« カンテミルオールの伝記映画、文字譜、トルコ古典楽器演奏 | トップページ | Seraphim Bit-Kharibi アトス山 »

2019年12月23日 (月)

アッシリア教会のアラム語聖歌とウィーン少年合唱団の「きよしこの夜」

ゼアミdeワールド192回目の放送、日曜夜にありました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。「聖地のクリスマス音楽」と同じ音源はないと思いますので、アラム語のサンプルとしてアッシリア教会のアラム語聖歌と、ウィーン少年合唱団の「きよしこの夜」を貼っておきました。ハヌカー関連は、木金に上げる予定です。

トルコの伝統音楽の11回目ですが、放送されるのが22日と25日ということで、今回はクリスマス特集に致します。その次の29日は1日の再放送枠が無しですので、締めくくりの音楽、新年の最初は8日の再放送枠のみありますから、正月関連の特番に致します。

これまで3回かけましたが、まずはドイツ・グラモフォンから出ていた「聖地のクリスマス音楽」から、「ベツレヘム生誕教会の鐘」をおかけします。キリスト生誕の地とされるベツレヘムのギリシア正教会での録音で、東方的な渋みや深みを感じさせる音です。冒頭と最後に入っていますので、続けておかけします。

<1 聖地のクリスマス音楽 ~ ベツレヘム生誕教会の鐘 43秒>

<22 聖地のクリスマス音楽 ~ ベツレヘム生誕教会の鐘 1分15秒>

2~4曲目はローマ・カトリック教会の聖歌で、女声によって歌われるグレゴリオ聖歌の一種でラテン語で歌われています。この盤の中では唯一の西方教会の音楽で、異色の音源になっていると思います。その中から夜中のミサ:アレルヤ唱をどうぞ。

<3 聖地のクリスマス音楽 ~ ローマ・カトリック教会の聖歌 夜中のミサ:アレルヤ唱 2分>

この盤からもう一曲、古シリア教会の聖歌ですが、最も早くからキリスト教化された地方ですから、ユダヤ教の流れも汲む古い典礼のスタイルが残っているようです。言葉はイエス・キリスト自身が話したと伝えられる古いシリア語の一種のアラム語が現在も主に使われています。

<18 聖地のクリスマス音楽 ~古シリア教会の聖歌 アレルヤ、アレルヤ 2分20秒>

Father Serafim Chants Psalm 50 In Aramaic


このアルバムに収録されているのは、イスラエルのエルサレムやベツレヘムでの東方諸教会の音源で、この地で2000年前にキリスト教が生まれた頃に近い響きを持っていると思われる音楽が中心です。3年前には、この盤からキリスト教の東方的ルーツを訪ねた、ギリシア正教会、エチオピア教会、エジプトのコプト教会、シリア教会、アルメニア教会、レバノンのマロン派の音源を中心にご紹介しました。今回は一般にもよく知られているクリスマス・キャロルもおかけして、その後でユダヤで同じ時期に祝われるハヌカー関連の音源もご紹介します。

よく知られるクリスマス・ソング2曲をウィーン少年合唱団の歌唱でどうぞ。最初がドイツ民謡「もみの木」で、2曲目は1818年にフランツ・グルーバーが作曲した「きよしこの夜」です。

<22 ウィーン少年合唱団ベスト もみの木 1分38秒>

<23 ウィーン少年合唱団ベスト きよしこの夜 2分40秒>

Vienna Boys Choir - Stille Nacht (Silent Night)


次にユダヤのハヌカーですが、ユダヤの世界にはキリストの生誕を祝うクリスマスという行事は無いのですが、まるで対抗するかのようにほぼ同時期にハヌカーという祭りがあります。ハヌカーはユダヤ教の年中行事の一つで、紀元前168年~紀元前141年のマカバイ戦争時のエルサレム神殿の奪還を記念する「宮清めの祭り」です。今年は東欧系のアシュケナジームの音楽は外して、セファルディーの方だけでご紹介します。

15世紀のレコンキスタでスペインから追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散したスペイン系ユダヤ人はセファルディーと呼ばれますが、彼らの民謡を演奏するグループVoice of the Turtleは「ハヌカー・コンサート」という盤が最初に出ました。その中からハヌカーという曲をどうぞ。

<10 Voice of the Turtle / Circle of Fire ~Hanuka 3分10秒>

Voice of the Turtleのハヌカーの歌は去年と一緒ですが、この後はトルコのユダヤ教徒の音楽から、ハヌカーの曲をおかけしたいと思います。Kalan Muzik Yapimから2001年に出ているMaftirim Judeo-Sufi Connectionという盤は、トルコ音楽のスタイルでユダヤ教神秘主義詩を聞かせる内容です。演奏はHazan Aaron Kohen Yasakとマフティリーム合唱団で、器楽伴奏はネイとタンブールを中心に打楽器のベンディール、クデュムという編成です。トルコには15世紀のスペインからの離散のグループとは別に、古代パレスティナから古くは紀元前4世紀頃から流入した古い集団もあるようです。この盤の演奏者がどちらになるのかは不明ですが、ハヌカーの曲を演奏しているということは、セファルディーだろうと思います。では、そのHag Amakabimという曲をどうぞ。

<19 Maftirim Judeo-Sufi Connection ~Hag Amakabim 5分14秒>

Maftirim Judeo-Sufi Connectionには、ユダヤ教の安息日(シャバト)の歌が多数入っていますので、3曲目のイスマー・アル・ツィヨンと言う曲を、時間まで聞きながら今回はお別れです。キリスト教の安息日は日曜ですが、ユダヤ教では土曜になります。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<3 Maftirim Judeo-Sufi Connection ~Yismah Ar Tsiyon 2分36秒>

|

« カンテミルオールの伝記映画、文字譜、トルコ古典楽器演奏 | トップページ | Seraphim Bit-Kharibi アトス山 »

東方教会」カテゴリの記事

ゼアミdeワールド」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« カンテミルオールの伝記映画、文字譜、トルコ古典楽器演奏 | トップページ | Seraphim Bit-Kharibi アトス山 »