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2021年2月

2021年2月26日 (金)

南スラヴらしい歌 Одзолу иду връцка колцаとПотайно Рада годия

247回目の放送のラストにかけた歌もの2曲も、米Smithsonian Folkwaysの60~70年代の音源以外で見つかりました。Одзолу иду връцка колцаの方は、Smithsonian Folkways盤と同じお二人(Kremena Stancheva & Vasilka Andonova)の、おそらく割と最近の映像でしょう。少し節や歌い方が変わってきているのが聞き取れます。Потайно Рада годияは、ノンサッチ・エクスプローラーの音源かと思いますが、最近のCDのシリーズからは外れているLPの頃の音源かも知れません。これはSmithsonian Folkwaysの録音とおそらく同じで、この茫洋とした節回しを聞くと、どうしてもタルコフスキーが映画「ノスタルジア」とかに使った本当のロシア民謡を思い出してしまいます。それぞれSmithsonian Folkwaysの音源と並べておきます。(以下放送原稿を再度)

歌ものをかけていませんでしたので、若い女性歌手二人を器楽が囃し立てる明るく溌溂とした1枚目22曲目のПушка пукна / Одзолу иду връцка колцаを、まずおかけします。その後で女性二人の交唱の民謡Потайно Рада годияを聞きながら今回はお別れです。ロシアの本当の民謡にも似た、茫洋とした感じのスラヴらしい歌です。

Кремена Станчева и Василка Андонова -Оздол иду връцка колца

Pushka pukna / Ozdolu idu vratska koltsa (A rifle fired / Up comes a rolling cart)

Потайно Рада Годия

Potaino Rada godiya (Rada was secretly engaged)

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2021年2月24日 (水)

再びトリテ・プチ

前回のЖална горо(ジャルナ・ゴーロ)も、今回のТропанка(トロパンカ)はもちろんТрите пъти(トリテ・プチ)も、かなり動画が見つかります。3曲とも現地ではよく知られている曲と言うことなのでしょう。トリテ・プチの映像で、インストのみの演奏で楽器がよく見えるものがありました。左からガイーダ、タパン、アコーディオン、カヴァル、アコーディオンです。タパンは現物は見たことがありませんが、ドラム・セットのバスドラを抱えて叩いているようにも見えます。それ程低音は出てないので、大きいだけでしょうか。音色はカフカス・ドラムに少し似ています。2本目は先日とは別のトリテ・プチのダンス映像です。

Трите пъти - Народна песен инструментал

 

ТРИТЕ ПЪТИ - SOUTH BULGARIA

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2021年2月22日 (月)

トロパンカ тропанка

ブルガリアのフォークダンスに戻ります。トロパンカですが、日本コロムビアのLP「世界のフォークダンス 東欧編」に入っていたのと同じ旋律は、なかなか見つからない感じですが、原語のтропанкаで検索すると夥しい数の映像が出てきます。農村の素朴な踊りの印象がありますが、調べてみると「ブルガリア北東部のドブルジャ地方のフォークダンスで、2/4拍子の音楽に合わせて、顔を合わせて、手をつないでラインまたは弧を描いて踊ります。もともとは男性の踊りでしたが、現在は男女混合で行われることが多いです。」とありました。大体想像通りです。このLPの冒頭に入っているので、変拍子ではなくてもなかなか印象的で、80年代に人気のあった3ムスタファズ3などが演奏したら案外面白いかもと当時思ったものでした。

Кичка Христова- Кичина тропанка

АНМБ,,Силистр,,Доброж.тропанка.1989г

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2021年2月19日 (金)

コロブチカとマイム・マイム

ブルガリア特集中ですので、トロパンカを入れるべきですが、やっぱりコロブチカは最強。懐かし過ぎて涙が出ます(笑) 放送でかけたのと同じで、「魔法使いサリー」に使われた音源で間違いないでしょう。録音は1962年のようで、時期的にも一致します。日本のフォークダンス版トロパンカは見当たらないので、イスラエルのフォークダンス、マイム・マイムを代わりに上げておきます。最強の2曲です。トロパンカは、また来週。(以下放送原稿を再度)

この盤からもう一曲、ロシア民謡になりますが、コロブチカもおかけしておきます。原曲は19世紀の詩人ネクラーソフの長編詩に旋律が付けられ民謡化した「行商人」(コロベイニキ)です。1960年代末頃のアニメーション「魔法使いサリー」の学芸会のフォークダンスのシーンでかかっていたのは、この演奏ではないかと常々思っておりました。個人的に、古き良き昭和40年代を思い出す演奏です。

