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2020年10月23日 (金)

オクトエコス(八調)

アトス山のLPで知って驚いたのが、ビザンツ音楽のオクトエコスという音組織で、これを知らずにオコラのビザンツ典礼のCDを聞いていたのかと恥ずかしくなりました。ドローンを聞いてビザンツ音楽らしさを漠然と感じるだけでは入り口に立っただけでしょう。音階構造を検証してみる必要を感じました。

先日の繰り返しになりますが、ビザンツの音楽理論では、オクターブは68の部分に分けられ全音が12、4分の3音が9、半音が7で示され、音階そのものは8つのエコスの体系の中で4つの正格エコスと、4つの変格エコスにまとめられる、とアトスLPにありました。レゲトスは第4エコスから派生したエコスです。

アトスのLPに載っていたオクトエコスごとの音階表を転記しておきます。12平均律的に考えると、何でミとファの間に半音があるのかとか、ドとレの間にもう一つ全音があるのかとか、そこから引っかかってきます(笑) 第4と第5、レゲトスは、音は同じレミファソラシドレですが、plagalが入るかどうかで音の動きが変わってくるのだろうと思います。墓調とも呼ばれる第七調の音階も出ていますが、シから始まるところから特殊な感じに見えます。

plagal=(教会旋法で)変格の, プラガルの, 変格旋法の《1聖歌のような教会旋法で終止音[主音]が音階の中央部に位置する.2下属和音から主和音に進行して楽曲を終止させる》

第1エコス d,9,e,7,f,12,g,12,a,9,h,7,c,12,d
第2エコス c,9,des,12,e,f,g,9,as,12,h,c
第3エコス c,12,d,e,f,g,a,7,b,9,c
第4エコス d,e,f,g,a,h,c,d
第5エコス d,e,f,g,a,h,c,d
第6エコス d,7,es,18,fis,3,g,a,7,b,18,cis,3,d
第7エコス h,7,c,d,e,f,g,a,b
第8エコス c,d,e,f,g,a,h,c
レゲトス d,e,f,g,a,h,c,d

以下は、ウィキペディアのビザンツ聖歌の説明文ですが、アトスLPの解説とオクターブの構成が68と72で異なっています。

八調(はっちょう、ギリシア語: οκτοηχος, 英語: Octoechos)とは、正教会の教会音楽で用いられる八種の音階・音楽パターン・祈祷文をいう。7,8世紀ダマスコの克肖者、聖イオアンが体系化したとされている。ギリシャ語・英語の"οκτοηχος", "Octoechos"は、八調によって構成される祈祷書「八調經(はっちょうけい・八調経)」をも指す。

現在のビザンティン聖歌の運用は、八調(はっちょう…"eight modes"もしくは"eight tones")に従っている。それぞれの調に固有の調性がある。聖使徒フォマ(トマス)の主日の翌月曜日に第一調で始まり、それ以降、週ごとに調が順次変更される。光明週間には、以下のように一日ごとに調が変更される。

主日(日曜日) - 第一調(だいいっちょう、mode 1)
月曜日 - 第二調(だいにちょう、mode 2)
火曜日 - 第三調(だいさんちょう、mode 3)
水曜日 - 第四調(だいよんちょう、mode 4)
木曜日 - 第五調(だいごちょう、mode plagal of the first)
金曜日 - 第六調(だいろくちょう、mode plagal of the second)
土曜日 - 第八調(だいはっちょう、mode plagal of the fourth)

墓調とも呼ばれる第七調は、その重い響きのために八調の中では祭りの時期に相応しく無いために、光明週間からは外されていると考えられる。

ビザンティン聖歌は七つの音階(ギリシア語: "Νη, Πα, Βου, Γα, Δι, Κε, Ζω."、ニ・パ・ヴ・ガ・ディ・ケ・ソ)から構成される。これらの音階は、"Νη"(ニ)の繰り返しを伴いつつ、1オクターブの間隔を占める。この1オクターブ内で、相対的な音高は音階の調によって変化する。現在のビザンティン聖歌理論は1オクターブを72のモリア(moria)に分割している。従って西欧音楽における全音は12モリアから構成されることとなり、半音は6モリアから構成されることとなる。

Mysteries of the Christian East: Byzantine Chant: The Ochtoechos


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