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2020年7月 3日 (金)

タンブールの巨匠 アリ・アクバル・モラディ

エラーヒはさすがに映像はyoutubeにはアップされてないと思いますが、モラディは1957年生まれなので(私と5つ違い)、夥しい数の映像を見れます。二人の息子との演奏が一本目、二本目はクルド・マカームではなくタイトルにラディーフとある通り女性歌手Bahar Movahedとのペルシア音楽で、クルド音楽ではない彼の演奏は余り記憶がないので新鮮です。ペルシア音楽の12のダストガーの内のバヤーテ・コルドにはクルドの音楽の、バヤーテ・トルクにはトルコ系(トルクメン?)の音楽の名残があると思いますので、それぞれ比較考証の余地はあるかと思います。バヤーテの元のベイトは、「詩」または「歌」のような意味です。(今はそれぞれシャアルとタラネーと言うことが多いのでベイトは古語でしょうか?) 放送でかけたサハリーのモラディのタンブール演奏があったら良かったのですが、なさそうなので、同じイネディの音源を3本目に上げておきます。(以下放送原稿を再度)

ナーゼリーとも共演しているタンブールの名人アリ・アクバル・モラディの仏Ineditの4枚組「ヤルサンのマカーム儀礼」を見ると、クルド・マカームには70曲以上のレパートリーがありますが、この中にはジェロシャーヒが見当たりませんでした。日本のタンブール奏者のKさんを通して曲名を聞くことの多いサハリーという曲を代わりにかけておきます。この盤についてのゼアミHPでのコメントを引用します。

11世紀に生まれたヤルサンのタンブールを用いた儀礼音楽を収めた初のアルバム。ヤルサンはアフレハック(Ahl-e Haqq: "People of the Truth")としても知られ、イスラーム以前の古代ペルシアの信仰に起源があると言われるクルディスタンに多く見られる宗教(クルド人口の3~10%)。モラディはイラン西部ケルマンシャー出身のクルドのタンブールの巨匠。4枚にわたって秘教ヤルサンのマカーム儀礼を収録したイネディならではの注目作で、特に往年の大巨匠エラーヒや最近のシャーラム・ナゼリの音楽に感動した方は要チェックです。

Distant Harmonies: Virtual Concert with Ali Akbar Moradi and Sons


Classical music from Iran Great masters of the radif Ali Akbar Moradi, Bahar Movahed


Sahari

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