シャドアラバンのサズ・セマーイは、同旋法のペシュレヴよりよく知られている名曲ですので沢山動画がありますが、タンブールの独奏はほとんどないようです。と言う訳で、タンブールがよく見える演奏を一本目に。2本目は、タンブールの名手オゼル・オゼルと、ケメンチェ奏者は彼の奥さんでしょうか。3本目は大分前に上げた動画ですが、ここで男性が弾いているのが4コースのラウタで、6分過ぎから出てくるのがタンブーリ・ジェミル・ベイのシャドアラバン旋法のサズ・セマーイです。女性の弾いているのは、イスタンブールのリラとありますが、クレタのリラやトルコのケメンチェにそっくりです。ウードよりは棹の長いラウタは、フレットレスですから、演奏が難しいのではと推測されます。この動画の前半は、イスマイル・ハック・ベイのフェラフェザ旋法のペシュレヴで、この曲を取り上げた際にアップしたと思います。ファスルの中で冒頭のペシュレヴよりも、ラストを飾ることが多いサズ・セマーイは、3+2+2+3の10拍子というおそらく把握しにくい拍子で書かれていても、名曲は数多いです。(来週取り上げるNihavend Saz Semaisi (Mesud Cemil)の方がポピュラーな気はしますが)
şedaraban saz semaisi tanburi cemil bey
Özer Özel & Aslıhan Özel - Şedaraban Saz Semaisi (Tanburi Cemil Bey)
Lyrian Modus - Ferahfeza pesrev - Sed araban saz semaisi (Charis Laurijsen - Chrysanthi Gkika)
今日の曲が放送の2曲目にかけたUrfa Havasiで、この曲はどうしてもアルメニア的に聞こえますが、どうでしょうか。ヴァイオリンと歌の節回しはもちろんですが、特に低音の持続音ドローンがアルメニアのドゥドゥクなどの伴奏を思わせます。彼はトルコ語だけでなく、アルメニア語でも作曲と演奏をしたそうですから、十分にありうると思います。生没年は1901~1978年ですから、意外に最近までご存命だった人です。彼の両親はアルメニア人大虐殺から逃れて1915年にトルコ中西部のコンヤに移住、この地でフラントはウードを学び始めたそうです。彼の弟子には、アルメニア系アメリカ人のウード奏者に、John Berberian, Chick Ganimian, Richard Hagopian, George Mgrdichian, Harry Minassianがいて、特にリチャード・ハゴピアンとの関係で、トラディショナルクロスローズの音源が残されたようです。(同じトルコでも、コンヤではアルメニアン・ジェノサイドの嵐は吹き荒れてなかったことが、プロフィールから分かりました。)
フルートのガッゼローニと言えば、ジャズの鬼才エリック・ドルフィーのフルートの師匠としても知られ、ドルフィーのアルバムOut to LunchにGazzelloniと言うオマージュ曲が入っていたことを真っ先に思い出します。そのガッゼローニが宮城道雄の「春の海」を入れていたというのは、新鮮な驚きがありました。(と言う話を3年前にも書いたかも知れません。ダブっていたら済みません。)
ガッゼローニはヴィヴァルディのフルート協奏曲など古典的な曲も入れていますが、何よりも現代音楽の演奏家として有名で、ルチアーノ・ベリオ、ピエール・ブーレーズ、ブルーノ・マデルナ、ストラヴィンスキーなど錚々たる大御所達から献呈された作品を初演。エドガー・ヴァレーズの《密度21.5》を普及させ、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会での活躍により、フルート教師としても著名でした。
しかし「春の海」と現代音楽とドルフィー。何と奇抜な組み合わせでしょうか。ドルフィーは師匠よりずっと早くに、若くして亡くなりますが、ガッゼローニはその後70年代にジャズに近づいたこともあったようです。
次にフルートのガッゼローニと三代目宗家の宮城数江の1972年録音をかけてみましょう。1956年の宮城道雄の没後では、最初のこの曲の録音です。ガッゼローニと言えば、ジャズの鬼才エリック・ドルフィーのフルートの師匠としても知られ、ドルフィーのアルバムOut to LunchにGazzelloniと言うオマージュ曲が入っていました。
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