 
「コロブチカ」 フォークダンス 1962

「マイム・マイム」 フォークダンス 1960

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2021年2月18日 (木)

ドブルジャのホロ 他

ゼアミdeワールド247回目のネットラジオでの放送、水曜夜8時半にありました。ラジオでは14日22時にも放送されました。21日22時と24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はドブルジャのホロだけにしておきます。フォークダンスと歌ものは、それぞれまた後日。

今回からスタジオ収録に戻りました。ブルガリアの5回目は前回に続いて、数年前に民族音楽の名門レーベルSmithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から抜粋してご紹介したいと思います。前回は選挙特番が22時からあったため21時に放送が急遽変わりまして、聞けなかった方もいらっしゃるのではと思いますので、この盤について再度少し解説しておきます。
CD2枚組と図鑑のような豪華な本が付いたセットで、ポリフォニーばかり紹介されがちなブルガリア音楽に、大きな一石が投じられたという印象を持ちました。編曲されてない民謡や器楽そのものの貴重な録音です。
ニューヨークのバルカン・アーツ・センター創設者でもあるマーティン・ケーニッヒ(Martin Koenig)がカメラとポータブル・レコーダーを携え、1966年から1979年の10数年の間、6度に渡りブルガリアを旅行し、その当時まだ活気に満ちていた伝統文化継承の様子を収め、絶滅の危機に瀕していた希少な文化を捉えています。今では工業技術の発達やグローバル化によって完全に消滅してしまったと言われるブルガリアの生活様式を、視覚/聴覚から追体験することができる内容に仕上がっています。前回8曲かけましたが、今回は予定していた残りの3曲からご紹介します。

2枚目の6曲目はルーマニアに近いブルガリア東北部ドブルジャ地方のホロです。擦弦楽器はヴァイオリンかガドゥルカか、判断が難しく聞こえます。

<2-6 Добруджанско хоро ドブルジャ地方のホロ 3分30秒>
Dobrudzhansko horo (Dobrudzhan dance)

7曲目のトロパンカは、日本ではブルガリアのフォークダンス曲としてある程度知られているようですが、もちろん一つの旋律ではなく、たくさんのトロパンカが存在します。倍音成分が多く聞こえるので、共鳴弦の付いたガドゥルカの独奏だと思います。

<2-7 Тропанка トロパンカ 2分31秒>

トロパンカの比較で、74年に日本コロムビアから出ていたLP「世界のフォークダンス 東欧編」から、トロパンカをおかけします。日本で知られているトロパンカの旋律はこの曲だと思います。

<フォーク・ミュージック・アンサンブル / トロパンカ 2分20秒>

この盤からもう一曲、ロシア民謡になりますが、コロブチカもおかけしておきます。原曲は19世紀の詩人ネクラーソフの長編詩に旋律が付けられ民謡化した「行商人」(コロベイニキ)です。1960年代末頃のアニメーション「魔法使いサリー」の学芸会のフォークダンスのシーンでかかっていたのは、この演奏ではないかと常々思っておりました。個人的に、古き良き昭和40年代を思い出す演奏です。

 
<フォーク・ミュージック・アンサンブル / コロブチカ 3分>

「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」に戻りまして、2枚目11曲目のトリテ・プチという曲は「3回」と訳が出て来ました。バグパイプとタパンのデュオのようですが、前回のカバガイーダ・オーケストラのように同じ始まり方をしています。エネルギッシュな演奏です。

<2-11 Трите пъти 3回 4分46秒>

歌ものをかけていませんでしたので、若い女性歌手二人を器楽が囃し立てる明るく溌溂とした1枚目22曲目のПушка пукна / Одзолу иду връцка колцаを、まずおかけします。その後で女性二人の交唱の民謡Потайно Рада годияを聞きながら今回はお別れです。ロシアの本当の民謡にも似た、茫洋とした感じのスラヴらしい歌です。
今回併せてかけようと思っていたブルガリアGegaの現地盤「トラキア民謡アンサンブル」は、次回に回します。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-22 Пушка пукна / Одзолу иду връцка колца 2分14秒>
<1-14 Потайно Рада годия 5分48秒>

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2021年2月17日 (水)

