ジョルディ・サヴァールとカンテミルオール
ジョルディ・サヴァールとカンテミルオールと聞いて、最初は意外な気がしましたが、「オリエント~オクシデント」は、カンテミルオールの曲で始まり、カンテミルオールの曲で終わっています。広く地中海の古楽を見て行く上で、いかに重要視しているかの表れのようにも思いました。動画にはニクリーズはなかったので、代わりに最後を飾っているMakam 'Uzäl Sakil "Turna" を上げておきました。3本目の生映像にある、El libro de la ciencia de la músicaとは、例の『文字による音楽の知識の書』のことでしょうか? 直訳すれば「音楽の科学の書」だと思いますが。スペイン語(あるいはカタロニア語?)はよく分かりませんが、冒頭のインタビューでジョルディ・サヴァールはカンテミルオールについて熱く語っているようにも思いました。(以下放送原稿を再度上げておきました)
検索で出てきたのは3枚ありまして、2枚目にご紹介しますのは、スペイン古楽界の大御所ジョルディ・サヴァールとエスペリオン21の演奏で、アルバムタイトルはオリエント~オクシデントです。聖母マリアのカンティガから、イタリアのトレチェント(14世紀)の音楽、サラエボのセファルディー音楽、アフガニスタンやペルシアの音楽などに混じって、21曲中にカンテミルオールの曲が4曲入っています。この中から、冒頭を飾っている明るいマカーム・ラストと、対照的にエキゾチックな短調の旋律が印象的な13曲目のマカーム・ニクリーズの2曲を続けておかけします。
<1 Makam Rast "Murass'a" Usul Duyek (Turquie, Mss. de Kantemiroglu) 4分40秒>
Makam Rast "Murass'a" Usul Düyek (Turquie, Mss. De Kantemiroglu)
<13 Makam Nikriz Usul Berevsan (Turquie, Mss. de Kantemiroglu) 3分34秒>
Makam 'Uzäl Sakil "Turna" (Turquie, Mss. De Kantemiroglu)
ESTAMBUL. Dimitrie Cantemir: "El libro de la ciencia de la música" - Concierto de Jordi Savall
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