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2018年10月22日 (月)

踊る岩山羊 Tak-Teke

ゼアミdeワールド131回目の放送、日曜夕方に終りました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画は文中に出てくるスヴェイン・ウェスタドがタク・テケを操っている映像です。シャケン・ジョロベコヴァの動画も後日探してみます。

Svein Westad "Tak teke". Свеин Вестад Варган и куклы


キルギスタンの音楽の8回目になります。ゼアミブログで予告しました通り、今回はキルギス・シリーズのラストに、日本口琴協会の「Tak-Teke 踊る岩山羊:中央アジア キルギスの口琴・コムズ・歌」からご紹介します。レーベル名通りで、口琴をクローズアップした盤ですが、口琴とコムズなど他の楽器の共通の曲を何曲か取り上げていました。前回Ker Ozon(「広大な谷」)を例として上げましたが、他にも色々あるそうです。
まずは「夜明けの涼しさ」という曲を口琴(テミル・コムズ)と弦楽器コムズの演奏で続けてお聞き下さい。

<4 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~夜明けの涼しさ スュイドュム・トョロョコヴァ 2分>

<9 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~夜明けの涼しさ カリマン・ウメトバエヴァ 3分19秒>

キルギスの口琴奏法の特徴は、倍音を強調して、よく知られたメロディを演奏することにあるそうです。音色や音響の変化で曲を構成したり、歌詞を声を出さずに歌いこんだりする東シベリア・サハの口琴音楽や、もっぱらリズム楽器として使用する南インドの口琴とも異なり、どちらかと言えばヨーロッパの口琴音楽に近いそうです。
この盤の白眉は、口琴の名演奏家にのみ知られている「口笛奏法」ともいうべきテクニックを聞かせるシャケン・ジョロベコヴァの演奏ですので、何曲か続けておかけしたいと思いますが、まずアルバムタイトルの「踊る岩山羊」からです。この曲はシャケン・ジョロベコヴァのジガチ・オーズ・コムズの演奏と、スュイドュム・トョロョコヴァのテミル・コムズとサバルベク・アマンクロフのコムズのデュオ演奏の2曲ありますので続けておかけします。因みに、ジガチ・オーズ・コムズの意味ですが、それぞれ木・口・楽器の意味ということですので、オーズ・コムズを「木の口琴」と勘違いしていた私の謎はようやく解けました。

<24 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~踊る岩山羊 1分32秒>

<25 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~踊る岩山羊 1分5秒>

岩山羊(タク・テケ)とは、コムズやテミル・コムズを演奏しながら、腕の動きを利用する操り人形のことで、キルギスに古くから伝わる伝統とのことです。実物は見たことはありませんが、上下に跳躍したり、時に回転もするタク・テケは、単純な仕掛けでありながら、予期できぬ複雑な動きをし、見ていて飽きないそうです。ジガチ・オーズ・コムズの演奏の方で、カタカタなっていた音が、タク・テケの音です。

シャケン・ジョロベコヴァの口琴演奏を続けます。この盤の13曲目で、彼女の演奏の1曲目になる「山の花」という鉄製口琴テミル・コムズの独奏曲から、そのかすかに高く鳴る口笛のような音が入っています。ノルウェーの口琴奏者スヴェイン・ウエスタドによると、この奏法は1991年のサハでの第2回国際口琴大会で聴衆に大きな驚きをもたらしたそうです。

<13 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~山の花 3分24秒>

続く「ビシケクの朝」では、ヴィブラートのかかったそのウィシクィルトマという口笛奏法が冴え渡ります。

<14 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~ビシケクの朝 3分3秒>

15曲目は木製口琴ジガチ・オーズ・コムズの演奏と彼女の歌でカッコウです。歌詞は、カッコウになぞらえた女性を待つ若い男の気持ちをシャケン・ジョロベコヴァが詞に作ったそうです。

<15 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~カッコウ 1分24秒>

18曲目の「キルギスの星」というシャケン・ジョロベコヴァの自作曲は、キルギスを代表する世界的な文学者チンギス・アイトマートフを讃えた歌で、彼女自身の歌の後で、同じメロディをジガチ・オーズ・コムズで演奏しています。今回は時間の都合でかけられませんが、彼女の歌ったキルギスの叙事詩マナスも収録されています。

<18 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~キルギスの星 1分19秒>

21曲目はエニセイ川というシャケン・ジョロベコヴァの自作曲で、シベリア中央部を流れる母なる大河エニセイの流れを表現したジガチ・オーズ・コムズの曲です。キルギス民族の発祥の地は、エニセイ川上流地域と考えられ、キルギスのように西に移動せずに残ったのが現在のハカス民族で、彼らはいわゆるエニセイ・キルギスです。

<21 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~エニセイ川 2分56秒>

では最後に20曲目の「ナルィンからの手紙」を聞きながら今回はお別れです。シャケン・ジョロベコヴァのテミル・コムズと歌で、50年代のキルギスのヒット曲だそうです。後半の歌に出てくる通り、メロディは短調ですから、口琴の倍音による演奏は困難なはずですが、驚くべきことに短調に聞こえています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<20 Tak-Teke 踊る岩山羊 ~ナルィンからの手紙 3分42秒>

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