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2020年7月

2020年7月31日 (金)

ラウクとウズン・ハワ

「二人のアイヌール」で、クルドのラウクと、トルコのウズン・ハワを聞き比べたいと思います。同じフリーリズムの詠唱でも、クルドの方はぐっと突き刺さってくるようなインパクトの強い歌い方なのに対し、トルコの方はたゆたうような瞑想的な音の動きに特徴があるでしょうか。これは歌手の個性も大きいのだろうとは思いますが。アイヌール・ドーアンの方はLawikê Metînê / Heyderの前半がラウクですが、トルコのクルディスタンではラウィケと呼ぶのでしょうか? 別な動画では、この前半部分だけが「ウズン・ハワ」のタイトルで上がっていました。アイヌール・ハシュハシュはすっかり白髪になってからの歌唱のようです。最近の動画をいくつか見ましたが、リズミカルな曲よりも、ソフトなウズン・ハワ・タイプが増えているように思いました。

Aynur Doğan - Lawikê Metînê / Heyder


Aynur Haşhaş-Geçti Gönül Baharımız Yazımız(Uzun Hava)

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2020年7月30日 (木)

アイヌール・ドーアンの鮮烈な歌声

アイヌール・ドーアンは、「アフメド」と「クルドの娘」だけだったので、他の動画も見てみたいと思います。「心に刺さる歌」という表現が彼女の歌には当てはまるでしょうか。アフメドは鮮烈なライブ映像で、Qumrikeは他の歌手でも聞き覚えのある曲です。3本目のウズン・ハワは、同じフリーリズムでも、トルコのウズン・ハワよりはイラクのラウクに近く聞こえます。この伸びのあるロングトーンは、本当に凄いです。どうすれば、こんな声が出るのでしょうか。

Aynur Doğan - Ahmedo [ Ehmedo ]


Aynur Doğan - Qumrike


Aynur Dogan Uzun Hava

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2020年7月29日 (水)

アイヌール・ハシュハシュ

今日はアイヌール・ハシュハシュの方を見てみます。放送ではかけられませんでしたが、YouTubeで話題になったと言う「Meyhaneci」も4本目に入れておきます。2012年のフランス映画「Mysterious Woman」で使用されたそうです。(以下放送原稿を再度)

もう一人のアイヌールとは、アイヌール・ハシュハシュという女性歌手で、2004年当時この人のGulistanという盤がリリースされていて、実はアイヌール・ドーアンより先に聞いていたものですから、たまたまその頃の問い合わせで「アイヌールのCDありますか?」と聞かれたことがありまして、間違えてこちらを紹介しそうになったことがありました。可憐なルックスに似合わず、先輩ハルク歌手のベルクス・アッカレばりのパンチの効いたハスキーで艶っぽい歌声は実に魅力的だと思います。同じ名前ですが、彼女はクルドではないようです。

プロフィールに「1994年には、民謡を含むファーストアルバム「Yesterday and Day」をリリース。有名なトルコのアーティストArifSağの指導のもと、1999年にセカンドアルバム「Yolculuk」を発表。サードアルバム「Yar Sesi」は、同じくArifSağの指導の下で準備さ​​れ、2002年にリリースされました」とありましたから、ギュリスタンはその2年後のアルバムになります。最近の動画で見ましたが、まだ47歳なのにすっかり白髪になっていて、ちょっとショックを受けました。(放送では最後の曲が全く入らないので、後でこの部分を削除しましたが、編集が上手くいかず繋ぎが不自然になってしまいました。大変失礼いたしました。)

5曲目は他の歌い手で聞いたことがある曲で、アゼルバイジャンの歌だったように思います。タールの音色が特徴的な3拍子か8分の6拍子の大変に美しいメロディです。

<5 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Men Onu Sevmistim 3分36秒>

Men Onu Sevmiştim | Aynur Haşhaş


次にAynur Haşhaşでyoutube検索すると上位に上がってきているギュリスタンの1曲目をおかけします。5拍子か10拍子の特徴的なアップテンポの曲です。

<1 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Icmisim Serhosum Bugun 3分37秒>

