶯にたとえて、密やかな愛を育みたいと思い焦がれている。」という内容です。

<10 草原のウル キルギスの歌 ~赤い花 2分58秒>
Salamat Sadikova ‎– Qïzïl Gül (Red Flower) [ Kyrgyz Traditional Music ]


サラマト・サディコヴァの歌唱は素晴らしいので、続けます。11曲目は「乙女の歌」で、「娘が思いを寄せる若者が蝶のようにあっちの花、こっちの花と移るように、女性の所に行かずに自分だけを愛してほしい。」という内容です。

<11 草原のウル キルギスの歌 ~乙女の歌 2分42秒>

12曲目の「思い出してよ、あなた」も似たような内容で、「愛を誓った恋人と別れた娘の思いを歌った歌。別れてしまっても、いつも彼のことを思い出しては寂しがり、夢にまでも彼が現われてくる。」という歌です。

<12 草原のウル キルギスの歌 ~思い出してよ、あなた 3分1秒>

13曲目は極めつけのような「別れ」というタイトルで、「どうしたらよいのか分からない悲しい恋をした娘の歌。彼女は彼のことを思って、自分より美しく聡明な女性と結ばれるようにと願っている。」という内容です。

<13 草原のウル キルギスの歌 ~別れ 3分18秒>

この盤にサラマト・サディコヴァの歌唱は11曲入っておりまして、14曲目の「幸せの賛歌」もキルギスの美しい旋律の恋歌です。「手を取り合って花園へ行こうよ。月明かりの下で語り合おうよ。運命の贈り物でこうして一緒にいられるのだから、と恋人に夢中で話しかける乙女の歌。」こういう内容です。
この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<14 草原のウル キルギスの歌 ~幸せの賛歌 3分37秒>

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