ギュリスタン・ハヌム
オコラのアーカイブ2枚で特に引っかかったのが、女性歌手ギュリスタン・ハヌムが古典音楽の歌い手なのかどうかという点で、そう思うのは、通常はトルコ古典音楽には使わないズルナとナッカーレを使っているからと言うのが、まずあります。どちらも軍楽ではメイン楽器ですが、地方の民謡的な歌で、しかも内容が猥歌の類となると、更に謎が深まります。この人のプロフィールを調べても、ほとんど何も分かりませんが、SP時代の音源は意外に多く、3月1日放送分でかけるラウンダーの「トルコ音楽の巨匠たち」にもありましたので、再度取り上げました。こういうタイプがオスマン古典音楽に入るのだとしたら、どういう場で演奏されたのか、気になるところです。この人の音源はトルコのKalanからも出ているようなので、それを見れば分かるようにも思います。ラウンダーの音源では、太鼓は組太鼓ナッカーレではなく、ドゥンベクでした。ダラブッカに近い片面太鼓ですから、これも余りオスマン古典音楽には使わないと思います。今日の動画でもズルナの伴奏がメインで、太鼓はおそらくドゥンベクです。
Gülistan Hanım - Seni Gördükçe Titriyor Yüreğim - 1908
| 固定リンク
「トルコ音楽」カテゴリの記事
- 古代ギリシアの竪琴リラと、オスマン・トルコのヤイリ・タンブール(2020.11.12)
- メリハット・ギュルセスの歌うレベティカ(2020.10.01)
- ラウクとウズン・ハワ(2020.07.31)
- アイヌール・ハシュハシュ(2020.07.29)
- トルコのスペイン系ユダヤ人の音楽(2020.06.01)
コメント