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2019年3月25日 (月)

Topic Recordsの「タジキスタンの伝統音楽と大衆音楽」から

ゼアミdeワールド153回目の放送、日曜夕方に終りました。27日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。交響的ファラクがあれば良かったのですが、今の所見つかってないので、グルチェラ・ソディコヴァのポップスの同一曲と思われる一本と、ニゴロはシャムスでは見つからず、他の女性歌手ですが上げておきました。Hotam Hokimovとかは無さそうです。

ココログですが、既にお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、3月19日にリニューアルして、ページごとのアドレスと言うのはなくなったようです。(これまでにアップした個別アドレスは生きているようですが)タグの操作も変わっているので、表示具合が前と違っていて、何とか前と同じにならないか試行錯誤中です。



タジキスタンの音楽の4回目になります。今回はイギリスのTopic Recordsから2006年に出ました2枚組の「タジキスタンの伝統音楽と大衆音楽、多声部音楽」FALAK, THE VOICE OF DESTINY: TRADITIONAL, POPULAR & SYMPHONIC MUSIC OF TAJIKISTANからご紹介したいと思います。1枚目は伝統音楽、2枚目は現在のポピュラー音楽を収録していて、田舎と都市部、伝統とモダンの両方を紹介している2枚組です。特にシンフォニックな中に伝統声楽が入る曲などは、前衛的な作品に聞こえる程ですが、ここで出てくるのが何度かご紹介しましたファラクです。原題にVOICE OF DESTINY(運命の声)とあるのが正にファラクのことで、よく特徴を捉えた表現だと思います。半音階の多いフリーリズムのコブシ豊かな詠唱というだけでなく、ファラクとは元々「運命」とか「vault of the sky(天蓋または天空?)」のような意味を持っている言葉で、命のはかなさ、若さの喪失、片思いなど、様々な悲しみの感情を表すルバーイー(四行詩)の詩の内容も重要とされています。



まずは、その2枚目16曲目のシンフォニックなファラクからおかけしたいと思います。前衛的に聞こえるのは、ハイテンションなフリーリズムかつ旋律の半音階進行の多さから来るものだと思います。「運命の声」と言うイメージは、オマル・ハイヤームのルバイヤート以来の伝統でしょう。ファラクは、日本の詫び寂びにも通じるものがあると思います。この交響的ファラキはトリブ・カーン・シャヒーディー作曲で、歌い語っているのは俳優のアブドゥムミン・シャリポフです。ハチャトゥリアンに師事したトリブ・カーン・シャヒーディーの管弦楽作品は、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団などの演奏でも露MelodyaからCDが出ております。彼は「21世紀のハチャトゥリアン」とも言われている人です。



<2-16 Abdumumin Sharipov / Falaki (Tolibkhon Shakhidi)  4:25>



1枚目には器楽のみを含む様々なファラクが何曲か入っておりまして、Falaki Badakhshon、Falaki seqisma、Falaki dashti、Falaki bo raqs(踊りのファラク?)、Falak bo surudi khalqi、Falaki ravonaとあります。これまでにおかけしたファラクや、先ほどの現代曲にも近いファラクと言うことで、一番オーソドックスなFalaki Badakhshonをおかけしておきます。聞けば聞くほど、日本で言えば詩吟に近いようにも思います。歌っているパンジシャンベ・ジョルボフは、東部バダフシャンで名の通った歌手だったようですが、その後西部の首都ドゥシャンベに移り、フランスのInedit盤で名演を聞かせた名歌手ダヴラトマンド・ホロヴ(Davlatmand Kholov)がリーダーの、国立民族アンサンブル「ファラク」で一緒に活動しているそうです。



<1-1 Panjshanbe Jorubov / Falaki Badakhshon 1:56>



2曲目には同じパンジシャンベ・ジョルボフが歌う比較的親しみやすいガザルが入っていますが、時間の都合で割愛しまして、3、4曲目には女性歌手グルチェラ・ソディコヴァの歌唱で2つのファラクが入っていますが、最初のFalaki seqismaがリズミカルな曲調なのに対し、次のFalaki dashtiは笛だけの伴奏のフリーリズムの詠唱になっております。Falaki dashtiとは、ダシュティ旋法のファラクではなく、「平地のファラク」という意味のようです。2曲続けてどうぞ。



<1-3 Gulchehra Sodiqova / Falaki seqisma 5:06>



<1-4 Gulchehra Sodiqova / Falaki dashti 2:49>



伝統音楽の方で異色なのが6曲目のグルグリで、倍音の入った浪曲のような叙事詩弾き語りですから、テュルク系の曲かと思いましたが、やはりイラン系の伝統のようです。ドンブラ弾き語りのホタム・ホキモフは、グルグリ叙事詩のプロ歌手とのことです。首都ドゥシャンベに近い所にこんな音楽があるとは驚きですが、古代にシルクロード交易を支えたイラン系のソグド人の末裔とされるヤグノブ人が住んでいるのも、タジク北西部ですから、東部のバダフシャンだけが秘境ではないことを実感する音源です。長いので少しだけおかけします。



<1-6 Hotam Hokimov / Gurughli 9:08 2分位>



2枚目の6曲目には1枚目に出てきた女性歌手グルチェラ・ソディコヴァがポップスも歌っていますので、一曲おかけします。彼女の息子の楽団をバックに、ドンブラを弾き語っているようです。



<2-6 Gulchehra Sodiqova / Zi duri 6:10 抜粋>

Гулчеҳра Содиқова [Gulchehra Sodiqova]





2枚目にはゼアミブログでも取り上げました有名なグループ、シャムスの演奏が4曲入っております。4曲目のNigoroを聞きながら今回はお別れです。ニゴロとは「恋人」の意味だそうです。



ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週



<2-4 Shams / Nigoro 4:23 抜粋>

Nigoro

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