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2020年2月 3日 (月)

Sama'i Nahawandとメスード・ジェミル

ゼアミdeワールド198回目の放送、日曜夜にありました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。Gilles Andrieux & Kudsi Ergunerのサマーイ・ナハーヴァンドは見当たらないので、今日は一本だけにしておきます。

トルコの15回目になります。今回はトルコ音楽史上最高のタンブールの名手と言われるタンブーリ・ジェミル・ベイ(Tanburi Cemil Bey)の息子のメスード・ジェミル(Mesut Cemil)が書いたSama'i Nahawandから始めたいと思います。190回目の最後に少しだけかけたアラブ音楽の音源です。

演奏はパレスティナのウード名手シモン・シャヘーンで、90年代にドイツのCMPから出ていました。前にも言いましたが、シャヘーンは、シモンという名前の通り、パレスティナのキリスト教徒と思われます。

<6 Simon Shaheen / Turath - Masterworks of the Middle East Sama'i Nahawand 8分16秒>

Simon Shaheen - Sama'i Nahawand (Turath)


メスード・ジェミルのSama'i Nahawandはアラブ音楽でよく演奏される名曲で、トルコ音楽としての楽譜は持っていますが、何故かオリジナルのトルコ音楽の音源は余り聞いた記憶がありません。

一つだけ手元にあったのが、ネイのクドゥシ・エルグネルとフランス人のタンブール奏者ジル・アンドリューが共演した1992年のフランスAlSurのオスマン音楽の盤で、ネイとタンブールによるしっとりとしたオスマン音楽らしい好演ですので、こちらをおかけします。70年代からパリに拠点を置いていたクドゥシ・エルグネルと、Ocoraなどから音源のある巨匠タリプ・オズカンからサズ、バーラマやタンブールを教わったフランスの名手の共演です。

<3 Gilles Andrieux & Kudsi Erguner / Ottoman Classical Music  Nihavend Saz Semai 8分>

タンブールとチェロの名手にして作曲家でもあったメスード・ジェミル(1902-63)の音源は、20世紀に入って1930年代以降ですから意外にありまして、米Golden Horn Recordsの2枚や、30~50年代録音をセレクションした土Kalan Muzikからの2枚組などがあります。後者だけ手元に残っていますので、こちらからおかけしていきます。

タンブールの演奏では、父タンブーリ・ジェミル・ベイのヒジャズカルのサズ・セマーイがありますので、こちらをおかけします。

<1-6 Hicazkar Saz Semaisi Tanburi Cemil Bey (1932 Kahire Arap Musıkisi Kongresi Kayıtları) 3分9秒>

ここで催しの告知を入れます。

2017年の12月から毎偶数月に開催し、13回続きました終活カフェ@Cafe トーク・トークですが、セミナー担当者の多忙のため、今後は12月のみになりました。

今後は木曜公開練習の本来の目的に立ち戻って、弦楽四重奏の研鑽の場にしたいと思います。早速、第一回目の発表会を2月20日の同じ17時から開催致します。こちらでは私は主にヴァイオリンを担当しております。(毎偶数月にするかどうかは検討中です)

宜しければ是非お越し下さい。入場無料ですが、駐車場に限りがありますので、ご一報頂けましたら幸いです。

Cafe トーク・トーク
今治市北高下町2-1-7ハイツ近藤2の1階

以上、催しのお知らせでした。

では最後にメスード・ジェミルのチェロと、ヴィオラ奏者、ケメンチェ奏者がトリオで演奏している2枚目のイスファハン旋法のペシュレヴを時間まで聞きながら、今回はお別れです。チェロとヴィオラに高音のケメンチェが合わさることで、冒頭で特に女性が歌っているかのような不思議な音響が生まれています。このペシュレヴを書いたのも、メスード・ジェミルの父タンブーリ・ジェミル・ベイで、録音は1952年です。トルコ音楽特有のメリスマをチェロでどうやって弾いているのか、映像で確認したくなる演奏です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-2 Isfahan Peşrev: Tanburi Cemil (30 Eylül 1952 Kayıdı) 14分26秒>

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