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2020年3月

2020年3月30日 (月)

ドニゼッティ・パシャ、アルバトロス盤

ゼアミdeワールド206回目の放送、日曜夜10時にありました。1日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。アルバトロスの方は、同じ音源はおそらく見当たらないと思います。女性音楽家ディルハヤット・カルファはまた後日と言うことで、今日はドニゼッティ・パシャのみにします。

トルコの23回目になります。オスマン音楽が長くなりましたので、そろそろトルコの民謡の方に移ろうかと思いますが、その前に2曲ほどまだ取り上げてなかったオスマン古典音楽の音源をご紹介します。

「愛の妙薬」や「ランメルモールのルチア」など、イタリア・オペラの作曲家として有名なガエターノ・ドニゼッティの兄であるドニゼッティ・パシャは、オスマン朝に招かれて西洋音楽を本格的に導入した人として知られています。イェニチェリ軍楽隊の廃止の後、新たに宮廷軍楽隊を指導するため、在イスタンブールのサルディニア大使館を通してスルタンに招かれ、1828年から68歳で亡くなるまで28年間をイスタンブールで過ごしました。本名はジュゼッペ・ドニゼッティですが、パシャの称号を付けて呼ばれるのが常になっています。後にオスマン帝国の事実上の国歌となったマーチなどを作曲し、その功によりパシャの称号を与えられたとのことです。
ドニゼッティ・パシャの名前は知っていても、音源は聞いたことがなかったのですが、未入荷アイテムのデータをアップルミュージックで一曲見つけましたので、その曲をおかけします。Ensemble Bîrûn & Kudsi Ergünerの演奏で、曲名はŞevk-efza Peşrevです。いかにもオスマン軍楽らしい一曲です。アルバムタイトルはCompositori alla corte ottomanaというイタリア盤です。

<Ensemble Bîrûn & Kudsi Ergüner / Şevk-efza Peşrev 3分19秒>

Şevk-efza Peşrev


オスマン古典音楽には、これまでにかけてない音源に土Sonyの「トルコ古典音楽作曲家シリーズ」や「オスマンのモザイク」シリーズなど、色々ありますが、きりがないので、ユダヤ系、アルメニア系、ギリシア系、女性作曲家作品集が出ている「オスマンのモザイク」シリーズの中から、女性作曲家作品集の一曲をおかけしておきます。前回「ハーレムの歌」という盤を取り上げましたが、関係がある作曲家もいるのではと思います。セリム3世の時代に王宮で活躍した18世紀の女性音楽家ディルハヤット・カルファが最も有名な人で、混声合唱付きのサバー旋法のベステ「Yek Be Yek Gerci Merami Dil-I」がありますのでおかけします。

<2 The Government Chorus Of Ministry Culture / Yek Be Yek Gerci Merami Dil-I 7分33秒から3分位>

この後はトルコの民謡と地方音楽に移ります。最初におかけするのは、2002年にキングレコードから出たイタリアのアルバトロス名盤復刻30選の一枚「トルコの歌と音楽」です。まだ関東にいた頃に、プロデューサーの星川京児さんとキングの担当者から依頼を受けまして、私がこの盤とユダヤ音楽の盤、2枚のライナーノーツの翻訳を担当しました。原盤は1978年のイタリア盤で、解説はイタリア語から英語に翻訳されていましたが、ラテン系の言葉からの少々癖のある英訳で、なかなか手強かったのを覚えています。このシリーズは現在は全て廃盤ですが、サンプル盤で30枚全て手元にあります。オスマン音楽や軍楽も入っていますが、民謡と民俗音楽(フォークミュージック)のみおかけします。

まずは周辺部の変わり種の音楽ですが、トルコの後で取り掛かるギリシアの音楽とも繋がりのあるトルコ東北部のグルジアに近い黒海沿岸のホロン・ダンスの音楽です。この地に住むギリシア系のポントス人の伝統的な8分の7拍子の踊りで、アルメニアのドゥドゥクに似た柔らかい音色のダブルリード管楽器メイと、バスドラムのような大型両面太鼓ダウルによる演奏です。ホロン・ダンスは、細長い「黒海のケメンチェ」 (カラデニス・ケメンチェ)で演奏されることが多いので、メイによる演奏は珍しいように思います。

<9 サディ・テルネズ / アルドヴンのホロン・ダンス 1分41秒>

次は一つ戻って8曲目の「ギリシアのチフテテッリ・ダンス」です。ホロン・ダンスと似ているのは、管楽器とダウルという編成ですが、ジプシー音楽家らしく管楽器がここではクラリネットに変わります。ベリーダンスのレパートリーとしても知られるチフテテリの原義は「二重の弦」という意味です。トルコ中部カッパドキアのユルギュプには1923年までギリシア人が多く住んでいて、この曲はその頃演奏されていた旋律に基づくので、「ギリシアの」の意味のルーメリの名が付いています。

