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2020年8月17日 (月)

ハジダキス特集 日曜はダメよ~スウィートムービー

ゼアミdeワールド221回目の放送、日曜夜10時にありました。19日20時半に再放送があります。よろしければ是非お聞き下さい。今日の動画は「日曜はダメよ」の映画全編と、ホロス・ゼイベキコスが出てくる箇所です。スウィートムービーはまた後日。

ギリシアの2回目になります。今回は本丸的なハリス・アレクシーウの音源をかけようかと思っていましたが、お盆明けにラヂバリスタジオが再開されるようですので、今回は録音が古い音源を取り上げておきます。

前回1960年のギリシア映画「日曜はダメよ」のマノス・ハジダキス作曲の主題歌を、主演女優のメリナ・メルクーリの歌唱でかけましたが、そのサントラ盤は大変に魅力的な音楽で溢れていますので、このギリシア盤を中心に今回はハジダキスの音楽特集にします。
余りに有名な主題曲のインスト演奏から始まりますが、ブズーキア、ホロス・ゼイベキコス、荒野、月の上を散歩しましょう、と5曲抜粋しておかけします。前にトルコの時に出てきたゼイベキコが出て来ますが、その前にバルカン半島一体に見られる舞踊曲の名前、ホロが付いています。バルカン各地のホロやルーマニアのホラのルーツはギリシアにあり、本家のギリシアでは輪舞全般を指すようです。ハジダキスの曲には、他にもハサピコなど、ギリシアの伝統音楽が散りばめられています。
ハジダキスの曲は、いかにも地中海的な底抜けに明るい面と、それとは対照的な翳りを含んだ幾分演歌的に聞こえる部分もあって、日本人にも大変受けが良いのではと思います。荒野という曲は、ギリシアの映画監督テオ・アンゲロプロスの映画を思い出させるものがあるように思いました。

Nunca aos domingos -- Filme completo (Never on Sunday)


<1 Ta Paidia Tou Peiraia 3分23秒>

<3 Bouzoukia 3分2秒>

<4 Horos Zeibekikos 2分>

Pote tin Kyriaki aka Never on Sunday (1960)



<5 Wilderness 2分6秒>

<7 Let's Take A Walk On The Moon 2分30秒>

最後にかけましたLet's Take A Walk On The Moonという曲を、サヴィナ・ヤナトゥというギリシアの女性歌手が歌っていますので、併せておかけしておきます。彼女は90年代に希LyraのPrimavera en Salonico(サロニカの春)でのセファルディの歌で話題になった人ですが、その後主に東地中海各地の音楽において、儚げでリリカルな絶品の歌声を披露してきた歌姫です。1998年リリースの「マノス・ハジダキスの'62年」という盤の1曲目で、絶美の歌声を披露しています。

<1 Pame Mia Volta Sto Feggari 4分33秒>

セルビア出身のドゥシャン・マカヴェイエフ監督の1974年の映画「スウィート・ムーヴィー」の音楽もハジダキスが担当していますので、その甘美で痛々しい主題歌をおかけします。サヴィナ・ヤナトゥも歌っていますが、これからかけますのはサントラ盤のオリジナル音源です。

<9 Ta Paidia Kato Ston Kampo 3分37秒>

70年代的な音楽はとても魅力的ですが、放送では内容を説明できないような(笑)カルト映画として昔から好事家の間で有名な「スウィート・ムーヴィー」ですので、やはり音楽も一風変わった面もありまして、全ての曲をギリシア音楽として紹介するのは難しいのですが、ラストを飾っていた主題歌だけはおかけしておきたいと思います。マカヴェイエフ監督の前作の『WR:オルガニズムの神秘』を見たハジダキスは拍手喝采し、喜んで作曲を引き受けたそうです。児童の合唱が、先ほどの女性独唱とは違う味わいを添えて、この映画を締めくくっています。この名曲を聴きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Ta Paidia Kato Ston Kampo (Chorus) 2分31秒>

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