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2020年8月

2020年8月31日 (月)

レベティカの作曲家シリーズ28=パナヨティス・トゥンダスVol.5を中心に

ゼアミdeワールド223回目の放送、日曜夜10時にありました。2日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はTilegrafima Stin Karmenの1938年のオリジナル録音のみにしておきます。画面に現代ギリシア語の歌詞が出てきます! 是非一緒にご唱和下さい(^^)

ギリシアの4回目になります。ギリシアの歌姫ハリス・アレクシーウが往年のレベティカやライカの名曲を歌った1983年のTa Tsilikaから、前回かけたくてかけられなかった数曲と、100年近く前のレベティカの古い音源からご紹介します。今年でアレクシーウも古希ということで、引退報道がつい先日ありました。返す返すも94年の来日公演を聞けなかったのが残念です。

まずは前回かけた「リリはスキャンダルメーカー」と共にオルターポップのベスト・オブ・ハリス・アレクシーウに入っていたタ・ツィリカからの2曲のもう一曲、カモマトゥもかけておきます。タ・ツィリカ1枚目の2曲目に入っています。あだっぽい女性への恋心を歌ったこの曲は、ヤニス・ドラガツィスの1932年の作曲で、9拍子のカルシラマースのリズムで書かれています。

<1-2 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Kamomatou 2分56秒>

Ta Tsilikaの2枚目の5曲目に入っているMagikoという曲ですが、カリピスの作曲とあります。とても親しみやすい旋律だと思います。

<2-5 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Magiko 2分27秒>

次にTa Tsilikaの2枚目のラストを飾っているパラドシアコ作曲のO Magasです。パラドシアコは1枚目の最初のBarbagiannakakisも書いていた人です。アップテンポでラストに相応しい曲です。

<2-13 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~O Magas 2分26秒>

次にTa Tsilika2枚目で前回かけられなかったスミルナ派の重鎮作曲家パナヨティス・トゥンダスの曲です。10曲目のNaziara Mouという曲をおかけします。

<2-10 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Naziara Mou 3分15秒>

同じNaziara Mouを1937年のRita AbatziとStellakis Perpiniadisの歌唱でおかけします。この後は希Minosから出ていたレベティカの作曲家シリーズ28=パナヨティス・トゥーンダスVol.5から続けます。

<5 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Naziara Mou 3分25秒>

前回「特に個人的に好きなのが1枚目の最後12曲目を飾っているTilegrafima Stin Karmenという曲で、哀愁の先にカタルシスを感じる名旋律だと思います。」とアレクシーウの歌唱をご紹介したTilegrafima Stin Karmenですが、パナヨティス・トゥーンダスVol.5には、Stratos PagioumtzisとStellakis Perpiniadisの歌唱で1938年の録音が入っておりますので、こちらをどうぞ。

<4 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Tilegrafima Stin Karmen 3分22秒>

ΤΗΛΕΓΡΑΦΗΜΑ ΣΤΗΝ ΚΑΡΜΕΝ, 1939, Στράτος Παγιουμτζής, Στελλάκης Περπινιάδης


やはり前回「7曲目のAman, Katerina Mouもyoutubeでタベルナでの名演を見れる曲です。演歌的な感じが少しあります。この曲はクルド系のトルコの女性歌手チーデム・アスランが、バルカン音楽やクレズマー音楽などを歌ってきた後で辿り着いたアルバム、Mortissaで冒頭で取り上げていました。」とご紹介しましたAman, Katerina Mouは、Stellakis Perpiniadisの歌唱で1937年の録音が入っております。

<7 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 5] ~Aman, Katerina Mou 3分18秒>

では最後にパナヨティス・トゥーンダスの第6集の冒頭に入っているTo Minore Tis Tavernasを時間まで聞きながら今回はお別れです。レベティカが生まれた頃の陋巷の臭いが感じられるような、とてもレベティカらしい雰囲気の曲です。歌唱はStratos PagioumtzisとNota Kalleliです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 Sinthetes Tou Rebetikou[Vol. 6] ~To Minore Tis Tavernas 3分14秒>

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2020年8月28日 (金)