<8 ハイダル・チェヴィク / ギリシアのチフテテッリ・ダンス 3分6秒>

これまで放送とブログ共に何度か出てきたカルシラマは、チフテテリと同じでトルコ中西部辺りの踊りですが、ゼイベクはエーゲ海に近い西部の方に特徴的な舞踊曲になります。「古いアラブのゼイベク・ダンス」という曲が入っていますので、こちらをおかけします。瓢箪を共鳴胴にしたフィドル、カバク・ケマンと、一番小さいサイズのサズのジュラの組み合わせの珍しい演奏です。

<13 イドリズ・ケスキン / 古いアラブのゼイベク・ダンス 1分22秒>

ラストの14曲目はアルハヴィ地方の踊りというケメンチェ独奏の曲です。トルコ東部と言うことで、音の印象はホロンと同じくギリシアやクレタの音楽に近い感じもありますが、民族的にはトルコに住む南カフカス系のラズ族との関係が深いようです。

<14 ハサン・トゥルナ / アルハヴィ地方の踊り 3分54秒>

踊りの曲が続きましたので、サズ弾き語りの民謡「ダマスカスのピスタチオ」をおかけして、最後はトルコ西部の羊飼いの笛を聞きながら今回はお別れです。サズは小さいものから順にジュラ、バーラマ、ディヴァンと呼ばれ、ここで弾かれているのはバーラマ・サズです。羊飼いの笛の名前はカヴァルで、バルカン半島でも愛好されている歌口のない素朴な縦笛です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<12 イブラヒム・ケペトチオール / 民謡「ダマスカスのピスタチオ」 2分21秒>

<10 レシャト・ウイサル / アフシャルの遊牧民の旋律「羊のために」 2分40秒>

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2020年3月27日 (金)

ユネスコ盤の混声合唱によるÇikmaz derun-i dilden efendim muhabbetin

一昨日アップしましたÇikmaz Derunu Dilden Efendim Muhabbetinのトルコ古典音楽国立合唱団のユネスコ盤の歌唱は、一本目です。トルコKent盤でデデ・エフェンディの曲を演奏していたNevzad Atlig(ネヴザード・アトリー)指揮トルコ古典音楽国立合唱団のフランスのUnescoから出ていた音源で、CDでは6曲目でBeyati Hagir Semaiというタイトルになっていました。CDにはどこにも上記の長い曲名はなく、逆に「ハーレムの歌」の方には曲名のみでバヤーティのセマーイという情報はありませんでした。YouTubeを見て曲が一致するということはたまにありますが、今回もそのパターンでした。この団体の指揮者とメンバーは、20年以上経っていますから、一昨日の3本目の動画の時はすっかり変わっていたのではと思います。
作曲者のタビー・ムスタファ・エフェンディの曲は34曲残っていて、4つの器楽曲、1つのカール、12のベステ、8つのアーウル・セマーイー、9つのユリュク・セマーイーがあるそうですが、8分の6拍子には聞こえないので、アーウル・セマーイーに入るのでしょうか? この曲は混声合唱で聞くと、やはりビザンツ風にも聞こえます。18世紀は五線譜は使われてなかったと思うので、口伝で伝えられて、現在もこれほど多くの歌手が歌うオスマン的な名曲と言えるでしょう。2本目はサーデッティン・カイナク、3本目はミュニール・ヌーレッティン・セルチュクの歌唱です。

Çikmaz derun-i dilden efendim muhabbetin


Sadettin Kaynak - Çıkmaz derun-i dilden efendim muhabbetin


Münir Nurettin Selçuk Çıkmaz derûn-i dilden efendim mahabbetin (arapgirlisaffet)

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2020年3月26日 (木)

Ensemble des Femmes d'Istanbul

イスタンブール女性アンサンブルの演奏は、アル・スール盤収録の曲が他に3曲ありました。2曲は器楽(タンブールとカーヌーン)のタクシームで始まる楽曲で、3曲とも放送ではかけてない曲です。最初の2曲の静止画像は、オリエンタリズム(東洋趣味)の絵が選ばれています。西洋人の憧憬で描かれたこういう絵を、現地の演奏している側としてはどう見るでしょうか? そこが気になります。このCDは解説が簡略で、曲については歌詞対訳のみでした。昨日の曲も前に取り上げたユネスコ盤のオスマン混声合唱にべヤーティ旋法の曲として出てきていましたが、こちらには曲名がなかったので、youtubeを見ていて一致した次第。また明日取り上げようと思います。

Ensemble des Femmes d'Istanbul - Tanbur Taksimi


Ensemble des femmes d'Istanbul - Adalardan bir yâr gelir bizlere


Ensemble des Femmes d'Istanbul - Aksam Olur Kervan Çikar Yokusa

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2020年3月25日 (水)

