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2020年1月20日 (月)

トルコのウード ウーディ・フラントとジヌチェン

ゼアミdeワールド196回目の放送、日曜夜にありました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。他の動画はまた後日。

トルコの13回目になります。今回はトルコのウード独奏を色々聞いて行きたいと思います。

オスマン音楽のウード奏者と言えば、オスマン朝末期から活躍したギリシア系のヨルゴ・バジャーノス、アルメニア系のウーディ・フラントやウーディ・マルコ・メルコンが特に有名で、ずっと後の世代では、何故かまとまった盤が仏Ocora盤くらいしか無かったジヌチェン・タンルコルルがいます。

まずはウーディ・フラントですが、アメリカのトラディショナル・クロスローズの盤について、

「トラディショナル・クロスローズ社のヴィンテージ・トルコものの一連のリリースの中で初期に出た94年盤。アルメニア系の盲目のウード奏者兼歌手(作曲家でもある)の名演集。「トルコ節」の絶妙な節回しと渋い歌声、ウードのメズラブさばきが見事に調和した、現代ではもう聞くことの難しいホンマモノのオスマン芸能。」

と、こんなコメントをゼアミHPに入れていました。フルネームはウーディ・フラント・ケンクリアンで、アルメニア系であることが分かるイアンが名前の最後に入っています。

トラディショナルクロスローズから出ていた3枚の盤が手元にありますので、その中からEarly Recordings Vol.1の数曲を中心にご紹介したいと思います。

8曲目はスズナーク旋法のタクシームですが、後半はウード弾き語りになります。この旋法はタトヨス・エフェンディを思い出します。どちらも絶妙にこなしていて凄い演奏です。

<8 Udi Hrant / Early Recordings Vol.1  Suzinak taksim 6分>

Suzinak taksim


この人はヴァイオリンも弾くようで、ドローンの入ったアルメニア的な数曲では見事なヴァイオリンと歌を披露しています。11曲目のUrfa Havasiと言う曲をおかけします。

<11 Udi Hrant / Early Recordings Vol.1  Urfa Havasi 3分8秒>

先ほどスズナーク旋法はタトヨス・エフェンディを思い出すと言いましたので、タトヨス・エフェンディのスズナーク旋法のサズ・セマーイをおかけしておきます。タトヨス・エフェンディのスズナークと言えば、あのエキゾチックなペシュレヴが耳について離れないものがあります。この演奏はトラディショナルクロスローズからの1枚目のUdi Hrant Kenkulianの5曲目に入っています。

<5 Udi Hrant Kenkulian / Suzinak Saz Semai (Kemani Tateyos Efendi) 4分55秒>

日本のウード奏者の常味さんなどから評価の高いジヌチェン・タンルコルルのオコラ盤の録音は1983年でした。CDで再発されたのは1994年で、その6年後の2000年に62歳の若さで亡くなっています。CDの出た当時は「現在トルコで人気、実力ともトップクラスのウード奏者/歌手」という人でしたから、亡くなったのを知った時は驚きました。彼は500以上のウードと歌の楽曲を書いて、現代トルコの最も偉大な作曲家の一人とされています。トレモロを多用しないオスマンスタイルのしなやかなウード演奏は、正に「歌うウード」と言っても良さそうです。彼はマカーム・シェッド・イ・サバー(Makam Sedd-i saba)と言う新しい旋法を作って、ファスルの中で披露しています。

このオコラ盤には、25分を越えるバヤーティアラバン旋法の長い弾き語り、ベステニガール旋法の即興演奏、ネイの名手故アカギュンデュズ・クトバイへの哀歌などが入っておりまして、まずは「アカギュンデュズ・クトバイへの哀歌」をおかけしたいと思います。前回の最後にかけたネイ奏者ですが、アカギュンデュズとジヌチェンとはほぼ同世代になります。1979年に45歳の若さで亡くなったネイ名人を追悼し、彼のネイを模倣するかのようなエレジーになっています。

<3 Cinucen Tanrikorur / Elegie a Akagunduz Kutbay 5分10秒>

Elégie À Akagündüz Kutbay - Cinuçen Tanrikorur


では、最後に25分を越えるバヤーティアラバン旋法の長い弾き語りを時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Cinucen Tanrikorur / Bayatiaraban "Ayin-i-Serifi" 25分38秒>

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