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2019年10月28日 (月)

オスマンとペルシアに共通のAbdulkadir Meragiの名曲

ゼアミdeワールド184回目の放送、日曜夜にありました。30日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。放送でかけられなかったホマーユン・シャジャリアンのyoutubeがありました。今日はこの一本だけ上げておきます。

トルコの伝統音楽の3回目です。

スルタンの親衛隊「イェニチェリ」をタイトルに冠したクドゥシ・エルグネルのフランスAuvidis Ethnicのオスマン軍楽の盤から、冒頭のMedley: Ceremonial des Janissaires / Elci Peshrevi / Rast Kar / Air des Mehtersを前回の最後にかけましたが、肝心のアブドゥルカディル・メーラギの曲が出てくる前に時間切れになってしまいました。

今回はオスマン名曲選の1回目ということで、14、15世紀のアブドゥルカディル・メーラギが書いたこの有名な旋律のRast Karを、幾つかの演奏で聞き比べたいと思います。まず前回のイェニチェリの一曲目のメドレーからおかけします。

<1 Medley: Ceremonial des Janissaires / Elci Peshrevi / Rast Kar / Air des Mehters 6分5秒>

アブドゥルカディル・メーラギですが、イランのBarbadから出た「情熱の書  Showghnaameh ショウグナーメ (3CD)」では、「ティムール朝期の音楽家Abdulkadir Meragi(1350または1360-1435)の文献を、音楽研究家・Mohammad Reza Darvishiが解釈し、トンバク奏者兼歌手のHomayun Shajarianが歌ったプロジェクト」という紹介をされていました。冒頭に、オスマン古典音楽の非常に古いレパートリーとして有名なAbdulkadir Meragi作曲のRast Nakis Besteが出てきますが、これは明らかにRast Karと同じ曲に聞こえます。

オスマン古典組曲をファスル(Fasil)と言いますが、ファスルの中ではカールの後にベステが演奏されるので、同じ曲の前半と後半のようにも聞こえるように思います。歌詞は通常はペルシア語で歌われていますが、イランの音楽家がペルシア音楽の古層を辿って行く内に、ティムール時代の音楽に行きつき、それがオスマン音楽と共通していたということで、Showghnaamehは大変に興味深い盤でした。

そのRast Nakis Besteをかけられれば良いのですが、例によって大好評につき売り切れで残ってなくて、更にデータも行方不明のため、2枚目に入っている同じラスト旋法の他の曲をおかけしておきます。同じマカームですから、似た雰囲気は感じられるかと思います。Rast (Mohtasham)という曲です。

<2-6 Showghnaameh ~Rast (Mohtasham) 6分43秒>

Homayoun Shajarian - Amed nesîm-i subh-dem tersem ki âzâreş küned (Abdülkâdir-i Merâgi)


歌のホマーユン・シャジャリアン以外は、Samer Habibi, Ehsan Zabihifar : キャマンチェ、Siyamak Jahangiri : ネイ、Ali Samadpur : ロバーブ、Sirus Jamali : ベース・ロバーブ、Arash Shahriari : タンブール(チャールタール)、Negar Buban : ウード、Sanaz Nakhjavani : カーヌーン、Behzad Mirza`i : ダーイェレという編成でした。曲調は確かにオスマン音楽ですが、それをペルシア音楽の音楽家が演奏しているところが非常にユニークに聞こえました。

Abdulkadir Meragi作曲のRast Nakis Besteとしてのオーソドックスな名演が、トルコのKalanから出ていますので、おかけしておきます。編成は、ネイと枠太鼓ベンディールのSenol Filiz(シェノル・フィリス)、タンブールがBirol Yayla(ビロル・ヤイラ)、ウードがSamim Karaca(サミーム・カラジャ)、カーヌーンがTaner Sayacioglu(タネル・サヤジュロウル)、ケメンチェはLutfiye Ozer(リュトフィイェ・オゼル)で、それらのすっきり静謐なユニゾンがとても美しいです。

<1 Rast Nakis Beste 5分10秒>

この曲はトルコの初回にかけましたウルヴィ・エルグネル・アンサンブルによるオスマン宮廷音楽のEnderunにも入っておりますので、おかけしておきます。タイトルがまた違っていて、Makam Rast: VI. Amed Nesimiとなっています。多くは器楽で演奏されるこの曲ですが、この演奏では歌詞が出てくるので、Amed Nesimiはその作詞者かも知れません。

<18 Makam Rast: VI. Amed Nesimi 3分57秒>

では最後に、余った時間でShowghnaamehの唯一見つかった2枚目のデータから、もう一曲のRastを時間まで聞きながら今回はお別れです。ホマーユン・シャジャリアンは、ペルシア古典声楽の大御所で父のモハマド・レザ・シャジャリアンにそっくりな歌声になってきたなと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-7 Showghnaameh ~Rast (Mohtasham) 3分33秒>

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