クルドの締めは、エラーヒのSuite Tarz-e Yâriとイッサ
ゼアミdeワールド219回目の放送、日曜夜10時にありました。5日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。PCMレコーダーでの宅録1回目でしたが、無事放送されてホッとしました。クルドの締めだけでなく、次回ギリシアからヨーロッパに入りますので、中東のラストになります。今日の動画はエラーヒのSāru Khāni のみです。Suite Tarz-e Yâriは、youtubeでは聞けなくなっているようです。Sāru Khāniはこの曲の次に入っている曲です。
クルドの音楽の8回目です。今回でクルドのシリーズはラストにしたいと思います。最後にタンブールの巨匠オスタッド・エラーヒの、これまで聞いた中で最高作と思ったA Spiritual Epicから、Tarz-e-Yari Suiteをおかけします。たった2本の弦(1コースは復弦)から出ているとは到底思えない凄い音楽です。18分弱の演奏ですが、特に後半の壮絶な演奏と展開には耳がくぎ付けになりました。
<1 Ostad Elahi / Suite Tarz-e Yâri 17分47秒>
Sāru Khāni Suite
クルドの次は、ギリシアに入りますが、ギリシアの代表的な弦楽器ブズーキに繋がる中東の弦楽器ブズクの演奏がイッサという奏者の盤で出ていますので、こちらを聞いてギリシアに繋げて行きたいと思います。
フランスのArionから出ている「イッサ ブズクの芸術」は仏Arionの世界の楽器シリーズの一枚です。ブズク奏者と言えば、大分前にシリア~レバノンの時にかけました仏Ineditのマタル・ムハンマドが有名ですが、マタル・ムハンマドがジプシー、イッサ・ハッサンはクルドと、ブズクではアラブ人ではないマージナルな民族の名手が目立つ所が興味深いと思います。自作曲を含め、マカームに則った即興を聞かせています。テクニックの切れ味はマタル・ムハンマドほどではないにしても、若々しく熱気溢れるクルド節がたっぷり聞けます。イッサのCDは仏Club du Disque Arabeや彼の自主盤などで数枚出ていました。
この盤の日本語の帯には「ブズーキ」となっていますが、これは間違いで、主にレバノンやシリアで弾かれているブズクのことです。アラブの弦楽器ですから、ブズーキと違って、平均律にない微分音のフレットがあります。
ウスクダラと同じ旋法のMaqam Nahawendと、もっともアラブ的と言われるヒジャーズ旋法の演奏の2曲を聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<5 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Nahawend 5分43秒>
<8 Issa Hassan / L'art du bouzouk ~Maqam Hidjaz 5分3秒>
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