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2019年8月12日 (月)

宮古島の神歌

ゼアミdeワールド173回目の放送、日曜夜にありました。14日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。

フンザの次は、ウイグルの予定でしたが、毎年お盆と正月には日本の音楽をご紹介していますので、今年も一回だけ日本に戻ります。

長男の結婚式で7月初旬に沖縄の宮古島に行ってきまして、17年前に奄美大島に行って、南の島の明るい風光と島民の気さくな人柄に触れて「移住したい」と思う程気に入ったのを思い出す旅になりました。手持ち音源から2枚おかけしたいと思います。Alchemyから出ている「南嶋シリーズ Nisumura 宮古西原 古謡集」と、キングの「沖縄・宮古の神歌」の2枚です。

アルケミー盤は、1974年に宮古島西原地区の村立100周年の記念として、池間出身の演歌歌手・島和也、本名・奥原初雄氏と村一番の唄者、長田孫太郎氏によって録音、制作された2枚組のレコードから編集し、プロデューサーの久保田麻琴氏がリマスターして復刻した2009年の盤でした。

キング盤は150枚のワールドルーツミュージックライブラリーの一枚で、同じく久保田麻琴氏の録音とプロデュースで、アルケミー盤と同じ曲を含む2008年録音です。「宮古・池間地区の島の繁栄を祈願する儀礼の中で、女性達が島内の霊場を廻りながら唱える神歌が収録されています」と解説にはありますが、池間島からの移住者が宮古島の中心に近い西原という所に住んでいるので、西原(アルバムタイトル通り方言ではNisumura)に残る池間の伝承ということになるようです。

解説は後で入れることにしまして、まずは、アルケミー盤の一曲目「御前風」をお聞き下さい。穏やかな序曲のようなグディンブー(御前風)という11分余りの歌唱です。

<1 南嶋シリーズ Nisumura 宮古西原 古謡集 ~御前風 11分6秒>

宮古島に行ってみて不思議に思ったのは、本土にある寺社仏閣や墓地が見当たらないように見えたことですが、これは本土では失われた「神の世界観」が今なお沖縄では息づいているからかなと思いました。観光タクシーの運転手さんから色々話を聞きましたが、祖先崇拝が強いからでしょうというお返事でした。聖なる地、ウタキ(御嶽)は、宮古島には何と千以上あるそうです。

面積は小豆島くらい、人口6万ほどの宮古島の中で、池間や西原の方言で話されると、同じ島民同士でも全く通じないそうです。これには驚きました。北の方にある池間島は遠いので行けませんでしたが、西の来間島と5キロ近い長い橋の向こうの伊良部島には渡りました。

今回かけているような古い伝承の歌を現地で聞きたかったのですが、大体の民謡酒場では一般的な沖縄民謡がほとんどのようですので、初めての土地の夜道をレンタカーで走ってまで行かなくて良かったかなと思っています(笑)

本土の都節とは違いますが、短調に聞こえる「宮古節の綾語」という曲をおかけします。奄美民謡に少し似た感じですが、短調の沖縄民謡はほとんど記憶がありません。

<21 南嶋シリーズ Nisumura 宮古西原 古謡集 ~宮古節の綾語 2分36秒>

アルケミー盤とキング盤共通で入っている曲は、他に「出産祝いの歌」がありますが、現在ではこの歌の歌い手は数えるほどという貴重な歌です。アルケミーの方は三線付きですが、キング盤の無伴奏歌唱の方でおかけします。

<5 沖縄・宮古の神歌 ~マイグムイマウヤハ(出産祝) 4分51秒 から2分ほど>

では最後にアルケミー盤でも冒頭に入っていた「御前風」を時間まで聞きながら今回はお別れです。キング盤の録音年はアルケミー盤の34年後ですので、キング盤の90歳前後の「オバァ」の一人、長崎トヨさんは、もしかしたらアルケミー盤のジャケットの女性と同じ人かと思いましたが、どうも違うようです。祭祀を行う女性の歌い手を七杜(ナナムイ)と言いますが、七杜の現役は47~56歳なので、アルケミー盤のジャケットの女性は、1974年当時現役だったのではと思いました。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 沖縄・宮古の神歌 ~グディンブー(御前風) 12分12秒>

宮古島神歌古謡 2007年12月の録音



高良マツさん、長崎トヨさん、村山キヨさんによる、キング盤リリース前年の同曲の歌唱

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