Aynur Haşhaş - İçmişim Serhoşum Bugün


2曲目のKirpiklerim Ok Eyleという曲は、いかにもアリフ・サーがバーラマで伴奏していそうな感じの、アナトリアらしい曲調の美しい曲です。

<2 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Kirpiklerim Ok Eyle 4分46秒>

Aynur Haşhaş - Kirpiklerin Ok Eyle


Aynur Haşhaş - Meyhaneci (Official Video)

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2020年7月27日 (月)

二人のアイヌール

ゼアミdeワールド218回目の放送、日曜夜10時にありました。29日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。まず大事なお知らせをしておきます。今治でも遂に感染者が出まして、スタジオが再度閉鎖されることになりました。また宅録の道はありますが、位相の問題を解決しないと、以前のように放送事故になりますので、解決できるまでは放送をお休みするかも知れません。どうぞよろしくお願い致します。宅録用ミキサーでは明らかに音質は落ちますが致し方無いです。今日の動画は「クルドの娘」の2曲のみにしておきます。

クルドの音楽の7回目です。今回は「二人のアイヌール」と題して、クルドとトルコのアイヌールの歌を聞いて行きます。
まずは、クルドの女性歌手アイヌール・ドーアンですが、日本でこの人の歌が話題になったのは、NHKのBSプレミアムで2004年頃に放送された〈Amazing Voice~驚異の歌声〉のトルコ編の放送後だったと思います。彼女の2枚目のアルバム「クルドの娘」が、発売の翌日にトルコ東部のディヤルバクルの行政裁判所によって販売差し止め命令が下されまして、それはこの放送の前だったように記憶していますが、歌詞に政府と対立するクルド組織を擁護する内容が含まれていたためだったとのことです。

トルコ機密警察とクルド労働者党の板挟みになりながらも、クルドの心を歌い続けるアイヌールの歌唱を、「クルドの娘」から2曲続けておかけします。その問題の曲がどれか、はっきり分かりませんが、これからかける中にあるのでは、と予想して選曲しました。発売当時まだ20代で、こんな熱い歌を日本の若手女性歌手が歌うことがあるだろうかと思う程です。リリースは、気骨のある名門レーベルKalan Musicです。1曲目がアフメド、2曲目は名アシュクのシヴァン・ペルウェルが作った「クルドの娘」です。(2曲目が件の曲かなと思います)

<1 Aynur Karadoğan / Ahmedo アフメド 5分32秒>

Aynur Dogan - Ahmedo



<2 Aynur Karadoğan / Keçe Kurdan / Kürt Kizi クルドの娘 4分32秒>

AYNUR DOĞAN KEÇE KURDAN


アイヌール・ドーアンの最近作 Hedurからも一曲おかけしておきます。タイトル曲のヘドゥールとは、「慰め」の意味だそうです。

<2 Aynur Karadoğan / Hedûr 5分22秒>

もう一人のアイヌールとは、アイヌール・ハシュハシュという女性歌手で、2004年当時この人のGulistanという盤がリリースされていて、実はアイヌール・ドーアンより先に聞いていたものですから、たまたまその頃の問い合わせで「アイヌールのCDありますか?」と聞かれたことがありまして、間違えてこちらを紹介しそうになったことがありました。可憐なルックスに似合わず、先輩ハルク歌手のベルクス・アッカレばりのパンチの効いたハスキーで艶っぽい歌声は実に魅力的だと思います。同じ名前ですが、彼女はクルドではないようです。

プロフィールに「1994年には、民謡を含むファーストアルバム「Yesterday and Day」をリリース。有名なトルコのアーティストArifSağの指導のもと、1999年にセカンドアルバム「Yolculuk」を発表。サードアルバム「Yar Sesi」は、同じくArifSağの指導の下で準備され、2002年にリリースされました」とありましたから、ギュリスタンはその2年後のアルバムになります。最近の動画で見ましたが、まだ47歳なのにすっかり白髪になっていて、ちょっとショックを受けました。(放送では最後の曲が全く入らないので、後でこの部分を削除しましたが、編集が上手くいかず繋ぎが不自然になってしまいました。大変失礼いたしました。)

Aynur Haşhaşでyoutube検索すると上位に上がってきているギュリスタンの1曲目をおかけします。5拍子か10拍子の特徴的なアップテンポの曲です。

<1 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Icmisim Serhosum Bugun 3分37秒>

