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2019年2月11日 (月)

Yulduz Turdievaの歌声

ゼアミdeワールド147回目の放送、日曜夕方に終りました。13日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。ユルドゥズ・トゥルディエヴァの動画は色々ありますが、放送で途中までになった Mavrigiのライブ映像がありましたので、今日はまずこちらを上げておきます。

ウズベキスタンの音楽も12回目になりました。古典的な音楽だけでも他に英ARCや仏Ocoraのこれまでにかけてない他の盤などまだまだありますが、きりがないので古典音楽は今回でラストにします。今回はドイツのDreyer Gaidoから出ているユルドゥズ・トゥルディエヴァの盤をご紹介します。これまでにかけた音源は廃盤アイテムも多かったのですが、この盤は現在も入手可能な一枚です。取引先の帯ではユルドゥス・トルディーバのライジング・スター・オブ・ザ・イーストとなっている盤で、2009年のオスナブリュックでのモルゲンランド音楽祭のライブ音源です。タイトル通り、トルディエヴァは2009年のこの国際的なコンペティションで披露した歌声で、審査委員を唖然とさせ高い評価を得た女性歌手です。
ウズベキスタンだけでなく、ペルシアやアゼルバイジャンの曲も取り上げていまして、これまでに何度も取り上げたモナージャトを歌っているのを始め、イランの古典声楽の名歌手シャジャリアンがよく歌っていたBote Chin(中国の美女)も出てきます。
伴奏は枠太鼓のドイラと、撥弦楽器がタールまたはルバーブ、擦弦楽器はギジャクまたはヴァイオリンが使われています。2009年8月21日、ドイツのモルゲンランド音楽祭でのライヴ録音です。
まずは、これまでにモナージャト・ユルチエヴァの歌唱で何度かご紹介しましたスーフィーの歌に由来するというモナージャト(祈り)ですが、もちろんユルチエヴァだけの曲ではなく沢山の歌唱や器楽独奏までありましたので、またブログの方で取り上げたいと思います。

<2 Yulduz Turdieva Ensemble / The Rising Star of the East ~Munojot 8分8秒>

3曲目のアゼルバイジャンの古典曲はカラバフ・シカステスィとなっておりまして、アゼルバイジャンとアルメニアの間で紛争になったナゴルノ・カラバフと関係ありと思い、気になりました。典型的なアゼルバイジャンのムガームのスタイルです。

<3 Yulduz Turdieva Ensemble / The Rising Star of the East ~Karabakh Shikastesi 4分10秒>

4曲目はバヤーテ・シーラーズで、これはまたアゼルバイジャンのアリム・カシモフなどの演奏を思い出す曲です。バヤーテ・シーラーズらしい艶美な曲調です。11分近いので少しだけおかけしておきます。

<4 Yulduz Turdieva Ensemble / The Rising Star of the East ~Bayat-e Shiraz 10分57秒 抜粋 2分>

5曲目の「二つのペルシアの歌」、Tasnif Ey Mah,Ey Tirの前半が、イランの古典声楽の名歌手シャジャリアンがよく歌っていたBote Chin(中国の美女)というタスニーフです。エキゾチックな旋律美が一度聞くと忘れられない曲です。歌詞の英訳では、エイ・マーのマーは月、ボテ・チンは「中国のアイドル」となっています。バヤーテ・シーラーズと同じ音階と解説にありますが、ペルシアならホマーユン旋法になると思います。因みに私のパーソナリティ名はこの旋法から取りました。後半の長調の曲はマーフール旋法で、こちらはイランの名女性歌手ファーテメ・パリサーがよく歌っていたタスニーフです。この盤の解説にはユルチエヴァ、シャジャリアン、パリサーの名前は出て来ませんが、それ程ウズベクではよく知られている曲ということなのかも知れません。

<5 Yulduz Turdieva Ensemble / The Rising Star of the East ~Tasnif Ey Mah,Ey Tir 6分16秒>

では最後に6曲目のMavregiを時間まで聞きながら今回はお別れです。イランのシーア派の人々によってイラン東部のホラサーン地方からウズベクのブハラに持ち込まれた祭礼音楽の一種とのことです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<6 Yulduz Turdieva Ensemble / The Rising Star of the East ~Mavregi 7分39秒>
Yulduz Turdieva- Mavrigi (Buhorocha)

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