Жална гороとБогомилы

月曜のТрите пъти(トリテ・プチ)は247回目の曲ですので次回に回しまして、前回のЖална горо(ジャルナ・ゴーロ)と言う曲ですが、グーグルの翻訳にかけているので正しいかどうか分かりませんが、「惨めな森」とありました。「哀れな」でも良いのかも知れません。別のクリップにはЖална горо, жал ми е на тебеと、歌詞の一部か正式名称らしき表記がありました。森に対して詫びているような内容のようです。Smithsonian Folkwaysの「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」では、女性の独唱をブルガリアの擦弦楽器ガドゥルカが伴奏していましたが、やはり類似の編成が多いようです。他の楽器が入っても、トレモロの持続音がほとんどのようです。日本の民謡をどうしても思い出してしまう歌で、1本目のソリナ・ボゴミロヴァの歌唱のようにフリーリズムでコブシを回していると、やはり追分に似て聞こえて仕方ないです。米Smithsonian Folkways盤の歌手はBozhurka Tupankovaでした。2本目はМартина Дибекова - 13 г - Жална гороとあります通り、13歳のマルティナ・ディベコヴァの独唱ですが、節が違います。同名曲で色々節があるのでしょうか? 
もう一つ、Богомилова=ボゴミロヴァの頭のБог=ボグは、ロシア語では「神」の意味で、ブルガリア語でも同じですので、何か神職関係の人なのか、あるいはブルガリアを中心にバルカン半島で信仰されたキリスト教の一派で異端のボゴミール派=Богомилыと関係があったりするのか気になります。

Сорина Богомилова – Жална горо

Мартина Дибекова - 13 г - Жална горо

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2021年2月15日 (月)

Трите пъти

14日22時の本放送は、今治市内のラジオでは放送されましたが、ネットラジオの方はネットワークトラブルのため流れませんでした。水曜は大丈夫かと思いますが、まだ不安定なようでメンテナンスが続いているそうです。10日もサイマルラジオのメンテナンスで流れませんでした。こういう状態が続いていますので、14日分を17日,21日,24日の3回、放送されるようにお願いしました。従いまして、放送後のブログは木曜の予定です。

ネットラジオではまだかかっていませんが、Smithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から、Трите пътиと言う曲が一部で好評でした。こんな曲という事で、動画を上げておきます。南ブルガリアの踊りのようです。

 

ТРИТЕ ПЪТИ - SOUTH BULGARIA

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2021年2月12日 (金)

Батьовата бълдъзка Batyovata baldazka

もう一曲、特に気になったのがБатьовата бълдъзка(バトオヴァータ・ブルドスカ Batyovata baldazka)と言う曲で、グーグルの翻訳では「コウモリのいじめっ子」と言う、不思議な訳が出てきましたが(笑)、YouTubeの英訳ではBig brother’s sister-in-lawとありました。編成はカヴァル、タパン、アコーディオンでしょうか、一聴で耳に残ったとても印象的な曲です。後で出てくるトロパンカのリズムに聞こえましたが、どうでしょうか? 原語で検索したら何も出ませんでしたが、ローマ字表記のBatyovata baldazkaでは、2つ見つかりました。Baldazka/Horoとあるので、ホロかと思いましたが、こちらには「バルドゥズカは西トラキア地方の小さい町シビレングラド周辺の村で踊られている」とありました。

The House Band - Baldazka/Horo - from Stonetown

Baldazka, Bulgaria, tutorial di Juancarlos Battilani

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2021年2月11日 (木)

羊飼いのメロディ Овчарска мелодия

246回目の放送は、7日の本放送が選挙特番のため21時に繰り上がり、10日の再放送はサイマルラジオのメンテナンスのため、ネットラジオでは放送されませんでした。聞かれた方が少なかったかも知れません。247回目もSmithsonian Folkwaysの「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」を取り上げましたが、後半中心の5曲でした。

246回目でかけたこの盤冒頭のカヴァルによる「羊飼いのメロディ」は、原語のОвчарска мелодия(オヴチャルスカ・メロディヤ)で検索すると色々出て来ました。節回しを聞いて一番ビビッと来たのは1本目で、本当に尺八を聞いているかのような詫び寂び感があります。「南部牛追い唄」の尺八のような詠嘆系ではありませんが、森林浴しているかのような「津軽山唄」の尺八と錯覚しそうです。2本目は最近の映像のようですが、実際に羊に囲まれてこの笛が吹かれている様は、長閑で最高の景色です。このカヴァル奏者は、ガイーダを吹いている映像もありました。カヴァルを吹ければ、ガイーダも行けるということでしょうか。

Васил Милев - Vasil Milev - Овчарски мелодии - Shepherd's melodies

"ОВЧАРСКА МЕЛОДИЯ"_Христо Коритаров - Тинко

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2021年2月10日 (水)

ブルガリアのホロ

Smithsonian Folkwaysの「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」は、女声合唱ばかり紹介されがちなブルガリア音楽に、特大の一石が投じられた感がありました。アメリカの名門レーベル、スミソニアン・フォークウェイズの本気を感じました。売り切れのため図鑑のような解説を確認できてないのが残念です。放送でかけた曲の後半は、舞曲のホロが目立ちました。(以下放送原稿を再度)

