セファルディの歌でのセイレーン Hélène Engelのその後
3人の歌手で聞き比べたLa Sirena(セイレーン)は、魔女あるいはファム・ファタールの類でしょうが、セファルディのあの名旋律が「男を誘惑し破滅させる悪女」の魅惑と危険性をよく表していたと思います。それを女性が歌うというのは不思議な気もしますが、そう言えばヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「宿命の女 (Femme Fatale)」も、女性のニコが歌っていたなと思い出しました(笑)
ギリシア神話のセイレーンが、ボスニアのセファルディの歌に入った経緯と言うのが、とても気になるところです。この歌の4行詩と哀愁のメロディのブレンドの妙を強く感じます。
この曲をアルバムのトップに持って来たHélène Engelでyoutube検索したら、最近の映像が色々出てきました。CDが出たのは91年ですから、大分お年をめされた感じですが、最近はギター弾き語りされているようです。ヘレーネ・エンゲル(フランス語式ではエレーヌ・ウンゲル?)の名からは、セファルディと言うよりアシュケナジー(東欧系ユダヤ)の人のように見えます。その通りイディッシュの歌を歌っている映像もありました。残念ながらLa Sirenaはないようですので、ユダヤの8本の燭台(ハヌカーに用いられる8枝のハヌキヤー)を歌ったオチョ・カンデリーカを上げておきます。これはよく知られたセファルディの歌の一つです。2本目はお馴染みのクレズマー曲から始まり、途中フランス語で歌っている部分などありますが、バイ・ミール・ビスト・ドゥ・シェーンなど、イディッシュ・ソングが目立ちます。
Ocho Candelicas
Hélène Engel: A Jewish Musical Medley Montage
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