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2019年10月31日 (木)

アブドゥルカディル・メーラギとRast Nakis Beste

アブドゥルカディル・メーラギのラスト・ナキシュ・ベステですが、胸のすくような明るい曲調で、20年前後前にトルコのウードを独習していた頃からオスマンのレパートリーの中では特に好きな曲の一つでした。それだけに数年前にイランのBarbadからShowghnaameh(ショウグナーメ)が登場して、イラン音楽の古層とオスマン音楽が繋がっていることを証明したこの盤の冒頭にこの曲が出てきたことには、大変驚きました。
ペルシア音楽とトルコ音楽のどちらでも相当に古い時期の音楽家アブドゥルカディル・メーラギは、現在はイラン北西部のアザルバイジャン州のマラーゲ生まれのペルシアの音楽家でしたが、イランにあったイルハン国の後のモンゴル系のイスラム王朝、ジャライル朝の宮廷に仕え、その後ティムールによるバグダッド占領後はやはりモンゴル系のティムール朝のサマルカンドの宮廷に仕えたり、バグダッドとサマルカンドを行き来したようです。当時の複雑な政治情勢に翻弄された人生だったようですが、当時としてはおそらく長命ですし、各所で吟遊詩人~楽師として厚遇されていたようです。敵には残忍なことで知られるティムールですが、音楽を好み、アラブから中国に至る東西の楽士で混成された楽団が奏でる歌曲に耳を傾けたそうです。アブドゥルカディル・メーラギとオスマン宮廷との繋がりは、スルタン・ムラート2世に音楽論文を贈ったことが記録されていますが、ほぼこの事実のみのようです。と言う訳で、この曲もジャライル朝かティムール朝の宮廷で生まれて、オスマン朝の音楽に受け継がれたということなのではと推測しますが、どうでしょうか。
名曲だけに、youtubeも夥しい数が上がっています。1本目では音と映像のずれが気になりますが、左からケメンチェ、ネイ、ウード、歌の並びが興味深く、すっきりと美しい演奏です。2本目の演奏では、冒頭にウードによる高度な変奏が繰り広げられた後で、主題が現れます。Chant du mondeから出ていたAl Kindi アンサンブルのParfums Ottomans(オスマンの香り)のジャケットそのままの人形が出てくる3本目では、弦楽器奏者の首が時折くるくる回るのに笑いを禁じ得ませんでした(笑)ただしParfums Ottomansに、この曲は入ってなかったように思います。

RAST NAKIŞ BESTE- ''AMED NESİMİ SUBH(U) DEM''- Abdulkadir Meraği

Rast Nakis Beste 'Amed Nesimi Subhu Dem' - Abdülkadir Meragî / Mehmet E. Bitmez

ÂMED NESÎM-İ SUBH DEM - ABDÜLKÂDİR MERÂGÎ

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