5曲目は他の歌い手で聞いたことがある曲で、アゼルバイジャンの歌だったように思います。タールの音色が特徴的な3拍子か8分の6拍子の大変に美しいメロディです。

<5 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Men Onu Sevmistim 3分36秒>

では最後に、2曲目のKirpiklerim Ok Eyleという曲を聴きながら今回はお別れです。いかにもアリフ・サーがバーラマで伴奏していそうな感じの、アナトリアらしい曲調の美しい曲ですが、バーラマ奏者は不明です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2 Aynur Haşhaş / Gulistan ~Kirpiklerim Ok Eyle 4分46秒>

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2020年7月24日 (金)

アッシリアの古い伝承歌 ラウェー

アッシリア人の「東洋的な音」は、割とすぐに見つかりました。アッシリアのラウェーという古風な男性の歌唱ですが、これは確かにハッカリのCDで聞いた歌に似ています。CDでは聞いた記憶がないので、YouTubeで2本目の歌唱風景の映像まで見られるのは、有難い限りです。昨日も書きましたが、細かすぎるほど細かい節回しは、日本の民謡だけでなく東アフリカの節にも似ているように思いますが、いかがでしょうか。最初に引き合いに出しましたイエメン系ユダヤのディワンも思い出しましたが、日本や東アフリカの歌との類似の比ではないようにも思います。(言葉はアラム語系ですから、同じセム系のヘブライ語と音は似ていますが)3本目は2007年にこのブログを始めた頃にも貼ったアゼルバイジャンのアッシリア女性の歌ですが、こちらは中東的エキゾチシズムの範囲の旋律に聞こえます。これほどの差があるのが不思議です。アッシリアはブログのカテゴリーを作ってなくて、教会音楽以外はちょうど良い入れ場所がないので、とりあえずクルドで入れてあります。

Assyrian Raweh - Traditional Songs


Raweh ( OLD ASSYRIAN SONGS ) ( ASSYRIAN WEDDING )


Assyrian Folk Song from Azerbaijan

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2020年7月23日 (木)

ハッカリとアッシリア、エチオピア、ケニア

日本の民謡と聞き紛うようなハッカリの歌の背景には、アッシリア人の影響があるのではとのご指摘がありました。私もそうかなと思っていましたが、ネストリウス派キリスト教(景教)の後継に当たるアッシリア東方教会の典礼などを見る限り、大体はシリア正教会に近い中東音楽の範疇に入る音のように思いました。アッシリア人の民間の歌に「東洋的な音」がないか、もう少し探ってみます。動画はモスクワのアッシリア東方教会の典礼です。

Assyrian Church of the East Moskow


2本目は、カランのハッカリ2枚組の2枚目冒頭の曲です。この独唱は、木遣りではなく追分か馬子唄に似た印象もありますが、それよりもエチオピアのバガナやクラールのような、所謂「ダヴィデの竪琴」系の弾き語りに似て聞こえました。同じ「ダヴィデの竪琴」系でも、さすがに東アフリカ(ケニアやタンザニア)のリトゥングまで行くと、音楽はかなりダンサブルになります。ハッカリのSerso - Raveのような、非常に細かいメリスマ(というよりモデュレーション?)の歌声を聞いた記憶がありますが、動画は見つからずです。

Serso - Rave (Sarhoş) [ Eyhok No. 2 © 2004 Kalan Müzik ]


Alemu Aga from Ethiopia playing the Begenna - David Harp: Aba Geragn Mote


How to play Litungu.avi

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2020年7月22日 (水)

ハッカリ伝承歌の現在

消滅の危機にあるというハッカリの伝承歌ですが、現代の若者による絶好の歌声のサンプルがありました。1本目がカランのCDの音源、2本目は同じElo Dinoと言う曲を、キャンプファイヤー?のようなシチュエーションで歌っています。3本目は少しアレンジも入った演奏です。どうしても不思議に思うのは、どうしてハッカリの歌が日本の民謡などに似ているのかということですが、他のクルドの音楽は中東の音楽のイメージ内なので、なおさらそう思います。ハッカリ諸部族には、クルド系以外の民族も入っているのでしょうか?