チューリップ時代の名歌 Çıkmaz derûn-ü dilden efendim muhabbetin

Al Surの「ハーレムの歌」の1曲目に入っていたÇıkmaz derûn-ü dilden efendim muhabbetinという曲は、Tab'î Mustafa Efendi の作曲したベヤーティ旋法の曲(シャルク?)であることが分かりました。ミュニール・ヌーレッティン・セルチュク初め色々な歌手が歌っていますが、Tülin Kormanのおそらく若い頃の歌唱と、現代の若手ヤプラク・サヤル、混声合唱団と器楽の3本を上げておきます。ヤプラク・サヤルはタンブール伴奏の動画です。この詩的で繊細な美しい旋律は、とてもオスマン音楽らしいと思います。タビー・ムスタファ・エフェンディは1705年イスタンブールに生まれ1770年になくなった、いわゆるチューリップ時代の作曲家です。この時代はオスマン帝国が一時的に安定し、フランスの影響を受けた時期でした。

Tülin Korman - Çıkmaz derûn-ü dilden efendim muhabbetin


Yaprak Sayar-Çıkmaz Derûn-i Dilden Efendim Muhabbetin


Çıkmaz derûn-i dilden efendim muhabbetin - İstanbul Devlet Türk Müziği Topluluğu

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2020年3月23日 (月)

「ハーレムの歌」Ensemble des Femmes d'Istanbul

ゼアミdeワールド205回目の放送、日曜夜にありました。25日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。「ハーレムの歌」からEnsemble des Femmes d'Istanbulの演奏で1曲目と、放送でかけられなかった2曲目が見つかりました。

トルコの22回目になります。今回はトルコの古典音楽の範疇になりますが、90年代にフランスのAl Surから「ハーレムの歌」という音源が出ていましたので、こちらをご紹介したいと思います。演奏しているのは、イスタンブール女性アンサンブルというオスマン音楽の器楽と声楽のグループです。カーヌーン2台、ウード、タンブール、ケメンチェ各1本に、女性歌手4人という編成です。

ハーレムと言うと官能的なイメージがありますが、元々はイスラム社会における女性の居室のことで、その場所にいる女性の夫・子や親族以外の男性は、立ち入りが禁じられた場所を指します。ほぼ同じ意味の「後宮」は世界中に存在し、皇帝や王などの后妃が住まう場所を指し、日本なら江戸城の大奥や平安京内裏の七殿五舎が該当します。

ハーレムはトルコ語に近い音で発音すればハレムとなります。トルコ語のハレムは、アラビア語のハリーム、ないしはアラビア語では聖地を指す語であるハラームがなまった言葉です。ハリーム、ハラームとも原義は「禁じられた(場所)」という意味があります。オスマン帝国のハレムについてのウィキペディアの記事を引用してみます。興味深い情報が色々書かれています。

「オスマン帝国の君主は4代バヤズィト1世以来、キリスト教徒出身の女奴隷を母として生まれたものが多く、そもそも君主権が絶頂化して有力者との婚姻が不要となった15世紀以降には、ほとんど正規の結婚を行う君主はいなかった。オスマン帝国のハレムには美人として有名なコーカサス出身の女性を中心とする多くの女奴隷が集められ、その数は最盛期には1,000人を越えたとされる。
戦争捕虜や、貧困家庭からの売却によって奴隷身分となった女性たちはイスタンブールで購入されると、イスタンブールの各所に置かれた君主の宮廷のひとつに配属され、黒人の宦官によって生活を監督されながら、歌舞音曲のみならず、礼儀作法や料理、裁縫、さらにアラビア文字の読み書きから詩などの文学に至るまで様々な教養を身につけさせられた後、侍女として皇帝の住まうトプカプ宮殿のハレムに移された。ムラト3世の治世では本だけ絶対に持ち込むことができなかった。
ジャーリヤ(女奴隷)と呼ばれる彼女らの中から皇帝の「お手つき」になったものはイクバル(İkbal、幸運な者)、ギョズデ(Gözde、お目をかけられた者)と称され、私室を与えられて側室の格となる。やがて寵愛を高めたものはハセキ(Haseki、寵姫)、カドゥン(Kadın、夫人)などの尊称を与えられ、もっとも高い地位にある者はバシュ・カドゥン(Baş Kadın、主席夫人)の称号をもった。さらに後継者となりうる男子を産めばハセキ・スルタンと呼ばれるが、皇帝は原則として彼女らと法的な婚姻を結ぶことはなく、建前上は君主の奴隷身分のままであった。スレイマン1世の夫人ヒュッレム・スルタン(ロクセラーナ)は元キリスト教徒の奴隷から皇帝の正式な妻にまで取り立てられた稀有な例である。」

この盤は作者不詳の曲がほとんどで、たおやかで優美な音楽が続きます。全10曲入っていますが、ウードのタクシームに続いて有名なウスクダラが出てくる8曲目からまずおかけしたいと思います。トルコでの例を知ると、日本の後宮である大奥でどんな音楽が奏でられたのかも気になってきますが、おそらくトプカプ宮殿などのハレムで演奏されたのだろうと想像しながら、聞いてみて下さい。

<8 Ud Taksim [Ille de Mavili / Üsküdar'a Gider İken Aldı da Bir Yağmur] 6分43秒>

このグループは何と18世紀に結成されたという女性のみのアンサンブルで、ハレム内でオスマン古典音楽のファスルを演奏してきたようです。伝統保護のため、ほとんど門外不出と思われ、そのようにおそらく今も男子禁制の音楽が、中東や地中海世界の伝統音楽に強いアル・スールのおかげでなされた録音だったと思います。

