Inside Afghanistan - Recordings by Deben Bhattacharya
ゼアミdeワールド167回目の放送、日曜夜にありました。3日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。
167回目の放送になりました。アフガニスタンの音楽の7回目になります。イギリスのARCから出ているInside Afghanistan - Recordings by Deben Bhattacharyaにもインドの世界的な民族音楽学者のデベン・バッタチャリアが、1955年と70年にカブールで録音してきた音源がありますが、アーゴ盤にはなかった録音がありますので、今回はそれらをおかけします。
7曲目にゼルバガリ名人のマラン・ネジラビの演奏が入っています。バッタチャリアの前でも演奏していたのだなと分かりました。まず彼の独奏からどうぞ。
<7 Zeir Baghali 4分28秒>
弦楽器ではアーゴ盤にはなかったルバーブとタンブールの音源が2曲ありますが、特に驚いたのが11曲目のタンブール独奏で、ウズベク音楽の巨匠トゥルグン・アリマトフの演奏のような、中央アジア的な音揺れの妙が聞けます。音揺れと共に、少し遅れるような絶妙なタイミングで入る装飾的な前打音が味です。こういう演奏を聞くと、インドやイランの音楽よりも、日本の三味線音楽に近いものを強く感じます。共鳴弦の音が聞こえないので、アフガン・タンブールではないなと思っていたら、おそらく北部のウズベク族のタンブール演奏のようです。
<11 Dambura 1分59秒>
ラバーブの演奏も入っていて、アーゴ盤とは別音源ですので、おかけしておきます。タンブール共々、演奏者が分からないのが残念です。アフガニスタン北部の民謡に基づく演奏です。
<10 Rabab 2分51秒>
前回アーゴ盤でかけようと思っていて時間切れでかけられなかったナグメーという華やかな曲が、ARC盤でもラストに入っていますので、かけておきます。音楽会や集会の開催の曲として演奏される器楽曲とのことです。ギチャクとゼルバガリの演奏者はMuhammad Naim Mazariとマラン・ネジラビです。
<14 Naghma 3分6秒>
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ここでライブ情報を入れます。
一昨年、去年と加藤吉樹さんのウード・ソロ・ライブを2年連続で催しましたが、今年も加藤さんがいらっしゃってライブを行うことになりました。関西から熊本までのソロ・ライブ・ツアーの一環です。宜しければ是非お越し下さい。
アラブ音楽ライブ ~ウードソロ~
7月31日(水)
開場 18時00分 開演 19時00分
会場 Cafeトーク・トーク 今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階
*駐車場は限定5台ですので、出来るだけ公共交通機関等をご利用下さい。
定員:25名限定
珈琲か紅茶のワンドリンク付き 2000円
演奏:加藤吉樹(ウード)
ご予約:VYG06251@nifty.ne.jp または 携帯090-8044-8535
携帯に出られないことも多いので、出来るだけメールでのご予約をお願い致します。
バックでかけているのは、Bint El Baladという3分余りの曲です。時間までお楽しみ下さい。
以上、ライブ情報でした。
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アーゴ盤で7曲目に入っていた1955年録音のダリー語の恋歌は、アブドゥル・カーデルによる切々とした男性の独唱でしたが、同じ歌い手によるとても似た曲がARC盤でも 8曲目に「ヘーラートの歌」として入っています。歌詞はペルシア語とありますが、ダリー語かも知れません。
<8 Song from Herat 3分14秒>
アーゴ盤と丸々ダブっているのは、14曲中、終わりの3曲だけのようです。
このARC盤の冒頭を飾っているAtan - National Dance Musicと、次のAtan - Nomad Danceを時間まで聞きながら今回はお別れです。1970年録音の1曲目はMuhammad Naim Mazariとマラン・ネジラビのギチャクとゼルバガリの演奏で、1955年録音の2曲目はスルナイとドールの演奏です。おそらく後者が原曲だと思います。Pashtun系nomad(遊牧民)のコチ族の曲だそうですが、丸くなって踊る風景が髣髴とされる曲です。インド西部のグジャラート州西部の遊牧民カッチ族と名前は似ていますが、関係はなさそうです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<1 Atan - National Dance Music 2分51秒>
<2 Atan - Nomad Dance 3分59秒>
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