« サトとヴァイオリンの対話 | トップページ | ゼルバガリ »

2019年5月13日 (月)

アフガニスタンの器楽と歌

ゼアミdeワールド160回目の放送、日曜夜にありました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。プラヤサウンド、エアメイル共に活動停止していて、現在は入手困難です。youtubeはエアメイルの音源でありました。



Air Mail Music - Afghanistan





今回からアフガニスタンの音楽を聞いて行きたいと思います。アフガニスタンと聞くと政情不安のイメージが強く、西アジア、中央アジア、インドの3つの文化を中心に、古代の仏教が盛んな頃のギリシア系までもが重層的に重なるこの国の文化や音楽は、一般には余り知られてないように思います。主要言語のダリー語、パシュトー語、タジク語は、いずれもイラン系の言語という点も、ほとんど知られていないことかも知れません。少数民族として、モンゴル系のハザラ人がいて、おそらくモンゴル帝国時代の末裔と思われます。



アフガニスタン伝統音楽の音源と言えば、LP時代にコロムビアの5枚組がありまして、私は所有出来ていませんが、これは70年代の貴重録音で決定盤的な内容でした。1980年前後のソ連侵攻以後の政情不安から、ほとんど伝統音楽も聞こえてくることがなかったように思いますが、昔の録音を中心に、在外のアフガン人の最近の音源も徐々に増えてきて、22枚くらいはリリースを確認しています。今日おかけするフランスのプラヤサウンドの盤「アフガニスタンの器楽と歌」も70年代の録音で、この録音が再発されたエアメイルの盤について2002年に音楽之友社から出た「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿を読み上げてみます。



イランのトンバクやカシミールのトンバクナーリのように低音の豊かな片面太鼓ゼル・バルハリ(あるいはゼルバガリ)の独奏に始まり、北インドのサロッドの祖として名高いアフガン・ラバーブの演奏(タブラ伴奏)、サーリンダやギチャクのような夕焼け空のような音色の擦弦楽器リチャクの弾き語り(ゼル・バルハリ伴奏)等。今や貴重なアフガンの古典的名演が堪能できる貴重な盤の一つ。元のプラヤサウンドのLPは1980年リリースなので、ソ連のアフガン侵攻以前の平和な頃の録音と思われる。ラバーブ奏者はモハンマド・オマル、リチャクと歌はモハンマド・ナイム他。土産物的な装丁だが、エアメイルシリーズには、たまにこういう貴重音源があるので、要注意!



私の手元にあるのは、元のPLAYASOUND盤の方です。まずは片面太鼓ゼル・バルハリの独奏ですが、北インドの16ビートのターラである、ティーンタールに則った演奏です。音色はイラン、リズムパターンでは北インドを向いているということになります。



<1 Solo de zer-barhali-rythme tintal 4分5秒>



2曲目は擦弦楽器リチャクの弾き語りに、ゼル・バルハリの伴奏がつきます。リチャクの代わりにドゥタールの弾き語りもYouTubeでよく見かけますが、これらは典型的なアフガンの語り物のスタイルです。



<2 Chant accompagne par un ritchak et un zer-barhali 7分16秒>



3曲目のToolahという横笛は、音域から推測するに北インドのバンスリよりも短いと思われますが、爽やかな音色が印象的です。伴奏の太鼓は、北インドのタブラに代わりますが、リズムパターンは同じと言っていいようです。



<3 Solo de toolah accompagne de tabla 4分53秒>



4曲目でアフガニスタンの国民的な楽器ラバーブが登場します。北インドのサロッドの親に当たる弦楽器で、とても玄妙な音色を持った楽器です。



<4 Musique du nord jouee au rabab 5分44秒>



素晴らしい盤ですので、7曲全てかけたいと思いますが、今回は5曲目のラバーブ演奏を時間まで聞きながらお別れです。タブラと持続音のタンプーラの伴奏の、北インドのラーガ音楽のスタイルによるアフガニスタン古典音楽の演奏です。サロッドとタブラのラーガ演奏と比較すると面白いと思います。



ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週



<5 Musique classique afghane de la tradition de l'inde du nord 9分4秒>

|

« サトとヴァイオリンの対話 | トップページ | ゼルバガリ »

中央アジア」カテゴリの記事

ゼアミdeワールド」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« サトとヴァイオリンの対話 | トップページ | ゼルバガリ »