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2020年6月22日 (月)

剣の舞 カーブーキ

ゼアミdeワールド213回目の放送、日曜夜10時にありました。24日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はカムカル・アンサンブルのカーブーキだけにしておきます。

クルドの音楽の2回目です。まずは前回iPhoneを忘れてかけられなかった「剣の舞」をおかけしておきます。

クルド音楽のイメージは、ハチャトゥリアンのバレエ『ガイーヌ』に出てくる「剣の舞」によく表れていると思いますが、クルド人が剣を持って舞う戦いの踊りを描写したこのタテノリの激しい音楽は、枠太鼓ダフを叩き歌う一部のクルド音楽そのもののように聞こえます。
「剣の舞」は、グルジア生まれのアルメニア人作曲家ハチャトゥリアンにしか書けないであろう、コーカサス音楽の見本市のような「ガイーヌ」の一曲ですが、剣の舞というスタイルはクルド以外のコーカサス系諸民族にも豊富に見られます。

コーカサスでは「ガイーヌ」からレズギンカをかけましたが、今回は「剣の舞」をウラジーミル・フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団の演奏でおかけします。

<剣の舞 ウラジーミル・フェドセーエフ指揮、モスクワ放送交響楽団 2分16秒>

「剣の舞」のようなタテノリのクルド音楽の典型として、イランのカムカール・アンサンブルの演奏を聞いてみたいと思います。シャハラーム・ナーゼリーなどのクルド系のペルシア古典音楽家との演奏と、クルド音楽そのものの場合と両方のレパートリーがあります。彼らはサントゥールなどペルシア楽器のそれぞれの達人でもあり、ソロ作まで含めると欧米盤とイラン盤でかなりの枚数が出ています。イランShahramからのクルド音楽盤からKagaue (The Bride's Place)と言う曲をおかけします。「花嫁の場所」のタイトル通り、結婚式での音楽と思われます。

<4 Kamkars Ensemble / Kagaue (The Bride's Place) 5分7秒>

もう一曲、シャハラーム・ナーゼリーが2006年の来日公演で歌った「カーブーキ」も入っていますので、カムカールの演奏でおかけしておきます。この曲を訳すと「花嫁」ということで、先ほどと同じテーマの曲ですが、スーフィー的な深意があるのかも知れません。

<8 Kamkars Ensemble / Kabooki 5分>

Kabouki by Kamkars Ensemble


カーブーキが出てきましたので、2006年のシャハラーム・ナーゼリーの浜離宮朝日ホールでのライブ録音からもかけておきます。キングのワールドルーツミュージックライブラリー150枚の1枚ですが、ライナーノーツ執筆は私が担当しました。「ナーゼリーによるセタール独奏と歌。イラン西部ケルマンシャーの北に位置するサナンダージで話されている言葉による歌。訳は小鳩とする説もあり」と言う風に拙稿を書いておりました。余談ですが、この東京公演の時、私はナーゼリーやペルシア音楽全般のCDの即売で会場に行っておりました。関東方面で聞いて頂いている方で、14年前の会場でご来店頂いた方がいらっしゃるかも知れません。公演の直前に某社の企画でナーゼリー氏にインタビューもしまして、当時の某社のミニコミ誌に載りましたが、ゼアミブログにもアップしてあります。

<5 シャハラーム・ナーゼリー / カーブーキ (花嫁) 9分>

では最後に同じライブ録音から「ビジャンの再生」を聞きながら今回はお別れです。2006年のライブのクライマックスで演奏された曲で、王書(シャーナーメ)の中のロマンスの主人公ビジャンが井戸に落ち、英雄ロスタムに助け出される物語が歌われています。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<4 シャハラーム・ナーゼリー / ビジャンの再生 7分47秒>

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