こちらも現物が売り切れているので取り上げていませんが、米Traditional Crossroadsからは「スルタン、スーフィー、ハーレムの音楽」という4枚のシリーズがありまして、オスマン音楽には歴代スルタンの作曲家が多いのと、ハレムもオスマン音楽の重要な場所だったことが窺えます。ハレムや後宮は、欧文ではSeraglioという語が当てられることも多いです。余談ですが、モーツァルトのオペラ「後宮からの誘拐」もセラリオが舞台でした。

次の9曲目はケメンチェのタクシームに始まり、女性のたおやかな独唱が続きます。

<9 Kemençe Taksim [Dönülmez Akşamın Ufkunda] 6分25秒>

ラストを飾っている10曲目「私の愛に微笑むためにこの世界に来た」という曲では、4人の歌手が揃い、華やかに盛り上げています。

<10 Dünyaya Geldim Gülmek Için 4分29秒>

この後は、1曲目に戻ってかけてみますが、アルバム全体の雰囲気は最初の曲に表れているように思います。英訳を邦訳すれば「あなたの魅力は、まだ私の心の中にあります。私の師よ」と言う曲です。

<1 Çikmaz Derunu Dilden Efendim Muhabbetin 3分25秒>

Ensemble des Femmes d'Istanbul - Cikmaz Derunu Efendim Muhabbettin


2曲目の「来てこれらの薔薇の顔(かんばせ)を楽しみ、そのワインを味わって下さい」では、4人の歌唱で始まった後で、メリスマを効かせたとても美しい独唱が続きます。
この曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2 Gül Yüzlülerin Sevkine Gel Nus Edelim Mey 6分26秒>

Ensemble des Femmes d'Istanbul - Gül Yüzlülerin Sevkins Gel Nus Edelim Mey

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2020年3月19日 (木)

Nesrin Sipahi & The Kudsi Erguner Ensemble

ネスリン・スィパヒについてはCMP盤の格調高い演奏を先に聞いたものですから、そのイメージが強かったのですが、大体は3本目のような軽古典的なサナートやポップスも多かったようです。CMPの一曲目Kimseler Gelmez Senin Feryadi Ates Barinaは、ゼキ・ミュレンの歌唱もありましたので、2本目に上げておきます。作曲者のシェヴキ・ベイはウッシャークにこだわっていたようですが、特にこの曲は今でもよく知られているのでしょうか。他にも何人かの歌唱でありました。(以下放送原稿を再度)

もう一人の女性歌手ネスリン・シパヒですが、クドゥシ・エルグネルのアンサンブルとの共演盤がドイツのCMPから91年に出ておりまして手元にありますので、こちらからご紹介します。シャルクからサナート、更には軽古典的な歌唱を聞かせるこの人の活動全盛期は50年位前になると思いますので、ベテランの域に達してから、洗練されたエルグネルのアンサンブルと共演した話題盤だったと思います。オスマン音楽の格調高さと「艶」を感じさせる歌唱を味わえる一枚です。因みに、彼女はクリミア・タタールの血を引く家系とのことです。一曲目のシェヴキ・ベイ作曲のウッシャーク旋法のシャルク「誰もあなたの絶望的な叫びを聞くことができない」をまずどうぞ。

<1 Nesrin Siphahi & The Kudsi Erguner Ensemble / Sharki: Love Songs Of Istanbul ~Kimseler Gelmez Senin Feryadi Ates Barina 4分6秒>

Nesrin Sipahi Kimseler Gelmez Senin Feryadi Ates Barina


Zeki Müren - Kimseler Gelmez Senin Feryâd-ı Âteş-Bârına


Nesrin Sipahi - Nesrin Sipahi-1 ( Full Albüm )

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2020年3月18日 (水)

ウード奏者シェリフ・ムヒッディン・タルガンとサフィイェ・アイラ

サフィイェ・アイラと1950年に結婚したウード奏者シェリフ・ムヒッディン・タルガンが気になっていたので、調べてみました。Şerif Muhiddin Targan (January 21, 1892 – September 13, 1967)という生没年ですから、1950年に結婚した頃は58歳のベテランだったと思います。サフィイェ・アイラとは1967年まで一緒に活動していたそうですので、今日の1本目のナレーションと歌唱はサフィイェ・アイラだろうと思います。実に味わい深いウードと歌声です。ソロでは技巧派らしい演奏も繰り広げています。彼はイラクに招かれた1930年代にはバグダッド音楽院の学部長になり、ここからは後にウード名人のムニール・バシールが出ているということで、後のアラブ音楽にも繋がってくる人です。2本目は彼が書いたフェラフェザ旋法のサズ・セマーイで、Derya Türkan (kemençe)とMurat Aydemir (tanbur)による演奏です。画面に楽譜が出てきています。何故かこの映像で、シェリフ・ムヒッディン・タルガンはチェロを構えています。