リリはスキャンダルメーカー

「リリはスキャンダルメーカー」について、放送での予告通り「ベスト・オブ・ハリス・アレクシーウ」の解説から歌詞を転載しておきます。解説にはシルトスの強烈なリズムに乗ったレベティカらしい曲とありますが、確かにトゥンダスの曲の中ではオリエンタルなリズムのみなぎる曲です。シルトスとオリエンタルが重なるものか、要調査ですが。こういう陋巷のはすっぱな女性もリアルに描くのがレベティカ。ベリーダンスの方では、往年のユダヤ系レベティカ女性歌手のローザ・エスケナージの歌唱をバックに踊っているようです。彼女が最初に歌ったのか、これも要調査です。そう言えば、アレクシーウの若い頃、ローザ・エスケナージとのツーショットがあって、どこかで見たことがありました。

Lili I Skadaliara


Amira Balkis...''Lili skadaliara'' ....Roza Eskenazi


アンタがコパナから来た流れ者だろうと、どうでもいい。
らしく決めれば、ナンパできると思ってんの?

アタイはリリ
筋金入りのスキャンダルメーカー
やさぐれ者にかける情けはない
ちゃちい誘いに引っかかるもんか

さっさとお行き。あきらめて他の女にしな
こっちがキレたら大事だよ
ナイフなんか恐くない
粋がってコンボロイじゃらつかせて
ご大層な口きいても、気は変わんないよ

こっちはピレウス、コキニャの出
あんたとは関係なし
マブダチと酒が飲めればそれでいい
アタイはリリ
筋金入りのスキャンダルメーカー
男っ気はなし
ちゃちい誘いに引っかかるもんか

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2020年8月27日 (木)

タヴェルナでのAman, Katerina Mou

ギリシア料理の店をタヴェルナと言いますが、レストランなのに「食べるな」?とは、よく言われる駄洒落です。酒は水を入れると白濁するウーゾがやっぱり一番似合います。タヴェルナと思しき場所でのハリス・アレクシーウの映像は、先日のバルバヤンナカキスと今日のAman, Katerina Mouと今日の3本目(タツィリカ1枚目の8曲目As Mi Ximerone Pote)がありますが、10年ほど前は映像状態の良いものがもっとあったように思います。映像は悪くても、演奏と雰囲気は最高。チーデム・アスランのこの曲は、放送では流さないと思うので、今日2本目に上げておきます。(以下放送原稿を再度)

7曲目のAman, Katerina Mouもyoutubeでタベルナでの名演を見れる曲です。演歌的な感じが少しあります。この曲はクルド系のトルコの女性歌手チーデム・アスランが、バルカン音楽やクレズマー音楽などを歌ってきた後で辿り着いたアルバム、Mortissaの冒頭で取り上げていました。

<1-7 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Aman, Katerina Mou 3分24秒>

Χάρις Αλεξίου- Αμάν Κατερίνα μου (Μινόρε της Αυγής, 1984)


Çiğdem Aslan - Aman Katerina Mou


ΑΣ ΜΗ ΞΗΜΕΡΩΝΕ ΠΟΤΕ ~ ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ

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2020年8月26日 (水)

カルメンへの電報

ハリス・アレクシーウのタ・ツィリカで一番好きな曲が誕生日に回ってきて嬉しい限りです。初めて聞いた26年前、パナヨティス・トゥーンダスのこの名旋律とアレクシーウの名唱に拍手を送りました。この曲は残念ながらタヴェルナでの生映像はなさそうですが。曲名Τηλεγράφημα Στην ΚάρμενのΚάρμενを大文字で書いた場合、KAPMENとなりますが、Pはギリシア語やロシア語ではRの音ですので、カルメンと読みます。思わずカップメンと読んでしまいそうですが(笑) 曲名を和訳すると、「カルメンへの電報」となります。(以下放送原稿を再度)

特に個人的に好きなのが1枚目の最後12曲目を飾っているTilegrafima Stin Karmenという曲で、こちらから先におかけします。哀愁の先にカタルシスを感じる名旋律だと思います。

<1-12 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Tilegrafima Stin Karmen 3分>

Χάρις Αλεξίου - Τηλεγράφημα Στην Κάρμεν - Official Audio Release

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2020年8月24日 (月)

ハリス・アレクシーウのTa Tsilika

ゼアミdeワールド222回目の放送、日曜夜10時にありました。26日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画はBarbagiannakakisのみにしておきます。タベルナと思しき場所での30代のアレクシーウは美しく歌唱も最高。バックの演奏も最高です。この一連の動画、当ブログでは13年間に3回はアップしていると思いますが、一日一本ずつ味わいたいと思います(笑)

