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2020年10月28日 (水)

「第4のモード」とビザンツ聖歌の第4エコス

希Orataのビザンティンの世俗音楽シリーズの第一集(Byzantine Secular Classical Music, Vol. 1)3枚組の分売と思われるAnthology of Byzantine Secular Music, Vol 1の1曲目、The Lampadarios: Pleasant, Sweet, Instrumental And Pagan. Fourth Modeには、「第4のモード」と「ペイガン(異教の)」という表記がありまして、第4のモードと言うのがビザンツ聖歌の第4エコスと同じかどうか、それとペイガンの真意は?、と言うのが今週一番気になる点です。と言う訳で、ビザンティンの世俗音楽シリーズの第一集の1曲目と、オコラのギリシア正教の音源の第4エコスを並べてみます。第4エコスの音階は、d,e,f,g,a,h,c,dでした。前者は大らかな長調系、後者は最初短調系の音の動きで始まり段々晴れてきます。同じ旋法に聞こえますでしょうか?(下の方に放送原稿を再度)

The Lampadarios: Pleasant, Sweet, Instrumen


Tu es bénie entre toutes les femmes (4e mode)


ギリシアのOrataから出ていたビザンティンの世俗音楽シリーズについて、1990年の前半だったと思いますが、私が六本木ウェイブのクラシックコーナーに勤務している時に、この第一集を中心にバルカン~ロシアの音源で企画を組んだことがあります。ちょうどベルリンの壁が崩壊し、東欧革命が進んでいる頃で、ソ連崩壊前夜という時期でしたから、「東方・東欧からの風」というタイトルを付けたように記憶しています。フリストドゥーロス・ハラリスの演奏は、1000年以上続いたビザンツ帝国の時代を髣髴とさせるような大らかな響きがありましたが、その背景にはビザンツの典礼音楽と共通する精妙な音程感覚が潜んでいたのだろうと思います。しかし第一集以降も、とめどもなくリリースが続き、ビザンツの音楽理論まで理解が及ばない日本のリスナーには、かなりヘビーなシリーズだったと思います。
フリストドゥーロス・ハラリス Christodoulos Halaris (Χριστόδουλος Χάλαρης)は、1946年生まれで2019年に亡くなったギリシアの作曲家で音楽学者です。ギリシア中世のビザンツ音楽や古代ギリシアの音楽の解釈で広く知られ、まだ五線譜がなかった頃のネウマ譜から考証・復元されたビザンツ時代の世俗音楽には、トルコの場所が11世紀に「トルコ化」する前のアナトリアの音楽も入っていたのだろうと思います。
30年ほど経った現在、手元にCDは残っていませんでしたが、アップルミュージックにはこのシリーズが色々ありました。何故かビザンティンの世俗音楽シリーズの第一集(Byzantine Secular Classical Music, Vol. 1)は見当たりませんが、この3枚組の分売と思われるAnthology of Byzantine Secular Music, Vol 1がありましたので、1曲目のThe Lampadarios: Pleasant, Sweet, Instrumenをおかけします。元の3枚組では、Pleasant, Sweet, Instrumental And Pagan. Fourth Mode Composed By – Chryssafis, The "Lampadarios"*となっていた曲です。

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