Şerif Muhiddin Targan - Ev kaydı


Ferahfeza Saz Semaisi - Şerif Muhiddin Targan (with notes)

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2020年3月16日 (月)

サフィイェ・アイラとネスリン・シパヒ

ゼアミdeワールド204回目の放送、日曜夜にありました。18日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日はサフィイェ・アイラのみにしまして、ネスリン・スィパヒはまた後日。

トルコの21回目になります。今回はトルコの古典音楽からサナートの女性歌手二人、サフィイェ・アイラとネスリン・シパヒの音源をご紹介したいと思います。
まずは1910年前後の生まれで98年に亡くなった、トルコの名女性歌手サフィイェ・アイラですが、この人の音源は土Kalan Muzik Yapimの「トルコ歌謡の伝説」2枚組を初め、トルコCoskun(ジョシュクン)のCile BulBulum CileとYanik Omerなどがありますが、ヤヌク・オメルだけ手元に残っていますので、こちらからご紹介します。
サフィイェ・アイラはトルコ現代歌謡の元祖的な歌手の一人で、トルコ共和国の初代大統領ケマル・アタテュルクのお気に入り歌手だったエピソードは有名です。妖艶で繊細極まりない歌声の持ち主で、この盤はウッシャーク、ムハッイェル、ヒュセイニ等の旋法で書かれたシャルク(歌曲)を中心に、ウード、カーヌーン、ケマンのタクシームも挿まれています。
最初のウードのタクシームから始まる数曲が非常に美しいので、続けておかけします。彼女はウード奏者のシェリフ・ムヒッディン・タルガン(Şerif Muhiddin Targan)と1950年に結婚して1967年まで一緒に活動していたそうですので、このウード・ソロは彼女の夫かも知れません。彼はイラクに招かれた1930年代にはバグダッド音楽院の学部長になり、ここからは後にウード名人のムニール・バシールが出ています。夫の死後はハルクやポップスも歌ったということですので、これまでに何度かかけたウスクダラは、この頃の録音になるでしょうか。この盤のジャケットには若くて美しいサフィイェ・アイラが写っています。

<1 Safiye Ayla / Yanik Ömer ~Ud Taksimi 2分7秒>

<2 Safiye Ayla / Yanik Ömer ~Aşkından Sen Nasıl Bıktın 3分23秒>

Safiye Ayla - Aşıkından sen nasıl bıktın



<3 Safiye Ayla / Yanik Ömer ~Kanun Taksimi 1分8秒>

<4 Safiye Ayla / Yanik Ömer ~Titrer Yüreğim 2分56秒>

もう一曲、この盤からタイトル曲のヤヌク・オメルもおかけしておきます。オスマン音楽の歌と器楽の素晴らしさが凝縮された一曲と言えると思います。

<7 Safiye Ayla / Yanik Ömer ~Yanık Ömer 3分39秒>

Safiye Ayla - Yanık Ömer


もう一人の女性歌手ネスリン・シパヒですが、クドゥシ・エルグネルのアンサンブルとの共演盤がドイツのCMPから91年に出ておりまして手元にありますので、こちらからご紹介します。シャルクからサナート、更には軽古典的な歌唱を聞かせるこの人の活動全盛期は50年位前になると思いますので、ベテランの域に達してから、洗練されたエルグネルのアンサンブルと共演した話題盤だったと思います。オスマン音楽の格調高さと「艶」を感じさせる歌唱を味わえる一枚です。因みに、彼女はクリミア・タタールの血を引く家系とのことです。一曲目のシェヴキ・ベイ作曲のウッシャーク旋法のシャルク「誰もあなたの絶望的な叫びを聞くことができない」をまずどうぞ。

<1 Nesrin Siphahi & The Kudsi Erguner Ensemble / Sharki: Love Songs Of Istanbul ~Kimseler Gelmez Senin Feryadi Ates Barina 4分6秒>

5曲目の3拍子の曲も印象的で、オズベハン作曲のサバー旋法のシャルク「おお、風よ、私はいつ愛する人と一緒になれる?」という曲です。

<5 Nesrin Siphahi & The Kudsi Erguner Ensemble / Sharki: Love Songs Of Istanbul ~Ey Bad-I-Saba Yar Ile Vuslat Ne Zamandir 4分3秒>

では最後に、ラストを飾っているサーデッティン・カイナク作曲のセガー旋法のシャルク「それは風のように儚いと思った」という曲をおかけします。タンブールのタクシームに始まるセガー旋法のデリケートで移ろいやすい感じは、とてもオスマン音楽らしく思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Nesrin Siphahi & The Kudsi Erguner Ensemble / Sharki: Love Songs Of Istanbul ~Bir Ruzgardir Gelir Gecer Sanmistim 5分9秒>

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2020年3月12日 (木)