ギリシアの3回目になります。前回「本丸的な」と予告しましたハリス・アレクシーウのTa Tsilikaを取り上げます。この盤は六本木の某店にいた94年前後に盛んにかけていて、かなり売った記憶があります。確かこの年にアレクシーウが来日していて、それを後で知って非常に悔しい思いをしました。それから15年近く経って、ゼアミブログで取り上げる頃には、80年代のアレクシーウの素晴らしい歌声とタベルナと思しき場所で歌っている姿をYouTubeでも見られるようになっていました。

Ta Tsilikaという2枚組ですが、この盤について2002年の音楽之友社「世界の民族音楽ディスクガイド」に書いた拙稿をまず読み上げます。

ギリシアを代表する女性歌手アレクシーウが83年にリリースしたオーソドックスなレベティカとライカの名曲集2枚組。1900~45年の著名な大衆歌謡作家の曲からのセレクション。トゥーンダス、ドラガツィス、パラドシアコなどの名曲がオーソドックスな編成の新しい録音で聞けるのはとても有り難い。いかにもレベティカらしい哀愁の名旋律も数多く、この世界が好きな人は愛聴盤になりうるのでは。トルコ風なエキゾチシズムと変拍子も目立つが、シルトスの快活なリズムの内にも宿る、地中海的明るさと背中合わせの哀しさがこよなく美しい。ギリシア盤で原語解説のみだが、一緒に唱和してしまうような親しみやすい、また彼女の魅力満開の充実作。

レベティカとは、1920年代にギリシアとトルコの住民交換で旧オスマントルコ領内からギリシアへ移住させられたギリシア人たちによって始まり、1960年代の民主化の時代に再興があったとされるギリシアの大衆歌謡で、再興後はライカと呼ばれるようです。ギリシアの港町の下層階級の間で、19世紀末から20世紀へ変わる頃成立したと言われ、「ギリシアのブルース」とも形容されます。音楽的にはオスマン時代以来のエキゾチックな側面も豊富に見られます。

この2枚組に入っている曲ですが、ほぼ100年前のスミルナ派レベティカの古い録音にもありますので、また後日取り上げる予定です。私がTa Tsilikaを初めて聞いた94年頃からとても惹かれてきたレベティカの作曲家は、パナヨティス・トゥンダスですが、今でもレベティカ最大のメロディーメーカーの一人のように思います。という訳で、トゥンダスの曲を中心に取り上げたいと思いますが、まず1曲目はYouTubeでも素晴らしい歌唱を聞けたパラドシアコのBarbagiannakakisという曲からおかけします。

<1-1 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Barbagiannakakis 3分47秒>

ΜΠΑΡΜΠΑΓΙΑΝΝΑΚΑΚΗΣ - ΧΑΡΙΣ ΑΛΕΞΙΟΥ


これから後はトゥンダスの曲が続きます。特に個人的に好きなのが1枚目の最後12曲目を飾っているTilegrafima Stin Karmenという曲で、こちらから先におかけします。哀愁の先にカタルシスを感じる名旋律だと思います。

<1-12 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Tilegrafima Stin Karmen 3分>

戻りまして、7曲目のAman, Katerina Mouもyoutubeでタベルナでの名演を見れる曲です。演歌的な感じが少しあります。この曲はクルド系のトルコの女性歌手チーデム・アスランが、バルカン音楽やクレズマー音楽などを歌ってきた後で辿り着いたアルバム、Mortissaで冒頭で取り上げていました。

<1-7 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Aman, Katerina Mou 3分24秒>

10曲目のLili I Skadaliaraは、オルターポップから出ていたベスト・オブ・ハリス・アレクシーウにも入っていた曲で、「リリはスキャンダルメーカー」と邦訳されていました。この盤はタ・ツィリカ初め、アレクシーウの1970、80年代のミノス・レコードの音源からのコンピレーションでした。

<1-10 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Lili I Skadaliara 3分36秒>

戻りまして1枚目3曲目のAeroplano Tha Paroもトゥンダスの歌で、男性歌手アガトナス・ラコヴィディスとのデュオです。

<1-3 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Aeroplano Tha Paro 3分19秒>

2枚目の終わりから2曲目のPagratiotissaも、トゥンダスらしい、やや演歌的なやるせない感じの旋律ですが、途中オスマン音楽風な音の動きと転調が入って、おっ!と思う曲です。この曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-12 Haris Alexiou / Ta Tsilika ~Pagratiotissa 2分51秒>

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2020年8月21日 (金)