Abdülkerim Kaçar - Elo Dino 3 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


Elo Dîno - Duçerxe


Gulen Xerzan - elo Dino

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2020年7月20日 (月)

ハッカリ、木遣り、イエメン系ユダヤ

ゼアミdeワールド217回目の放送、日曜夜10時にありました。22日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は、ハッカリの1枚目と木遣りのみにしておきます。

クルドの音楽の6回目です。今回はハッカリとクルドのスーフィーの音源をご紹介したいと思います。クルドは少し延びまして一応後3回の予定です。まずは土Kalan Muzik Yapimから出ている"EYHOK"Traditional Music of Hakkariですが、この盤についてのゼアミHPの紹介文を読み上げます。

トルコ南東部ヴァン湖の南の高地に位置するハッカリ地方は、クルド系遊牧民が多く住む所。この地の民謡フィールド・レコーディング2枚組で04年リリース盤。日本の東北辺りの民謡に似て聞こえる歌があったり、他には意外に似ているのがイエメン系ユダヤ人の宗教詩ディワン。つまり、故オフラ・ハザの歌のルーツとどこかイメージがダブってくるから不思議。古代のイラン系メディア王国の末裔とも言われる高地クルドの逞しく凛とした歌声は実に素晴らしいです。歌詞にはシリア系文字も見えますが、これはアッシリア由来のネストリウス派キリスト教の伝統も入っているからでしょう。

この盤から何曲か続けておかけします。よく売れるもので、現物が手元に残ってないので、アップルミュージックからの音出しになります。解説を参照できないので曲の詳細は不明ですが、1枚目の最初の方に入っている男性の掛け合いの歌は、日本の民謡の中でもとりわけ、火消しなどで鳶職が歌った仕事歌の「江戸木遣り」にも似ているように思います。3,6曲目を続けておかけします。

<1-3 Serşo 2 2分26秒>

Piyanisili Erkekler - Serşo 2 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]



<1-6 Narink 3 1分20秒>

Piyanisili Erkekler - Narink 3 [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


少し飛んで20曲目も、どう聞いても日本の民謡にそっくりです。
 

<1-20 Zeynel Beg/Bedirxan Beg 2分47秒>

Abdülkerim Kaçar - Zeynel Beg & Bedirxan Beg [ Eyhok © 2004 Kalan Müzik ]


2枚目の1曲目でも、追分か馬子唄のような細かいコブシを聞かせていますが、この曲はエチオピアの民謡にも似ているように思いました。

<2-1 Rave 52秒>

前回「長い歌」系のラウクをかけましたが、同じラウクに当たる曲が2枚目4曲目に入っています。これも日本の民謡に瓜二つに聞こえます。

<2-4 Lawkê Tuxûbî 3分8秒>

引き合いに出したイエメン系ユダヤ人の伝承歌謡ディワンも、ユネスコ・コレクションの音源からかけておきます。2曲目のTsur Menati(神は我が居場所)は、オフラ・ハザも歌っていた曲で、これが原曲になります。

<2 The Yemenite Jews  Tsadoq Tsubeiri / Tsur Menati 3分46秒>

ハッカリの1枚目で引き合いに出した江戸木遣りも一曲おかけしておきます。曲は、真鶴・手古です。ハッカリのクルドの歌が、ユダヤコミュニティーの中でも特に古い伝承を残すと言われるイエメン系ユダヤの歌や、日本の木遣りや追分にも似ているという興味深い例をご紹介しました。ナーゼリーさんの曲にも、タンブールの音使いが津軽三味線にそっくりな曲もあったのを思い出しました。

<1-1 真鶴 手古 4分33秒>

木遣り、真鶴/手古


最後に1994年にフランスのOcoraから出ていたクルドのスーフィー儀礼音楽の2枚組から、唱念儀礼ジクルを聞きながら今回はお別れです。イラン西部クルディスタンにあるコルデスターン州の州都サナンダージの神秘主義教団、カーディリー教団の儀礼の93年現地録音で、枠太鼓のダフを叩きながら唱えられます。2枚組に120分以上入ったディープな世界の中から、極々一部ですが、多少は雰囲気が感じられると思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-1 Zikr-E Allâh Et Percussions 9分38秒>

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2020年7月17日 (金)