トルコのクラリネット名人シュクリュ・トゥナル

トルコのクラリネットの名手、シュクリュ・トゥナルの生没年は1907-62年で、ジプシー出身とのこと。サナートの有名な歌手ゼキ・ミュレンのバンドリーダーをしていたそうですが、さすがに動画はなさそうです。今日はゼキ・ミュレンとの共演を上げておきます。ゼキ・ミュレンがまだ女装する前のように見えます。こうして聞くと、尺八伴奏の繊細な純邦楽や民謡の演奏を思い出します。2本目は放送でかけてない音源で、ウッシャーク旋法のタクシームです。管楽器のことはよくは分かりませんが、微分音をコントロールした驚異的な超絶技巧だと思います。

Zeki Müren & Şükrü Tunar - Canımın yoldaşı ol gönlüme bin neş'e bırak (2)


Şükrü Tunar Uşşak Taksim

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2020年3月11日 (水)

イサーク・アルガズィの歌うユダヤ教宗教歌

オスマン帝国の名カントール、イサーク・アルガズィの音源は独Wergoと土Kalan Muzik Yapimからありました。前者では ユダヤ教新年祭の聖歌:Kamti be-ashmoret, Anna ke'av zedoni, Im afes rova'ha-ken, Avinu Malkenu, Yedei rashim, Le-britekha shokhen zevul u-shevu'a, Adonay sham'ati shim'akha yareti, Ochila la-el, Ha-yom harat 'olam, Yetzav ha-el、シャバト(安息日)の歌:Kiddush, Be-motza'ei yom menuchah、ユダヤ教祭日の歌:Kiddush le-Shavu'ot, Teromem bat ramah&Tzame'a nafshi、マフティリームの歌:Ahallelah shem elohim, Yshlach mi-shamayyim、スペイン系ユダヤ人の宗教歌:Al Dio alto, Es razon de alabar、スペイン系ユダヤ人の民謡:Ay mancebo,ay mancebo, Quien conocio mi mancevez, Malana tripa de madre, Cantica de ajugar, Reina de la gracia、シオニスト・ソング:Hatikvahが入っていました。マフティリームの歌まで入っていて、締めがハティクヴァという、話題性豊富な一枚でした。彼が亡くなった1950年はイスラエルが独立して間もない頃で、ハティクヴァが国歌に制定されて2年目でした。
今日はオスマン音楽のガゼルとシャルク以外の、ユダヤ教宗教歌を探してみました。シャヴオートのキドゥーシュは、カラン盤の方にも入っていた音源だと思います。2本目も有名なヘブライ語の祈祷歌アヴィーヌ・マルケイヌ(「我らの父、我らの王」の意)で、アシュケナジームのアヴィーヌ・マルケイヌなど、他のユダヤ・コミュニティの歌と音楽は変われど、ヘブライ語の歌詞は同じです。

zak Algazi Efendi - Kiddush le-Shavu'ot [ Arşiv Serisi © 2004 Kalan Müzik ]


Avinu malkenu Isaac Algazi Efendi

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2020年3月 9日 (月)

オスマン・トルコのセファルディー系カントール

ゼアミdeワールド203回目の放送、日曜夜にありました。11日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日はイサーク・アルガズィのみにします。シュクリュ・トゥナルはまた後日。放送でガザルのことを「恋愛を主題にしたペルシアの定型抒情詩」と原稿を書いてあったのに、間違えて叙事詩と読んでいました。お詫びして訂正いたします。

トルコの20回目になります。今回もトルコの古い録音ですが、まず米Rounderの「トルコ音楽の巨匠たち」の1枚目から抜粋しておかけします。
まずは、ZeAmiブログで予告しておりましたトルコのスペイン系ユダヤ人のカントールの録音からおかけします。1枚目に2曲収録されているイサーク・アルガズィ・エフェンディは、1889年トルコのイズミールで生まれ、1950年ウルグアイで客死したラビでありカントール(ユダヤ教の礼拝堂シナゴーグでの合唱長)でした。オスマン帝国崩壊の1920年代にはセファルディー系カントールとして右に出る者がないと言われていた存在で、ヘブライ語でネイーム・ズミロット・イスラエル(Sweet Singer of Israel)と呼ばれた人です。独Wergoと土Kalan Muzik Yapimの音源に入っているユダヤ教の歌でもウードやカーヌーン伴奏のいかにもオスマン・トルコ的なマカームに則った見事な歌唱を聞かせますが、ラウンダーの1枚目に入っている曲はオスマン音楽のガゼルとシャルクになるようです。ガゼルとは、恋愛を主題にしたペルシアの定型抒情詩ガザルから来ています。トルコ語の曲名は長くて読みが難しいので省きますが、ガゼルとシャルクを続けておかけします。

<4 Isak el-Gazi / Bî-karar olmaktı sevmekten murâdı gönlümün (gazel) 2分50秒>

Isak El-Gazi - Bî-karâr olmaktı sevmekten murâdı gönlümün (Hicâz Gazel)