Σαβίνα Γιαννάτου - Τα παιδιά κάτω στον κάμπο

そしてサヴィナ・ヤナトゥのΤα παιδιά κάτω στον κάμποですが、1本目のギター伴奏の方は割と最近のようです。2本目は映像のCD収録の演奏。タイトルは「サヴィナ・ヤナトゥ/マノス・ハジダキスを歌う (2002)」でした。Ta Paidia Kato Ston Kampoの哀愁帯びた美しいメロディは、あのカルト映画から離れて単独で歌われるようになっているように見受けられます。スウィート・ムービーには他にも印象的な音楽が多いですが、やはり映画のシーンと不可分でしょう。サヴィナ・ヤナトゥの表記について、私は長らくサヴィナ・ヤンナトゥと書いてきました。νが2つあるからですが、原語ではどちらが近いのでしょうか。ヤナトゥと書かないと検索にかからないので、最近はそうしています。

Yannatou & Grigoreas - TA PAIDIA KATO STON KAMPO - Hadjidakis [Τα παιδιά κάτω στον κάμπο-Χατζιδάκις]


Σαβίνα Γιαννάτου - Τα παιδιά κάτω στον κάμπο | Official Audio Release

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2020年8月20日 (木)

Sweet Movieの名歌 Ta Paidia Kato Ston Kampo

いよいよ、スウィート・ムービーです。映画も全て上がっていますが、余りに強烈ですので、見るのは自己責任と言うことで(笑) 私は80年代に映画館で見て、PalのDVDも持っております。(以下放送原稿を再度)

セルビア出身のドゥシャン・マカヴェイエフ監督の1974年の映画「スウィート・ムーヴィー」の音楽もハジダキスが担当していますので、その甘美で痛々しい主題歌をおかけします。サヴィナ・ヤナトゥも歌っていますが、これからかけますのはサントラ盤のオリジナル音源です。

<9 Ta Paidia Kato Ston Kampo 3分37秒>

Μαρία Κάτηρα - Τα παιδιά κάτω στον κάμπο - Official Audio Release


70年代的な音楽はとても魅力的ですが、放送では内容を説明できないような(笑)カルト映画として昔から好事家の間で有名な「スウィート・ムーヴィー」ですので、やはり音楽も一風変わった面もありまして、全ての曲をギリシア音楽として紹介するのは難しいのですが、ラストを飾っていた主題歌だけはおかけしておきたいと思います。マカヴェイエフ監督の前作の『WR:オルガニズムの神秘』を見たハジダキスは拍手喝采し、喜んで作曲を引き受けたそうです。児童の合唱が、先ほどの女性独唱とは違う味わいを添えて、この映画を締めくくっています。この名曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Ta Paidia Kato Ston Kampo (Chorus) 2分31秒>

Manos Hadjidakis - Sweet Movie IV

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2020年8月19日 (水)

月まで散歩しましょう

Pame Mia Volta Sto Feggari(月まで散歩しましょう)は、検索してみると沢山ありました。サントラの中では割と目立たない感じですが、映画の中ではとても重要な曲かと思います。やはりサヴィナ・ヤナトゥが一番の絶美の歌唱と演奏を聞かせていると思います。2本目は「日曜はダメよ」のオリジナル。メリナ・メルクーリの艶っぽい演技と歌唱が最高。(以下放送原稿を再度)

サヴィナ・ヤナトゥは90年代に希LyraのPrimavera en Salonico(サロニカの春)でのセファルディの歌で話題になった人ですが、その後主に東地中海各地の音楽において、儚げでリリカルな絶品の歌声を披露してきた歌姫です。1998年リリースの「マノス・ハジダキスの'62年」という盤の1曲目で、絶美の歌声を披露しています。

<1 Pame Mia Volta Sto Feggari 4分33秒>

Πάμε μια βόλτα στο φεγγάρι - Σαβίνα Γιαννάτου


Μελίνα Μερκούρη - "πάμε μια βόλτα στο φεγγάρι"

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2020年8月18日 (火)

Χορός κάτω από την Ακρόπολη(アクロポリスの下での踊り)

火曜ですが、気になる動画を上げておきます。パルテノン神殿があるアクロポリスから、スキップするように踊りながら降りてくる男女。諸々の点で1968年と言う時代を感じます(^^) アクロポリスが標高150メートルと言うのを初めて知りました。意外に高いのですね。映画のタイトルは「アポロの休日」と訳してしまって良いでしょうか。音楽はヤニス・マルコプーロス、ダンサーはヘレナ・ナタナイル(ユダヤ系?)他。2本目はサントラ全曲のようです。
Dance under the acropolis from the 1968's movie "Apollo Goes on Holiday" (Epiheirisis Apollon) with Helena Nathanail and Thomas Fritsch. Music: Yiannis Markopoulos