ブルガリア語からの翻訳では23曲目は「右のホロ」と出て来ましたが、ガドゥルカとおそらくツィンバロム系の打弦楽器の忙しい二重奏です。

<1-23 Право хоро 右のホロ 2分9秒>
Pravo horo (Straight dance)

2枚目の1曲目のスィートナは、翻訳では「小さな」のような意味のようですが、この曲はルーマニア南部ワラキアの音楽に似て聞こえます。

<2-1 Ситно 小さい 1分56秒>
Sitno (Tiny step)

3曲目のパラスカという曲に至ってはストリップと訳が出て来ましたが(笑)、クラリネット、ガドゥルカ(あるいはヴァイオリン)、タパンがメインの、おそらくジプシー音楽ではないかと思いました。

<2-3 Полоска ストリップ 3分52秒>
Poloska

4曲目の比較的長いホロでは、アコーディオンとおそらくヴァイオリンの一糸乱れぬユニゾンが見事です。

<2-4 Хоро ホロ 4分28秒>
Horo

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2021年2月 8日 (月)

Sound portraits from bulgaria a journey to a vanished world

ゼアミdeワールド246回目の放送、日曜夜9時にありました。選挙特番のため、今回は1時間早くなりました。10日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画は4曲目までにしておきます。

ブルガリアの4回目は、数年前に民族音楽の名門レーベルSmithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から抜粋してご紹介したいと思います。CD2枚組と図鑑のような豪華な本が付いたセットで、ポリフォニーばかり紹介されがちなブルガリア音楽の、編曲されてない民謡や器楽そのものの貴重な録音です。
ニューヨークのバルカン・アーツ・センター創設者でもあるマーティン・ケーニッヒ(Martin Koenig)がカメラとポータブル・レコーダーを携え、1966年から1979年の10数年の間、6度に渡りブルガリアを旅行し、その当時まだ活気に満ちていた伝統文化継承の様子を収め、絶滅の危機に瀕していた希少な文化を捉えています。今では工業技術の発達やグローバル化によって完全に消滅してしまったと言われるブルガリアの生活様式を、視覚/聴覚から追体験することができる内容に仕上がっています。
売り切れて現物が手元にないため、その豪華本は参照できていませんので、解説は最小限にしてデータから沢山かけたいと思います。11曲用意していますが、入らない曲は次回に回して、ブルガリアGegaの現地盤「トラキア民謡アンサンブル」などと併せてご紹介したいと思います。

まずは1枚目の1曲目、縦笛カヴァルの独奏で、「羊飼いのメロディ」からどうぞ。尺八を聞くかのような詫び寂び感と、東欧らしいエキゾチックさが入り混じって聞こえます。

<1-1 Овчарска мелодия 羊飼いのメロディ 3分5秒>
Ovcharska melodiya (Shepherd’s melody)

翻訳では「コウモリのいじめっ子」と出てくる8曲目のバトオヴァータ・ブルドスカと言う曲を次におかけします。(動画での英訳はBig brother’s sister-in-lawになっていました)編成はカヴァル、タパン、アコーディオンでしょうか、一聴で耳に残ったとても印象的な曲です。後で出てくるトロパンカのリズムに聞こえましたが、どうでしょうか?

<1-8 Батьовата бълдъзка コウモリのいじめっ子? 1分57秒>
Batyovata baldazka (Big brother’s sister-in-law)

ギリシアから始まる舞曲のホロはブルガリアでも頻繁に出て来ますが、次の曲は結婚式のホロです。

<1-9 Булчинско хоро 結婚式のホロ 2分16秒>
Bulchinsko horo (Bride’s dance)

翻訳ソフトにかけているので正しいかどうか分かりませんが、「惨めな森」とあった1枚目の20曲目を次におかけします。女性の独唱をブルガリアの擦弦楽器ガドゥルカが伴奏しています。

<1-20 Жална горо 惨めな森 4分4秒>
Zhalna goro (Oh, sad forest)

ブルガリア語からの翻訳では23曲目は「右のホロ」と出て来ましたが、ガドゥルカとおそらくツィンバロム系の打弦楽器の忙しい二重奏です。

<1-23 Право хоро 右のホロ 2分9秒>

2枚目の1曲目のスィートナは、翻訳では「小さな」のような意味のようですが、この曲はルーマニア南部ワラキアの音楽に似て聞こえます。

<2-1 Ситно 小さい 1分56秒>

3曲目のパラスカという曲に至ってはストリップと訳が出て来ましたが(笑)、クラリネット、ガドゥルカ(あるいはヴァイオリン)、タパンがメインの、おそらくジプシー音楽ではないかと思いました。