<10 Isak el-Gazi / Bir katre içen çeşme-i pür-hün-i fenâdan (şarkı) 3分48秒>

この盤には、他にサフィイェ・アイラの歌唱が2曲、ミュニール・ヌーレッティン・セルチュクの歌唱が1曲、ギュリスタン・ハヌムの歌唱が1曲、Hafız Burhan Sesyilmazもクルドの山歌ではないオスマン古典曲が1曲、タンブーリ・ジェミル・ベイのヤイリ・タンブールのタクシームやウーディ・マルコ・メルコンのタクシームなどが入っていますが、いずれも今回は省きまして、前回のラストにかけましたシュクリュ・トゥナルのクラリネットをフィーチャーしたチフテテリもありますので、こちらをおかけしたいと思います。まず前回10秒ほどしかかけられなかった第2集の素晴らしいTaksim: Makam Rastを全てかけてから、1枚目のチフテテリまで続けておかけします。

クラリネットはベリーダンスやトルコのジプシー音楽などに盛んに用いられますが、微分音をコントロールした驚異的な超絶技巧を披露していると思います。

<23 Şükrü Tunar / Taksim: Makam Rast 3分16秒>

<11 Şükrü Tunar / Klarnet Çiftetelli 2分43秒>

もう一枚予定しておりました米Traditional Crossroadsからの「イスタンブール1925」もシュクリュ・トゥナルのクラリネットで始まります。この人の生没年は1907-62年で、ジプシーの出身とのことです。サナートの有名な歌手ゼキ・ミュレンのバンドリーダーをしていたそうです。一曲目のヒュッザム旋法のタクシームをおかけします。

<1 Şükrü Tunar / Huzzam Taksim 3分20秒>

主にジプシーの踊りのリズムであるチフテテリを、前に取り上げました盲目のアルメニア系ウード名人ウーディ・フラントが弾いているトラックがありますので、そちらをどうぞ。

<4 Udi Hrant / Cifte Telli 3分11秒>
 

米Rounderの「トルコ音楽の巨匠たち」の1枚目は、歌ものに比重が置かれていますが、Traditional Crossroadsからの「イスタンブール1925」は、器楽が多く収録されていて、とりわけシュクリュ・トゥナルのクラリネットが最初と最後を飾った上に、合計4曲も入っています。Suzinak旋法のタクシームとKarslamaを時間まで聞きながら今回はお別れです。
カルシラマは2+2+2+3の9拍子ですが、ゼイベクやゼイベキコとは別で、トラキアの土地と関係が深い舞踊のリズムです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<10 Şükrü Tunar / Suzinak taksim 3分18秒>

<11 Şükrü Tunar / Karslama 3分9秒>

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2020年3月 5日 (木)

アラブ・アンダルシア風?ハルク(トルコ民謡) Muzaffer Akgün

ラウンダーの「トルコ音楽の巨匠たち」2枚目の3曲目に入っている曲は、どこかモロッコやアルジェリアなどマグレブのアラブ・アンダルシア風に聞こえる旋律ですが、アナトリア方言のトルコ民謡だそうです。もしかしたらシリア辺りにあったアンダルシア音楽が流れて行ったのでしょうか? ステージの上で歌う民謡と言うことで、アーバン・テュルキュという表現がされています。これも驚きの一曲です。(以上ほぼ放送原稿の転載)

この曲のyoutubeありました。2、3本目には、一般的なハルク(トルコ民謡)を上げておきます。旋律がかなり異なることが分かるかと思います。このハ・ブ・ディヤルという曲の明るさは、どうしてもマグレブ音楽的に聞こえますが、いかがでしょうか。ムザッフェル・アクギュンは1925年生まれ2015年死去のベテラン・ハルク歌手で、夥しい数の動画がありました。2本目は晩年の映像でしょうか? 大御所のイブラヒム・タトルセスが聞き入っている姿が見えます。ハルクの楽器はオスマン古典音楽とがらりと変わって、歌の節回し共々、中央アジアの音楽と繋がる弦楽器サズが主に使われます。

<3 Muzaffer Akgün / 'Ha bu diyar' Türkü. 3分12秒>

Muzaffer Akgün - Ha Bu Diyar


Muzaffer Akgün - Nenni Bebek


Kara Bahtım Kem Talihim - Muzaffer Tunç

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2020年3月 4日 (水)

Müzeyyen Senar & Safiye Ayla & Hamiyet Yüceses

これはトルコの古典声楽を現代化した歌謡「サナート」の代表的な女性歌手3人の共演映像です。サフィイェ・アイラが1917年生まれ1998年没、ミュゼッイェン・セナルが1918年生まれ2015年没、ハミイェト・ユジェセスが1916年生まれ1996年没ということですから、この映像は1970から80年代頃でしょうか。打楽器ダラブッカ連のはりきり様を見ても、サナートが盛り上がっていた時代を感じさせます。サフィイェ・アイラが女性歌手の左から2番目、ミュゼッイェン・セナルは3番目、ハミイェト・ユジェセスはその右か一番左ではと思います。曲は典型的な2+2+2+3の9拍子です。4拍目がちょっと伸びる感じで、そこでより盛り上がる感じのノリです。年を取ってからとは言え、3人の歌姫が並ぶと、日本なら市丸、勝太郎、二三吉の鶯芸者を思い浮かべるのは、私だけでしょうか(笑)

Müzeyyen Senar & Safiye Ayla & Hamiyet Yüceses

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2020年3月 2日 (月)

