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2018年12月10日 (月)

ブハラ系ユダヤ人音楽家1

ゼアミdeワールド138回目の放送、日曜夕方に終りました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。イシャコヴァの名ですが、キリル文字の綴りから判断すると、イスハコヴァと発音するのが近そうです。オコラ盤の曲は見つかっておりませんが、何とこの人のムナージャトがありましたので、今日はこちらを上げておきました。是非ユルチエヴァの歌唱と比較してみて下さい。

MUNOJOT Barno Iskhakova Uzbek Music O'zbek Барно Исхакова Муножот


ウズベキスタンの音楽の6回目になります。今回は前回と同じオコラからの2枚組「中央アジア 古典音楽の伝統」を中心に、ユダヤ系音楽家の演奏を取り上げたいと思います。中央アジアのウズベクとユダヤと言うのは、一般にはなかなか結び付かないかも知れませんが、ブハラ系ユダヤ人は古代パレスチナから離散したユダヤ人の中でも、最も古いグループの一つと言われています。第2神殿時代の1世紀のローマ帝国からの離散より500年も前の、第1神殿時代の紀元前6世紀のバビロン捕囚からの解放以後、カナンの地に戻らなかった、いわゆる「イスラエルの失われた10支族」の一つと自称してきたそうです。彼らブハラ系ユダヤ人はウズベクの古典音楽シャシュマカームの重要な担い手であったようで、CDもかなりあります。イラン、イラク、イエメン、シリア、クルドなど中東各地に離散したグループと共に、ヘブライ語で東方系を意味するミズラヒームと呼ばれまして、東欧系ユダヤのアシュケナジーム、スペイン系ユダヤのセファルディームと共に、大きな3つのグループの一つになります。後者2つは、それぞれの地域に回った際に取り上げます。
まずはオコラの2枚組「中央アジア 古典音楽の伝統」には、大御所の女性歌手バルノ・イシャコヴァの歌唱が3曲入っておりますので、その中からChahargahをおかけします。格調高い名唱を聞かせています。ダイェラを叩きながら歌っているのがバルノ・イシャコヴァ、ラバーブがナルカラーイェフ、ドタールがホダーヴェルディエフです。
(放送では、ラバーブとあるのが擦弦楽器だと思うので、おそらくギジャクでしょうと訂正したつもりでしたが、その際に間違えて撥弦と言ってしまっておりました)

<1-6 Asie centrale - Traditions classiques ~Chahargah 7分58秒>

続けてQashqarcha-ye Mogholcha-ye Dogahという曲もイシャコヴァの歌唱ですが、ウイグル西部のカシュガルと、アフガニスタンのヘラート州に定住するモンゴル系民族のモゴールを思わせるタイトルが気になります。モゴールチャと言うのは4分の4のリズムを指し、詩は何と、シタールやタブラを北インドにもたらし、カッワーリの創始者でもある中世インドの音楽家アミール・ホスロー作とのことです。チャハールガーと同じ3人による演奏です。

<1-7 Asie centrale - Traditions classiques ~Qashqarcha-ye Mogholcha-ye Dogah 4分31秒>

ウズベクのユダヤ系音楽家は他にもイリアス・マラーイェフの演奏がこの2枚組に入っていますが、この人の音源はShanachieのソロアルバムAt the Bazaar of Loveの方がいいと思いますので、そちらからおかけします。ウズベク本国での政情不安から、バルノ・イシャコヴァはイスラエルへ、イリアス・マラーイェフや米Smithsonian Folkways盤のあるブハラ・ユダヤ・アンサンブル・シャシュマカームはニューヨークへ移住しています。ジャケットでタンブールを構えている1936年生まれのイリアス・マラーイェフがリーダーで、ソ連崩壊後の1992年にニューヨークに移住し新天地で活動しているようです。
2分弱のTasnif-I Buzrukから、11分を越えるSaraxbarにかけて、NYで大らかな中央アジア音楽をたっぷりと奏でています。少しカッワーリに似て聞こえるようにも思います。Timeless Central Asian Maqam Musicという形容がぴったりです。更にもう一曲かける予定ですが、時間までどうぞ。

<1 Ilyas Malayev Ensemble / At the Bazaar of Love ~Tasnif-I Buzruk 1分42秒>

<2 Ilyas Malayev Ensemble / At the Bazaar of Love ~Saraxbar 11分10秒 抜粋>
Ilyas Malayev with group

Ilyas Malayevも同じ曲はなかなか出てきそうにありませんので他の曲ですが、これはおそらくウズベク時代の映像でしょう。

では、最後にオコラ2枚組に入っているバルノ・イシャコヴァのもう一曲、Dar Kucha Budamを時間まで聞きながら今回はお別れです。彼女が一人でダイェラを叩き歌っています。オコラ2枚組のラストを飾っているこの曲は、ブハラ系ユダヤのドリンキング・ソングとのことです。歌詞はタジク語の大衆詩とありますが、ブハラ語というヘブライ語の痕跡を残したタジク・ペルシア語なのかも知れません。ブハラのユダヤ宗教歌の音源も米Smithsonian Folkwaysの「ブハラ アジアの音楽の十字路」には入っていますので、また後日おかけしたいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-15 Asie centrale - Traditions classiques ~Dar Kucha Budam 3分47秒>

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