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2020年5月18日 (月)

Aşık Veyselの歌声

ゼアミdeワールド209回目の放送、日曜夜10時にありました。20日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。前回CDのノイズがあったのと、マイクがモノラルだったので、ステレオのプラグを入手しましたが、抵抗が入っているのかレベルが上がらないので、ボリュームバランスを上げたら割れていたようです。調整されて放送されるとマイク音量は逆に小さくなっていました。次回はこの問題を何とか克服したいと思います。今日の動画はアシュク・ヴェイセルのみにしておきます。何とカラ・トプラクの生映像がありました。

トルコの26回目、トルコ民謡の3回目になります。
トルコのサズ弾き語りの吟遊詩人をアシュクと言いますが、アシュク・ヴェイセルは、その代表的な名歌手です。この番組をずっと聞いて頂いている方には、中央アジアの吟遊詩人と繋がる何かを感じて頂けるのではと思います。1894年生まれ1973年没の、このアナトリアの盲目の吟遊詩人が視力を失ったのは、オスマン時代末期に流行った天然痘によってだそうです。どこの国でも盲人が音楽の才能を花開かせる例をよく聞きますが、ヴェイセルもアシュクの伝統を現代に繋いだ名人中の名人として讃えられている人です。

トルコのKalan Muzikのベスト盤から、淡々としながらも味わい深い1曲目の「黒い大地」と訳せる8分を越える大曲と、対照的にリズミカルな16曲目を続けておかけします。16曲目は「至高の山に雪が降る」と訳せるのではと思います。

<1 Kara Toprak 8分37秒>

Aşık Veysel-Kara Toprak


<16 Yüce Dağ Başında Kar Var 2分44秒>

Aşık Veysel - Yüce Dağ Başında Kar Var [ Toprağa Çalan Türküler © 2008 Kalan Müzik ]


今回の後半は「トルコのブルガリア系少数民族、ポマック族の伝統音楽と歌」という盤をご紹介したいと思います。注目作を連発するトルコのKalan Muzik Yapimから98年に出た盤で、トルコにスラヴ系のブルガリア人がいたという点に何よりも強い関心を覚えました。ロシア語で歌のことを「ペスニャ」と言いますが、この盤では「ペスナ」という表記になっていて、正にスラヴ系の証しのような言葉の類似に驚きました。ブルガリアや旧ユーゴの南スラヴ語派に関心のある人は要チェックだと思いますが、これらバルカン諸国は長らくオスマン帝国に入っていたので、やはり音の印象はかなりトルコ風です。

2009年のゼアミブログには次のように書いていました。
ポマクとは、バルカン半島全域がオスマン帝国支配下だった頃に、キリスト教からイスラム教に改宗したブルガリア人の子孫のことで、広く知られているのはブルガリアに住むムスリムのポマクのようです。ウィキペディアによると、ポマクの名前はポムチェーン помъчен(拷問された) あるいは ポマガーチ помагач(占領者への協力者)に由来しているとのこと。ポマガーチという単語はロシア語と同じですから聞き覚えがありました。ロシア語なら「ガ」にアクセントが来るので、パマガーチとした方が近そうですが。

この録音には、タンブール(サズ系の素朴な方)の弾き語りと、女性と男性の独唱が入っています。
2曲目の「イスタンブールのシュクリュ・パシャ」は、あるいはエンヴェル・ホッジャとなっていて、年代的には合わないのでアルバニアの独裁者と関係ありかどうかは不明です。1912年にブルガリア軍に彼らの土地が支配された時に、ポマックの人々がいかに苦しんだかを歌っているとのことです。

<2 Şükrü Paşa İstanbul'da 6分14秒>

7曲目から女性の独唱に変わります。やはり哀歌の一種のようですが、「家を出て結婚したい人に伝えて」と訳せるでしょうか。

<7 Sus Hafifçe Çekiştir Anacığım 4分17秒>

ラストの16曲目は「あなたは黒い服で喪に服している」と言うトルコ語の歌で、フリーリズムの節回しの自在さがジプシー風にも聞こえます。短いですが、独唱の中では一番驚いた曲でした。「非イスラム教徒の孤児の少女をイスラム教に改宗するよう説得する」という内容のようです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<16 Kareler De Geymiş Yastadır Başı 1分20秒>

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