Rounder「トルコ音楽の巨匠たち」Vol.2

ゼアミdeワールド202回目の放送、日曜夜にありました。4日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はHamiyet Yücesesだけにしておきます。

トルコの19回目になります。今回もトルコの古い録音ですが、米Rounderの「トルコ音楽の巨匠たち」の2枚目から抜粋しておかけします。
ラウンダーの「トルコ音楽の巨匠たち」の2枚は、個人的には先に入手したのもありまして、96年に出たVol.2の方が印象が強いのですが、この盤には、前にウスクダラをかけましたサフィイェ・アイラに始まり、タンブーリ・ジェミル・ベイとメスード・ジェミルの親子、アルメニア系ウード奏者のウディ・マルコ・メルコン、大歌手ミュニール・ヌーレッティン・セルチュク等、SP時代の貴重音源がたっぷり入っています。

最もポピュラーなサフィイェ・アイラの歌うイスタンブール民謡ウスクダラから再度おかけしたいと思います。日本でも江利チエミが50年代にカバーしたので、年配の方はご存知かと思います。

<1 Safiye Ayla / 'Kâtıbim' Türkü. Makam Buslik or Nihavend 3分21秒>

これまでに度々名前が出てきたイスマイル・ハック・ベイ自身の貴重な音源も一曲入っております。ケマン(ヴァイオリン)、カーヌーン、ウードの伴奏でネヴァー旋法のガゼルを歌っています。イスマイル・ハック・ベイは1866年生まれで1927年に亡くなっているので晩年の録音だと思いますが、ハーフズらしい輝かしい歌声を聞かせています。

<2 Hafız İsmail Hakkı Bey / 'Ey melek rahi hayatta' Gazel. Makam Neva 3分9秒>

次の3曲目に入っている曲は、どこかモロッコやアルジェリアなどマグレブのアラブ・アンダルシア風に聞こえる旋律ですが、アナトリア方言のトルコ民謡だそうです。もしかしたらシリア辺りにあったアンダルシア音楽が流れて行ったのでしょうか? ステージの上で歌う民謡と言うことで、アーバン・テュルキュという表現がされています。これも驚きの一曲です。

<3 Muzaffer Akgün / 'Ha bu diyar' Türkü. 3分12秒>

この盤で特に強烈な印象を受けたのが10曲目の女性歌手ハミイェト・ユジェセスの歌声で、驚異のロングトーンを聞かせています。ハジ・アリフ・ベイ作曲のシャルクとありますので、オスマン古典音楽の歌唱になります。

<10 Hamiyet Yüceses / 'Bakmıyor çeşmi siyah' Şarkı. (Hacı Alif Bey) Makam Nihavend 3分34秒>

Hamiyet Yüceses - Bakmıyor çeşmi siyah (Taş plak)


11、12曲目と、オスマン音楽らしいサナートの艶美な歌唱が続きますが、似た路線ですので、前回オコラ盤のズルナとナッカーレだけの伴奏でおかけしました女性歌手グリスタン・ハニムの歌唱が入っていますので、こちらをおかけしておきます。こういうタイプがオスマン古典音楽に入るのだとしたら、どういう場で演奏されたのか、気になるところです。

<13 Gülistan Hanım / 'Seni gördükçe titriyor yüreğim' Şarkı. Makam Hicaz 3分33秒>

ウードやネイの独奏もありますが、古典音楽の楽器の中で、カーヌーンは余り取り上げたことがないので、Kanuni Ahmet Beyの独奏を一曲おかけしておきます。関東にいた頃、90年代にウードを世話してくれた知人がやっていたので見せてもらったことがありまして、琴のような音ですが、各弦にトルコ音楽の微分音を出すためのアジャスターがびっしりついていたのを覚えています。

<18 Kanuni Ahmet Bey / Taksim: Makam Şehnaz 2分47秒>

古典音楽が多い中で、ウスクダラや3曲目と並んでトルコの民謡(ハルク)の音源も若干ありますので、おかけてしおきます。Darülelhanという女性歌手が、ケマン(ヴァイオリン)の伴奏で歌っています。フリーリズムでたっぷりコブシを効かせています。

<17 Darülelhan / 'Turnalar' Halk mûsıîsi 2分44秒>

では最後にラストを飾っているシュクリュ・トゥナルのクラリネットの独奏を時間まで聞きながら、今回はお別れです。クラリネットはベリーダンスやトルコのジプシー音楽などに盛んに用いられます。管楽器のことはよくは分かりませんが、微分音をコントロールした驚異的な超絶技巧を披露しているのではと思います。

何度もかけているタンブーリ・ジェミル・ベイとメスード・ジェミル親子の音源などは外しましたが、それでも注目音源が多いので今回は2枚目からの抜粋だけで終わってしまいました。米Rounderの「トルコ音楽の巨匠たち」の1枚目と、米Traditional Crossroadsからの「イスタンブール1925」は、次回に回したいと思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<23 Şükrü Tunar / Taksim: Makam Rast 3分16秒>

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