ΓΙΑΝΝΗΣ ΜΑΡΚΟΠΟΥΛΟΣ - Χορός κάτω από την Ακρόπολη (Επιχείρηση Απόλλων, 1968)


Giannis Markopoulos/Γιάννης Μαρκόπουλος - Επιχείρησις Απόλλων (Ολόκληρος ο δίσκος)

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2020年8月17日 (月)

ハジダキス特集 日曜はダメよ~スウィートムービー

ゼアミdeワールド221回目の放送、日曜夜10時にありました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は「日曜はダメよ」の映画全編と、ホロス・ゼイベキコスが出てくる箇所です。スウィートムービーはまた後日。

ギリシアの2回目になります。今回は本丸的なハリス・アレクシーウの音源をかけようかと思っていましたが、お盆明けにラヂバリスタジオが再開されるようですので、今回は録音が古い音源を取り上げておきます。

前回1960年のギリシア映画「日曜はダメよ」のマノス・ハジダキス作曲の主題歌を、主演女優のメリナ・メルクーリの歌唱でかけましたが、そのサントラ盤は大変に魅力的な音楽で溢れていますので、このギリシア盤を中心に今回はハジダキスの音楽特集にします。
余りに有名な主題曲のインスト演奏から始まりますが、ブズーキア、ホロス・ゼイベキコス、荒野、月の上を散歩しましょう、と5曲抜粋しておかけします。前にトルコの時に出てきたゼイベキコが出て来ますが、その前にバルカン半島一体に見られる舞踊曲の名前、ホロが付いています。バルカン各地のホロやルーマニアのホラのルーツはギリシアにあり、本家のギリシアでは輪舞全般を指すようです。ハジダキスの曲には、他にもハサピコなど、ギリシアの伝統音楽が散りばめられています。
ハジダキスの曲は、いかにも地中海的な底抜けに明るい面と、それとは対照的な翳りを含んだ幾分演歌的に聞こえる部分もあって、日本人にも大変受けが良いのではと思います。荒野という曲は、ギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロスの映画を思い出させるものがあるように思いました。

Nunca aos domingos -- Filme completo (Never on Sunday)


<1 Ta Paidia Tou Peiraia 3分23秒>

<3 Bouzoukia 3分2秒>

<4 Horos Zeibekikos 2分>

Pote tin Kyriaki aka Never on Sunday (1960)



<5 Wilderness 2分6秒>

<7 Let's Take A Walk On The Moon 2分30秒>

最後にかけましたLet's Take A Walk On The Moonという曲を、サヴィナ・ヤナトゥというギリシアの女性歌手が歌っていますので、併せておかけしておきます。彼女は90年代に希LyraのPrimavera en Salonico(サロニカの春)でのセファルディの歌で話題になった人ですが、その後主に東地中海各地の音楽において、儚げでリリカルな絶品の歌声を披露してきた歌姫です。1998年リリースの「マノス・ハジダキスの'62年」という盤の1曲目で、絶美の歌声を披露しています。

<1 Pame Mia Volta Sto Feggari 4分33秒>

セルビア出身のドゥシャン・マカヴェイエフ監督の1974年の映画「スウィート・ムーヴィー」の音楽もハジダキスが担当していますので、その甘美で痛々しい主題歌をおかけします。サヴィナ・ヤナトゥも歌っていますが、これからかけますのはサントラ盤のオリジナル音源です。

<9 Ta Paidia Kato Ston Kampo 3分37秒>

70年代的な音楽はとても魅力的ですが、放送では内容を説明できないような(笑)カルト映画として昔から好事家の間で有名な「スウィート・ムーヴィー」ですので、やはり音楽も一風変わった面もありまして、全ての曲をギリシア音楽として紹介するのは難しいのですが、ラストを飾っていた主題歌だけはおかけしておきたいと思います。マカヴェイエフ監督の前作の『WR:オルガニズムの神秘』を見たハジダキスは拍手喝采し、喜んで作曲を引き受けたそうです。児童の合唱が、先ほどの女性独唱とは違う味わいを添えて、この映画を締めくくっています。この名曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Ta Paidia Kato Ston Kampo (Chorus) 2分31秒>

