ウスマノヴァとアブドラエヴァ
ゼアミdeワールド149回目の放送、日曜夕方に終りました。27日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。ジュディさんについての説明は、時間の都合で放送で流せなかった部分です。ユルドゥズ・ウスマノヴァ / 君がここにいたら、も器楽部分だけで終わりましたので、タジクの歌手共々また探してみます。
ゼアミブログの方で、ウズベクとタジクのポップスで橋渡しをして、タジクに移るような予告をしておりましたので、ウズベク・ポップスを代表する歌姫(ディーヴァ)の2人、ユルドゥズ・ウスマノヴァとナスィバ・アブドゥッラーエヴァの歌から聞いて行きたいと思います。
まずはオスマンの女性名ウスマノヴァを名乗るユルドゥズ・ウスマノヴァですが、彼女の盤は沢山リリースされていますが、セレクション・アルバムという盤が手元にありますので、こちらから一曲おかけします。キングレコードから2007年に「世界の女神(ディーヴァ)たち」という世界中の大衆歌謡の女性歌手のシリーズが出まして、私はイスラエルのセファルディー(スペイン系ユダヤ人)の歌手ヤスミン・レヴィのライナーノーツを担当しましたので、このシリーズ全20枚のサンプルをキングレコードから頂いていました。
1曲目の「金持ちと貧乏人」という曲ですが、タンブールの深い音色から始まり、ポップな中にも伝統的なシャシュマカームを学んだウスマノヴァの哀愁を帯びた歌声が重なる佳曲です。
<1 ユルドゥズ・ウスマノヴァ / 金持ちと貧乏人 6分47秒>
Schoch Va Gado
ナスィバ・アブドゥッラーエヴァは、ナシバ・アブドラエヴァの表記の方が一般的になっているようです。ウスマノヴァが63年、アブドラエヴァは61年生まれで、国は違えど同世代の共通する何かを感じます。
この人の歌はyoutubeで多く聞きましたがCDは持っていないので、アップルミュージックからの音出しになります。このサマルカンド生まれの美貌の歌手には、シルクロードのポップ・クイーンのイメージを長らく持っていました。youtubeで見たことのあるメロディの美しいアゼリという曲をどうぞ。曲名通りアゼルバイジャン風の泣きのケマンチェの伴奏が入っています。
<Nasiba Abdullayeva / Azeri 5分22秒>
Nasiba Abdullaeva-Umr (azeri)
次にタジク・ポップスのコンピレーション盤がやはり手元にありますので、こちらから数曲かけたいと思います。この盤は99年に代々木のミール・ロシア語研究所に通っていた頃に講師の先生から頂いた思い出の盤です。香取先生とは旧ソ連内の音楽の話で盛り上がったものでした。ロシア語学習とは言っても別に左傾化した訳ではなく、昔からロシアの歌が好きで、更には旧ソ連内の族際語であり、この地域について調べるにはロシア語が不可欠と思っての受講でした。ペレストロイカ後に顕著になった中央アジアのポップスの流れを受けてでしょうか、99年当時のタジクの若手歌手のコンピレーションで、割とチープな打ち込みの入った曲も多いのですが、その中で印象に残った2曲をおかけしておきます。ペルシア古典詩の「ホスローとシーリーン」を思い出す名前の女性歌手シリンモフと、アラビア語で「太陽」の意味のシャムスの歌唱です。タジク語の曲名は読みが難しいので省きます。
<2 Shirinmoch 3分27秒>
<3 Shams 4分4秒>
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここで催しのお知らせを入れます。
知られざる美食の国 シリアからやってきた!
世界はひとつみんなのだんらん
メニュー:となりのシリア料理ランチ(5品)
マンディ(シリア風ピラフ)、バミヤ(オクラのトマトソース和え)、ムタッバル(ナスとゴマのペースト)、ホンモス(ひよこ豆のペースト)、シリア風サラダ
イベントの収益金はシリア難民の支援に役立てられます。
日時:3月9日と10日 11時半~14時
場所:松山大学 文京キャンパス カルフール1Fカフェテリア
大人 1800円(当日) 1500円(前売り)
大・高・中 1500円(当日) 1000円(前売り)
小学生以下 500円
限定60名
お問い合わせ 世界を拓く実行委員会
メール info@artapricot.com
両日とも夜にアラブ音楽のライブがあります。
「ジュディさんとアラブ音楽の夕べ」
アラブ伝統楽器 ウードの演奏
ジュディさんとの懇談「シリア、知られざる、本当のところ」
日時:3月9日と10日 18時開場 18時半~20時半
場所:松山大学 文京キャンパス カルフール1Fカフェテリア
大人 3800円(当日) 3500円(前売り)
大・高・中 2500円(当日) 2000円(前売り)
小学生以下 1000円 (3歳以下不可)
ディナーコース(7品)
限定30名
コフタ(シリア風牛肉のつくね)、ショルバット・アッツ(レンズ豆のスープ)、ハラブサラダ(アレッポ風サラダ)、ロッズまたはホブス(ご飯またはシリア風パン)、トルシィ(野菜の塩漬け)、デザート(シリアのお菓子)、ドリンク(アラビック紅茶、アラビア・コーヒーなど)
演奏:常味裕司(ウード)、相沢恭行(ギター)
リーム・アハマド(アラビア語通訳)
ユセフ・ジュディ(埼玉でドバイ・アンティーク&カフェを経営)
アサド政権に対抗するデモに参加していたが、身の危険を感じ、2012年8月に来日。家族は紛争の激化にともない、隣国イラクの難民キャンプに身を寄せていたが、2015年1月ジュディさんは2年ぶりに家族と再会することができた。3度にわたる難民認定を求める裁判を起こしたが敗訴。現在は埼玉県でドバイ・アンティークカフェを経営して生計を立てている。
ウードの常味さんは、私の店Cafeトーク・トークで2回ライブをやりましたウード奏者の加藤吉樹さんの最初の師匠です。私も東京の音や金時辺りで何回かと、Uターン後も松山で2度ライブに伺ったことがあります。
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では最後にユルドゥズ・ウスマノヴァの歌う「君がここにいたら」という曲を時間まで聞きながら今回はお別れです。やはりタンブールの印象的なソロから始まります。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<4 ユルドゥズ・ウスマノヴァ / 君がここにいたら 5分>
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