NordSudのTânia Arab

Tânia Arabの歌唱は、ラウク以外にも3本上がっていますので、もう一日見ておきたいと思います。この盤は1999年リリースで、NordSudというのがレーベルのようです。アル・スール盤から7年後くらいに出た盤になります。メンバーがこの4人とすれば、バラバン奏者が持ち替えでトンバクを叩いているのではと思いましたが、同時に出てくる部分もあるので、もう一人はいると思います。サズをこういうペルシア音楽寄りに使うのは余り聞いた覚えがない感じです。器楽部分ではクルド的な激情は影を潜め、落ち着いた趣の演奏ですが、タニア・アラブの歌唱はクルドそのものの濃い節回し。Heyranと、ナーゼリーさんのヘイラーニは関係のある言葉でしょうか? それが気になりました。

Heyran


Parêshanim


Dêwanem

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2020年7月16日 (木)

ユネスコ・コレクションのクルド

ユネスコの音源はyoutubeにありました。このシリーズには70年代にLPで国内発売された音源が色々ありました。クルドは89年にオーヴィディスからCD化されましたが、イランや南インドのように何故かCD化されずそのまま埋もれてしまった名盤もありました。今はSmithsonian Folkwaysのサイトで聞けたり、カスタムCDRで再発されて入手可能な録音もあります。(以下放送原稿を再度)

1989年にフランスのオーヴィディスからCD化されたユネスコのクルド音楽の録音は、70年代後半にはオランダのフィリップスからユネスコ・コレクションのシリーズとしてLPで出ていた音源で、日本では日本フォノグラムからLPで出ていました。当時このシリーズでは大分前にかけたイランや南インドのLPを持っていましたので、サンプラーLPでクルドの音源も聞いたことがありました。トルコ東部のクルディスタンの音楽のようです。そのMawal Wa Raqsaという曲をおかけします。編成は2本のピクという笛と、打楽器のトゥンバラク、フィンガー・シンバルのジルです。タイトルは「マウワルと踊り」という意味だと思います。

<3 Kurdish Music ~Mawal Wa Raqsa 7分1秒>

Mawal wa Raqsa (for two pik, tumbalak and zil)

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2020年7月15日 (水)

Al Surのクルド音楽家のその後

Al Surのクルド音楽3枚シリーズが出たのは、もう30年近く前ですので、今も同じメンバーで活動しているのかどうか不明です。Ensemble Zalmは見当たりませんが、Groupe Musical du KurdistanとTânia Arabは、youtubeチャンネルがありました。1本目のGroupe Musical du Kurdistanは、放送でかけたのと同じギュル・アマンです。映像の男性はサズのメンバーでしょうか? リリース当時30歳前後ですから、あり得ます。Tânia Arabは同じ曲もありますが、おそらくアル・スールの後でリリースされたのではと思います。ジャケットを見ると、前列右でサズを構えている人がGroupe Musical du Kurdistanのサズ奏者と同じ人に見えます。つまり今日の1本目と同じ人です。30年の月日の流れを感じます。編成がアル・スール盤と変わって、サズ、ウード、バラバンの伴奏でのラウクも、蕭蕭として良いものです。

najmadin gholami gul aman


Lawk

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2020年7月13日 (月)

イラク系クルド Al SurとUnescoの音源

ゼアミdeワールド216回目の放送、日曜夜10時にありました。15日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はGroupe Musical du Kurdistanの2曲だけにしておきます。

クルドの音楽の5回目です。今回はフランスのAl Surから90年代に出ておりました3枚のクルディスタンの音楽シリーズと、1989年のユネスコ盤から抜粋してご紹介します。いずれも廃盤アイテムになります。
まずはAl Surのクルド・シリーズ1枚目で、グループ名はGroupe Musical du Kurdistan、タイトルがDe Soran a Hawramanという盤から、3曲目のギュル・アマンという曲です。邦訳するなら「おお、私の川よ」となります。編成はサズ、ネイ、バラバン、キャマンチェ、ダフで、ダフ奏者が叩き歌いをしています。全編柔らかいダブルリードのバラバンの曇った音色が目立っていますが、特にギュル・アマンという曲はリズムと旋律、更には曲の雰囲気まで実にクルドらしく、「剣の舞」を連想させる曲調に最初聞いた時から特に驚いた一曲です。