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2020年8月13日 (木)

映画「Z」からサフティ・ティ・ギトニャ

放送原稿で「私は3曲目のSafti Ti Gitoniaに最初に聞いた時から強く惹かれました。短調好きとしては、わくわくするような曲でした(笑) ぐぐってみると、どうやらギリシアの名女優イレーネ・パパスと、フランスの歌手兼俳優のイヴ・モンタン、「男と女」でアヌーク・エーメと共演したジャン・ルイ・トランティニャンが出演した映画の曲のようです。」と書きましたが、この映画のタイトルは「Z」で、「1969年のアルジェリア/フランス共同制作映画。1963年に軍事政権が全ての権利を掌握していた王制下のギリシャで起きた自由&平和主義者グリゴリス・ランブラキス暗殺事件をモデルとしたヴァシリス・ヴァシリコスによる同名の小説(1966年刊行)を、コスタ=ガヴラス監督が映画化したもの。」とウィキペディアにありました。かなり知られた曲のようで、曲名はサフティ・ティ・ギトニャと聞こえます。サントラもありましたが、サフティ・ティ・ギトニャの映像もかなり見当たります。サントラではラストを飾っている曲です。1本目がインスト演奏、2本目がサントラのこの歌の部分、3本目はサントラ全曲です。映画を見てみたくなりましたが。

S'afti ti gitonia


Mikis Theodorakis: S'Ayti Ti Geitonia (Z OST)


Μίκης Θεοδωράκης - Ζ / Mikis Theodorakis - Z

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2020年8月12日 (水)

「日曜はダメよ」とメリナ・メルクーリ

「日曜はダメよ」の主題歌ですが、いくつか見ましたが、やはり主演のメリナ・メルクーリの一択でしょう。1本目は以下のサントラと同じシーン、2本目はシルタキ・ダンスを伴っての歌唱。3本目では映画を要約しています。久々にこの映画のDVDを見直したくなりました。「その男ゾルバ」よりこの映画の方が4年早いので、踊りはハサピコあるいはシルトスでしょうか?
ギリシャ研究者でギリシャの全てをこよなく愛するアメリカ人旅行者ホーマー役、兼この映画の監督のジュールズ・ダッシンは、メリナ・メルクーリと1966年に結婚されて、1994年にメリナ・メルクーリが亡くなるまで、おしどり夫婦として知られていたそうです。メリナ・メルクーリは、1981年から1989年にかけて、アンドレアス・パパンドレウ内閣において文化大臣を務めました。(以下放送原稿を再度)

マノス・ハジダキスの「日曜はダメよ」の主題歌を、主演女優のメリナ・メルクーリが歌っていますので、そのサントラ音源をおかけします。シャンソン歌手のナナ・ムスクーリなどの歌唱でも有名ですが、やはり主演女優の歌声は格別です。曲名は「ピレウスの子供たち」となっています。

<8 Melina Mercouri / Piraeus Children 3分20秒>

Melina Mercouri - Ta pedia tou Pirea


Melina Mercouri - Ta paidiá tou Peiraiá


Never on Sunday(日曜はダメよ)-"Melina Mercouri"

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2020年8月10日 (月)

シルタキのLP ゾルバと「日曜はダメよ」

ゼアミdeワールド220回目の放送、日曜夜10時にありました。12日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。ギリシアの音楽と言えば、まずこの2曲でしょうと言うことですが、今日の動画はゾルバのみにしておきます。2本目は「その男ゾルバ」で主演のアンソニー・クインが踊るシーンです。「日曜はダメよ」は水曜に。

今回からギリシアに入ります。この後は何年かかるか分かりませんが、ヨーロッパ中の伝統音楽をクラシックを交えながら取り上げていきたいと思っております。

ギリシアの初回ですが、今回の収録の準備に諸事情で余り時間がかけられないので、個人的に思い出深いギリシア音楽のLPの音源を中心におかけしたいと思います。このレコードを手に入れたのは1988年頃です。ギリシアの代表的なダンスのシルタキの器楽演奏を14曲コンパイルした盤で、テオドラキスとハジダキスという、ギリシアで最も有名な作曲家の曲が並んでいます。もう一人はクサルハコスです。
針を落とすなり、ブズーキの明るい音色がギリシア・ムードを盛り上げます。

