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2020年12月25日 (金)

ペロポネソスの話

3+2+2の特徴的な7拍子の舞曲カラマティアノスは、本土のいたるところで見ることが出来るようです。3拍子の最初がちょっと長くなっているとイメージすれば分かり易いでしょうか。カラマティアノスの動画は、1本目がダラブッカでのリズム解析、2本目はブズーキでの演奏です。キング盤に入っていたのは、中央部の南に突き出たペロポネソス半島の音源でした。
ペロポネソスと言えば、オリンピア、スパルタ、コリントなど、オリンピックや新約聖書関係の名所が点在している半島です。中央部のアルカディアは、桃源郷のイメージで見られることのある地方です。その南に位置するスパルタは、スパルタ教育の名で後世に残っていますが、ペルシア戦争の後で起こった紀元前5世紀のペロポネソス戦争の際は、スパルタ中心のペロポネソス同盟が、アテネ中心のエーゲ海の諸ポリスのデロス同盟と対立し、30年近く戦争が繰り広げられスパルタ側が勝利。アテネ敗戦の責任を問われ、名高い「ソクラテスの弁明」を行った後、哲学者ソクラテスはドクニンジンで毒殺されました。対話篇「ソクラテスの弁明」を著した弟子プラトンの死後、ギリシア全体が疲弊していくのを見兼ねてか、プラトンの弟子のアリストテレスは故郷マケドニアに帰り、アレクサンダー大王の家庭教師になります。カイロネイアの戦いでギリシアとの戦争に勝ち、アレクサンダー大王以降のマケドニアの大帝国樹立~ヘレニズムの時代に入ります。哲学の役割の大きさと、ペロポネソスが歴史の転換点になったことを物語るエピソードです。

Introduction to Greek Kalamatianos

GREEK KALAMATIANOS (feat. MAKIS MAVROPOULOS)


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