<3 Groupe Musical du Kurdistan / Gül Aman [Ô mon fleuve] 4分22秒>

Gül Aman


この3枚シリーズは、1枚目がイラク系クルド人メンバー中心に1982年にイタリアで立ち上げたグループの演奏、2枚目もやはりイラク系クルドのグループの演奏で、ヴァイオリンやウードがフロントに出てかなりアラブ風な印象が強くなり、3枚目もイラク北部のクルドの歌ですが、自由に間を崩して歌う「長い歌」系の歌唱が目立っています。
2枚目からも一曲かけますが、アラブ風な中にいかにもクルド的な曲が一曲ありますので、その4曲目のNârine- Kyas zardéという曲をおかけします。演奏はEnsemble Zalmで、編成はヴァイオリン、ウード、サントゥールとトンバクやダラブッカなどの打楽器です。

<4 Ensemble Zalm / Nârine- Kyas zardé 4分24秒>

3枚目はLawk と Hairanという二つの詩のジャンルを歌い分ける名歌手Tânia Arabの歌唱をフィーチャーしていて、伴奏はサントゥール、ウード、トンバクです。アラブのマウワルに似た「長い歌」系がラウク、リズミカルな曲もある方がハイランになるようです。ラウクは10分余りのDotman (Cousine) Mêwan (L'hôte)という曲がラストを飾るように入っていますので、最初の4分程をおかけします。マウワルに少し似ていますが、音の動きがいかにもクルド風です。

<7 Tânia Arab / Musique Du Kurdistan 3 : Lawk U Hairan ~Dotman (Cousine) Mêwan (L'hôte) 10分18秒~4分>

1989年にフランスのオーヴィディスからCD化されたユネスコのクルド音楽の録音は、70年代後半にはオランダのフィリップスからユネスコ・コレクションのシリーズとしてLPで出ていた音源で、日本では日本フォノグラムからLPで出ていました。当時このシリーズでは大分前にかけたイランや南インドのLPを持っていましたので、サンプラーLPでクルドの音源も聞いたことがありました。トルコ東部のクルディスタンの音楽のようです。そのMawal Wa Raqsaという曲をおかけします。編成は2本のピクという笛と、打楽器のトゥンバラク、フィンガー・シンバルのジルです。タイトルは「マウワルと踊り」という意味だと思います。

<3 Kurdish Music ~Mawal Wa Raqsa 7分1秒>

では最後に、最初にかけたGroupe Musical du Kurdistanの演奏で、Siatchamanaという曲を聴きながら今回はお別れです。「黒い瞳」という意味のこの曲でも、バラバンの曇った音色と独特なリズムと雰囲気などが何ともクルド色濃厚に聞こえる一曲です。アルバムタイトルのDe Soran a Hawramanは、「ソランからハウラマンまで」という意味ですが、クルド語の主要方言である、クルマンジーとソラニーの両方が見られるイラク北部のクルディスタン一帯かその一部を指しているのではと思われます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2 Groupe Musical du Kurdistan / Siatchamana (Les yeux noirs) [Poème de Goran] 6分2秒>

Siatchamana

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2020年7月 9日 (木)

Dariush Safvatのセタール

今日の動画はクルド音楽ではなく、ペルシア音楽です。関連動画で見つけて大喜びした一本です。ダリウーシュ・サフヴァト(1928 ~2013) は、イラン音楽保存普及センター第一世代の重要音楽家ですが、意外に録音が少なく、コンピレーションにあった位だと思います。セタールとサントゥールをアボルハサン・サバーなどに学んだ両方の楽器の名手で、その鮮明な動画を見れる有難い一本です。しかも個人的に大好きなバヤーテ・エスファハン。晩年の演奏かと思いますが、大変に味わい深い独奏です。

Setar Improvisation on Bayat-e-Esfahan

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2020年7月 8日 (水)