ウィキペディアを参考にしますと、シルタキとはギリシアを起源とする大衆舞踊で、1964年の映画「その男ゾルバ」のためにギオルゴス・プロヴィアスによって振り付けされたものであり、シルタキはギリシアの伝統舞踊ではなく、中世のビザンツ時代からあるギリシアの踊りハサピコのゆっくりしたステップと速いステップとを混ぜ合わせたものとのことです。このダンスと、ミキス・テオドラキスの有名な伴奏曲は、「ゾルバのダンス」と呼ばれるようになりました。

このシルタキのLPのB面は「ゾルバのダンス」から始まり、この曲と並んでギリシアの曲では最も有名な映画「日曜はダメよ」のハジダキス作曲のテーマ曲が続けて入っていますので、2曲続けて7分程おかけします。

<14 intrumental Syrtaki - Zorbas>

Zorba The Greek Dance - The Greek Orchestra Emmetron Music HD



Zorbas Syrtaki


<14 intrumental Syrtaki - Ta Pedia Tou Pirea>

続いて、マノス・ハジダキスの「日曜はダメよ」の主題歌を、主演女優のメリナ・メルクーリが歌っていますので、そのサントラ音源をおかけします。シャンソン歌手のナナ・ムスクーリなどの歌唱でも有名ですが、やはり主演女優の歌声は格別です。曲名は「ピレウスの子供たち」となっています。

<8 Melina Mercouri / Piraeus Children 3分20秒>

更にシルタキとシルトスとの関係について、ウィキペディアに以下のようにありました。
「シルタキ」という名称は、ギリシア語の「シルトス」という語からきている。この語は「(ダンスを)引きずる」という意味の「(σύρω (τον χορό))」というギリシア語に由来するが、クレタ地方の伝統舞踊でいわば”引きずる”ようなスタイルのものをひっくるめて呼ぶ通称として用いられているものであり、飛び跳ねるような動きのあるピズィヒトス (Pidikhtos, πηδηχτός)に対してつけられた名称である。しかしながら、シルタキにはシルトスの要素(ゆっくりした部分)と、ピズィヒトスの要素(速い部分)がともに含まれている。

シルタキのLPのA面も聞きどころが多いので、この後はA面の音源を聞きながらお別れです。
1曲目がクサルハコスのStou Othona Ta Hronia、2曲目がテオドラキスのStrosse To Stroma Sou Gia Duo、3曲目もテオドラキスの曲で、Safti Ti Gitoniaと続きます。もし入れば、4曲目と5曲目のクサルハコスのTha PotissoとHoros Tou Sakena辺りまでおかけします。
私は3曲目のSafti Ti Gitoniaに最初に聞いた時から強く惹かれました。短調好きとしては、わくわくするような曲でした(笑) ぐぐってみると、どうやらギリシアの名女優イレーネ・パパスと、フランスのイヴ・モンタン、「男と女」の主演で有名なジャン・ルイ・トランティニャンが共演した映画の曲のようです。とにかく名曲が多いので、この後もテオドラキスとハジダキスの曲は度々登場する予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<14 intrumental Syrtaki - Stou Othona Ta Hronia>
<14 intrumental Syrtaki - Strosse To Stroma Sou Gia Duo>
<14 intrumental Syrtaki - Safti Ti Gitonia>
<14 intrumental Syrtaki - Tha Potisso>

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2020年8月 7日 (金)

イッサのブズク

クルド人のブズク名手、イッサ・ハッサンはYouTubeチャンネルもあって、動画がたくさんありました。1本目は放送でかけたのとは別トラックですが、ブズクの妙技・妙音を堪能できる演奏です。2本目は最近の映像でしょうか、ラスト旋法のタクシームです。華やかな高音と対照的に、シビれる低音がブズクらしさの要だと思います。曲名ですぐ分かりますが、弾き語りの3本目はいかにもクルド的な一曲。(以下放送原稿を再度上げておきます)

