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2021年1月18日 (月)

ブルガリアの女声合唱 今後のルート

ゼアミdeワールド243回目の放送、日曜夜10時にありました。20日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。ラヂバリスタジオが感染拡大防止のため今週からしばらく使用禁止になりましたので、久しぶりに宅録しております。もう新品では入手が難しいようで、動画はJVCの1枚目が丸々上がっていました。

今回からブルガリアに入ります。その後は、マケドニア、アルバニア、モンテネグロ、ボスニア、セルビア、クロアチア、スロヴェニア、ルーマニア、ハンガリー、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ドイツ、オーストリア、スイス、ベルギー、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、イギリス、アイルランド、北フランス、南フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルの順で予定しております。ここまでのヨーロッパ巡りで早くても2,3年はかかるのではと思っております。その後は、ジブラルタルを渡りモロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビア、南エジプトと来て、イエメンからアラビア半島に渡り、その後はパキスタン、インド周辺、東南アジア、東アジア、北アジア方面に向かう予定です。ブラック・アフリカと南北アメリカ、オセアニアは、その後になりますが、何年先になるか予測が付きません。

ブルガリアの音楽、特にブルガリアン・ヴォイスと称された女声合唱ですが、パキスタンのカッワーリやモンゴルのホーミー等と並んで、1980年代半ば辺りからのワールドミュージック・ブームを牽引した音楽というイメージがあります。私はその少し前の80年代前半に日本の芸能山城組の歌唱で聞いていましたが、本場ブルガリアの録音が出回りだしたのは、その少し後の4ADの盤だったように記憶しています。4ADと言えば、80年代のニューウェーヴ~インディーズのレーベルとして有名で、80年代前半はそちらの音楽の方に強く耳が向いていたので、その1986年に4ADから出た『神秘の声(Le Mystère des Voix Bulgares)』もいち早く耳にしていました。しかし天の邪鬼なもので、流行りだすとそっぽを向いてしまう傾向がありまして(笑)、それ以降も正直ブルガリアン・ヴォイスをよく聞いていた訳ではないのですが、ビクターJVCのワールドサウンズの数枚などは聞きました。4AD盤は、スイスの音楽プロデューサー、マルセル・セリエが15年かけて集めたブルガリアの民族音楽集成で、バウハウスのピーター・マーフィーからの薦めがあって4ADの創設者であるアイヴォ・ワッツ=ラッセルがリリースを即決したそうです。イギリスのニューウェーヴバンド、バウハウスも当時よく聞いていたので、その影響もありました。

今回おかけするのは1988年の来日公演を収めたビクターJVCのワールドサウンズの「ブルガリアン・ポリフォニー 1」で、フィリップ・クーテフ・ブルガリア国立合唱団の演奏です。まずは3曲目まで続けてどうぞ。

<1 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Jsnala E Dilber Jana 1分41秒>
<2 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Prituri Se Planinate 4分44秒>
<3 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Pilenze Pee, Govori 2分23秒>
Philip Koutev National Folk Ensemble - Bulgarian Polyphony, Vol.1

1曲目はジュヌラ・エ・ディルベル・ヤナと言う収穫の歌、2曲目の「母の愛は何にもまして強い」と歌うプリトュリ・セ・プラニナタはトラキア地方の歌、3曲目のピレンツェ・ペエ・ゴボリ(ピレンツェの歌)はCMにも使われて、ブルガリアン・ヴォイスのブームの火付け役になった曲でした。「憂鬱な時があっても、ほんの小さな幸せを見逃さないようにと小鳥が教えてくれた」と歌われています。ブルガリアン・ヴォイスと言うと、地声で不協和音が多いイメージが強いかと思います。この曲も高い音での鋭いコブシと、二度の音程の強烈な不協和音が鳥のさえずりを模しているようです。歌っているのは、当時最高の歌手と言われたナダカ・カラジョバさんです。

次にブルガリアの伝統楽器のみによる器楽アンサンブルの演奏を一曲おかけしておきます。バグパイプのガイーダ、縦笛のカヴァル、擦弦楽器のガドゥルカ、撥弦楽器のタンブーラ、両面太鼓のタパンの5人編成で、曲はショプ地方の舞曲ホロです。

<5 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Shopsko Horo 3分57秒>

次は女声合唱と伝統楽器アンサンブルが一緒に演奏している曲で、レチコ・スタピャイ(踊り上手になるには)と言う曲をどうぞ。

<7 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Lechko Stapjai 2分15秒>

次に、この盤ラストの15曲目曲ですが、ノーカットでかけたいので、ここでおかけしておきます。タイトルのPirinski Pesniとは「ピリン地方の歌」と言う意味で、ロシア語で歌はペスニャと言いますが、ブルガリア語も同じスラヴ系の言葉ですから、このようにそっくりな単語があります。7拍子の部分があったり、最後はトルコ的な旋律が出てきたりの起伏に富んだ曲で、オスマン帝国に入っていた時期が長かったことを思い出させます。

<15 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Pirinski Pesni 4分>

では最後に12曲目のDimjaninka(ディミャニンカの水鏡)を聞きながら今回はお別れです。村の娘ディミャニンカが水面に我が身を映して「もっと美しくなりたいな」と歌っていますが、微分音程を含む旋律は、ビザンツ帝国の音楽の名残りと言われます。先ほどのPirinski Pesniは、ブルガリア南西部ピリン地方出身のビスロ姉妹が歌っていましたが、この曲も小編成で6人の歌唱です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<12 BULGARIA Bulgarian Polyphony [#1]  Dimjaninka 1分45秒>

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