放送でかけたMotreb-e-Mahtab Ro

これが放送でかけたCDと同じ音源のMotreb-e-Mahtab Roです。一昨日のVHSの演奏では、前半のテーマが終わった後でカイホスロー・プールナーゼリーのタンブール伴奏でナーゼリーが絶品のアーヴァーズを聞かせ、後半ではアリ・アクバル・モラディの超絶タンブール独奏がありました。この映像を残したくて、ワカメになる寸前のビデオをデジタル化した記憶があります(笑)
CDと同じ今日の音源では、それぞれのソロはありませんが、クルド・マカームに徹した熱い演奏に終始しています。ルーミーの神秘主義詩を具体化したこの曲は、初めて聞いて25年ほど経ちますが、忘れられない曲です。2007年にAvaz-e-Bisotunから再発されていて、この画像はそのジャケットのようです。ローマ字表記の綴りはmotreb-e-mahtab roとmotreb-e mahtab rouの両方が見られます。

Motreb-e-Mahtab Ro

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2020年7月 6日 (月)

Motrebe Mahtab Rou(月の顔の楽士)

ゼアミdeワールド215回目の放送、日曜夜10時にありました。8日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。動画は下記のVHSと同じ映像です。

クルドの音楽の4回目です。今回は4年前のこの番組の放送開始から間もない頃にかけたシャハラーム・ナーゼリーのMotrebe Mahtab Rou(月の顔の楽士?)を再度取り上げたいと思います。どの曲かは分かりませんが、やはりクルド・マカームのヴァリエーションと取れるのかも知れません。4年前は15分枠でしたから、どの曲も抜粋でしたが、今回は17分近い1曲目「Motrebe Mahtab Rou」は丸々かけられます。「月の顔の楽士」と言う訳が正しいかどうか、この音源は欧米盤が出てなくて、イラン盤のみですので、よく分かりませんが、カセットで出た時に「月の顔の楽士」がタンブールを構えたジャケットだったのだけは確かです。Motrebと言うのは、ストリートの辻楽師にも用いられるよく知られたペルシア語の言葉です。

この曲はクルドで用いられる弦楽器タンブールの合奏から始まりますが、これぞクルド・マカームの響きという感じがします。前回も言いましたが、クルド・マカームとは旋法であると同時に、様々な祭礼に演奏されるレパートリー自体も指します。タンブールの奏法は独特でフラメンコのラスゲアードを逆回しするようなストロークが目を引きます。タンブール奏者は5人前後で、90年代に出たVHSにも出ていたカイホスロー・プールナーゼリーやアリ・アクバル・モラディは名を連ねていると思います。

<1 Shahram Nazeri / Motrebe Mahtab Rou ~Motrebe Mahtab Rou 16分58秒>

Shahram Nazeri & Rumi Iranian Music


前々回カーブーキをかけましたキングのワールドルーツミュージックライブラリーの「シャハラーム・ナーゼリーの芸術」のライナーノーツの拙稿からも少しご紹介します。

イラン西部のクルディスタンの中心地の一つ、ケルマンシャーで1950年に生まれる。音楽家の家庭に育ち、幼少より音楽と文学を学び始める。 1971年頃からアブドゥッラー・ダヴァーミ(Vo)、ヌール・アリ・ボルーマンド(Tar,Setar)、マームード・キャリーミ(Vo)、アフマッド・エバーディー(Setar)と言った、錚々たる顔ぶれのペルシア古典音楽の巨匠たちに学ぶ。1974年には初めてジャラール・ッディン・ルーミー(モウラヴィー)の詩に独自の解釈を施して披露。1976年には古典音楽のコンクールで優勝。ペルシア古典声楽家としての地位を固めながらも、作曲を通してイランのスーフィー音楽によりラディカルに向き合うようになり、その後自身のルーツであるクルドの音楽を取り入れた作品を発表するようになる。現在のイラン古典声楽界では、同じく男性歌手のシャジャリアンと並び称される名歌手。繊細極まりないペルシアの古典音楽と、熱情的なクルド音楽と、どちらにおいてもトップの座に君臨するカリスマ的な存在である。
 クルド音楽へ目を向け始めてからは、スーフィー詩の極致とも言えるルーミーの神秘主義詩に大きなウェイトを置いた上で、クルド・マカーム志向をも見せるようになる。こうしてイラン革命前の伝統にはなかった彼独自のスタイルを確立した。ルーミーの神秘主義詩に見られる情熱を吹き込んで、古典音楽に新しい動きを加えたというのが、筆者が<東京の夏>音楽祭の公演の合間にインタビューした際、ナーゼリー本人から聞いた言葉だった。先述したように、クルド・マカームには「イラン系民族文化の古層」が現れていると言えるが、テキストにはスーフィー文学の華であるルーミーの詩を持ってくることで、より広くまた熱狂的な聴衆の支持を得る事に成功した。タンブール名人であるアリ・アクバル・モラディやアリー・レザー・フェイゼバシプールと組むことで、それがより大きく花開いたことも事実だろう。