クルドの次は、ギリシアに入りますが、ギリシアの代表的な弦楽器ブズーキに繋がる中東の弦楽器ブズクの演奏がイッサという奏者の盤で出ていますので、こちらを聞いてギリシアに繋げて行きたいと思います。
フランスのArionから出ている「イッサ ブズクの芸術」は仏Arionの世界の楽器シリーズの一枚です。ブズク奏者と言えば、大分前にシリア~レバノンの時にかけました仏Ineditのマタル・ムハンマドが有名ですが、マタル・ムハンマドがジプシー、イッサ・ハッサンはクルドと、ブズクではアラブ人ではないマージナルな民族の名手が目立つ所が興味深いと思います。自作曲を含め、マカームに則った即興を聞かせています。テクニックの切れ味はマタル・ムハンマドほどではないにしても、若々しく熱気溢れるクルド節がたっぷり聞けます。イッサのCDは仏Club du Disque Arabeや彼の自主盤などで数枚出ていました。
この盤の日本語の帯には「ブズーキ」となっていますが、これは間違いで、主にレバノンやシリアで弾かれているブズクのことです。アラブの弦楽器ですから、ブズーキと違って、平均律にない微分音のフレットがあります。

Voyage à travers les maqams (Issa Hassan)


Rast


Issa Hasan - Canê / Kesara Xortê Dilbirîn

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2020年8月 4日 (火)

エラーヒの息子のタンブール

オスタッド・エラーヒの末息子、シャーロフ・エラーヒ氏のタンブール演奏がありました。オスタッド・エラーヒのサイトにアップされていた映像でしょうか? 昨日のサル・ハーニも演奏しているようです。エラーヒの演奏に一番近いのではと思います。昨日のTarz-e-Yari Suiteと言う曲は、神聖な秘伝の曲なのでしょうか。どうしても映像は見つかりませんが、断片のようなタイトルの映像がありましたので、2本目に入れておきます。3本目はTarz-e-Yari のアリ・アクバル・モラディの演奏で、イネディ盤の音源です。確かに同じ曲と分かる曲調です。
水曜はブログを書けないので、火曜ですがアップしておきます。次回放送のコンテンツも出来ているので、今晩収録予定です。Cafeトークトークは所用のため、5~10日と14~16日は夏季休業致します。m(__)m (ブログは木金は書けると思います)

The Art of Tanbour Part I : Exploring the Music of Ostad Elahi (1895-1974)


Tarz


Tarz yari

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2020年8月 3日 (月)

クルドの締めは、エラーヒのSuite Tarz-e Yâriとイッサ

ゼアミdeワールド219回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。PCMレコーダーでの宅録1回目でしたが、無事放送されてホッとしました。クルドの締めだけでなく、次回ギリシアからヨーロッパに入りますので、中東のラストになります。今日の動画はエラーヒのSāru Khāni のみです。Suite Tarz-e Yâriは、youtubeでは聞けなくなっているようです。Sāru Khāniはこの曲の次に入っている曲です。

クルドの音楽の8回目です。今回でクルドのシリーズはラストにしたいと思います。最後にタンブールの巨匠オスタッド・エラーヒの、これまで聞いた中で最高作と思ったA Spiritual Epicから、Tarz-e-Yari Suiteをおかけします。たった2本の弦(1コースは復弦)から出ているとは到底思えない凄い音楽です。18分弱の演奏ですが、特に後半の壮絶な演奏と展開には耳がくぎ付けになりました。

<1 Ostad Elahi / Suite Tarz-e Yâri 17分47秒>

Sāru Khāni Suite


クルドの次は、ギリシアに入りますが、ギリシアの代表的な弦楽器ブズーキに繋がる中東の弦楽器ブズクの演奏がイッサという奏者の盤で出ていますので、こちらを聞いてギリシアに繋げて行きたいと思います。
フランスのArionから出ている「イッサ ブズクの芸術」は仏Arionの世界の楽器シリーズの一枚です。ブズク奏者と言えば、大分前にシリア~レバノンの時にかけました仏Ineditのマタル・ムハンマドが有名ですが、マタル・ムハンマドがジプシー、イッサ・ハッサンはクルドと、ブズクではアラブ人ではないマージナルな民族の名手が目立つ所が興味深いと思います。自作曲を含め、マカームに則った即興を聞かせています。テクニックの切れ味はマタル・ムハンマドほどではないにしても、若々しく熱気溢れるクルド節がたっぷり聞けます。イッサのCDは仏Club du Disque Arabeや彼の自主盤などで数枚出ていました。
この盤の日本語の帯には「ブズーキ」となっていますが、これは間違いで、主にレバノンやシリアで弾かれているブズクのことです。アラブの弦楽器ですから、ブズーキと違って、平均律にない微分音のフレットがあります。
ウスクダラと同じ旋法のMaqam Nahawendと、もっともアラブ的と言われるヒジャーズ旋法の演奏の2曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Nahawend 5分43秒>

<8 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Hidjaz 5分3秒>

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