Motrebe Mahtab Rouは、2,3,4曲目もそれぞれ10分以上ありまして、いずれも甲乙つけがたいのですが尻切れトンボになってしまいますので、大体放送枠に入りそうなラストを飾っている7分弱の5曲目、Gol va kharを聞きながら今回はお別れです。この曲はアリ・アクバル・モラディの「ヤルサンのマカーム儀礼」4枚組の4枚目に入っているGol Va Khakと綴りがそっくりで、もしかしたら同じ曲かも知れません。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Shahram Nazeri / Motrebe Mahtab Rou ~Gol va khar 6分43秒>

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2020年7月 3日 (金)

タンブールの巨匠 アリ・アクバル・モラディ

エラーヒはさすがに映像はyoutubeにはアップされてないと思いますが、モラディは1957年生まれなので(私と5つ違い)、夥しい数の映像を見れます。二人の息子との演奏が一本目、二本目はクルド・マカームではなくタイトルにラディーフとある通り女性歌手Bahar Movahedとのペルシア音楽で、クルド音楽ではない彼の演奏は余り記憶がないので新鮮です。ペルシア音楽の12のダストガーの内のバヤーテ・コルドにはクルドの音楽の、バヤーテ・トルクにはトルコ系(トルクメン?)の音楽の名残があると思いますので、それぞれ比較考証の余地はあるかと思います。バヤーテの元のベイトは、「詩」または「歌」のような意味です。(今はそれぞれシャアルとタラネーと言うことが多いのでベイトは古語でしょうか?) 放送でかけたサハリーのモラディのタンブール演奏があったら良かったのですが、なさそうなので、同じイネディの音源を3本目に上げておきます。(以下放送原稿を再度)

ナーゼリーとも共演しているタンブールの名人アリ・アクバル・モラディの仏Ineditの4枚組「ヤルサンのマカーム儀礼」を見ると、クルド・マカームには70曲以上のレパートリーがありますが、この中にはジェロシャーヒが見当たりませんでした。日本のタンブール奏者のKさんを通して曲名を聞くことの多いサハリーという曲を代わりにかけておきます。この盤についてのゼアミHPでのコメントを引用します。

11世紀に生まれたヤルサンのタンブールを用いた儀礼音楽を収めた初のアルバム。ヤルサンはアフレハック(Ahl-e Haqq: "People of the Truth")としても知られ、イスラーム以前の古代ペルシアの信仰に起源があると言われるクルディスタンに多く見られる宗教(クルド人口の3~10%)。モラディはイラン西部ケルマンシャー出身のクルドのタンブールの巨匠。4枚にわたって秘教ヤルサンのマカーム儀礼を収録したイネディならではの注目作で、特に往年の大巨匠エラーヒや最近のシャーラム・ナゼリの音楽に感動した方は要チェックです。

Distant Harmonies: Virtual Concert with Ali Akbar Moradi and Sons


Classical music from Iran Great masters of the radif Ali Akbar Moradi, Bahar Movahed


Sahari

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2020年7月 2日 (木)

5弦タンブールによるジェロシャーヒ

同じオスタッド・エラーヒのジェロシャーヒですが、Five-Stringed Tanburとありますので、5弦タンブールということのようです。何人かで弾いているように聞こえますが、5人のタンブール奏者と言うことではないと思います。タンブールは通常2本の同じ音に合わせた演奏弦と、ドローン弦の計3本の2コースで、演奏弦とドローンの間隔はおそらく4度で、5度ではなかったと思います。この録音は先にアップルミュージックで見つけましたが、2019年リリースなのにまだインフォを見た記憶がありませんので、問い合わせてみます。5弦でのジェロシャーヒは、響きが複雑になり、より迫力のある演奏になっているように思いました。どういう弦の構成になっているのか気になります。

Jelo Shâhi Suite on the Five-Stringed Tanbur

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