<2-3 Полоска ストリップ 3分52秒>

4曲目の比較的長いホロでは、アコーディオンとおそらくヴァイオリンの一糸乱れぬユニゾンが見事です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<2-4 Хоро ホロ 4分28秒>

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2021年2月 5日 (金)

Bulgarian Kaba Gaida

昨日の動画でピストルを撃っていた古老は、このサムネイルの老人でしょうか? それがとても気になります。週末ですので、長尺の一本を上げておきます。やはり演奏風景を見たいもので後回しになりましたが、カバガイーダと検索すると必ず出てくる映像です。このバグパイプがロドピの人々の暮らしの中でいかに大きな役割を果たしているか、分かる映像です。

2 Hours of Pure Magic - Bulgarian Kaba Gaida

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2021年2月 4日 (木)

Магията на родопската каба гайда

カバガイーダの比較的大きな編成の合奏映像がありました。昨日の2本もですが、今日の映像でも同じ所作と同じ音の連なりから始まっています。曲は「ガイーダ響鳴」に入っていたどれかと同じではないかと思いますが、同じ音階の変奏のように聞こえて、なかなか区別が難しいように思います。真ん中辺りで女性の独唱と和する部分があって、これは聞きどころです。女性が再びガイーダ吹奏に戻る際、再度同じ所作と同じ音の連なりから始まります。さぞかし大音響なのでしょう、客席では耳栓をする人が見えます(笑) 古老が2度上に向けて撃つピストルには、どういう意味が込められているのでしょうか? Магията на родопската каба гайдаの読みは、マギヤータ・ナ・ロドプスカタ・カバガイーダで良いと思いますが、意味は「ロドピバグパイプの魔法」と翻訳で出ました。

Магията на родопската каба гайда

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2021年2月 3日 (水)

カバガイーダ

バグパイプは触ったことがないので構造についてよく知りませんが、1本目の映像で見る限り、低音の持続音(ドローン)を出していると思われる長い管が、最初は上に上がっていて、下げることでドローンが安定して出ているようです。その一連の動きで、例の4つないしは間の2つを抜いた上下2つの音の並びが出るようです。「ガイーダ響鳴」では、ほとんど全ての曲が、この音の組み合わせから始まっていました。
バグパイプは素晴らしい音色ですが、動物好きとしては、明らかに羊と思われる革袋を見るのは悲しいものがあります。羊の命と引き換えに、野外でも朗々と響き渡る妙音を得ていて、それを羊飼いが吹いて羊を集めているというのは、何か輪廻転生を感じさせる風景です。1本目がカバガイーダのデュエット、2本目はスコットランドのバグパイプ(笛の部分のみ?)でブルガリアのロドピ地方の曲を吹いているようです。

2 Каба гайди - Родопска сюита / 2 Kaba gaidi - Rodopska suita

Rhodope music in Scottish woods

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2021年2月 1日 (月)

ガイーダ(バグパイプ)・オーケストラ

ゼアミdeワールド245回目の放送、日曜夜10時にありました。3日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。JVCと同じ音源の動画は余り見当たらず、ソロのものだけ見つかりました。大編成は、代わりに333人の大オーケストラの演奏を入れておきます。

合唱が続きましたのでブルガリアの3回目は、バグパイプ・オーケストラの音源をご紹介します。ビクターJVCワールドサウンズの一枚「ガイーダ響鳴」という盤ですが、民族音楽を長年聞いてきて特に驚いた音源の一つです。最初の音が鳴った瞬間、何だこれは!と驚きの声を発してしまう程でした。演奏しているのは、ブルガリア南部ロドピ地方のカバガイーダのアンサンブルです。カバガイーダとは、一般のブルガリアのガイーダより一回り大きな「ガイーダの王者」と呼ばれるほどのバグパイプです。
複数の音が折り重なるポリフォニーと単旋律のモノフォニーはよく知られていると思いますが、このバグパイプ・オーケストラは微妙にピッチ(音高)の違う音が同時に鳴っているヘテロフォニーの一種と言えるのではと思います。すぐ思い出したのが、日本の木遣り歌や雅楽でした。CDの音では限界がありますが、実際に野外で聞くと、大気を振動させるような大音量で、ドローンは腹の底に響くような低音だそうです。
次々と旋律が変わる舞曲を含むメドレー形式の器楽曲をシュイタと呼びますが、1曲目の「大アンサンブルによるロドピのシュイタ」と、2曲目の「2台のカバガイーダの競演」を挟んで、3曲目の「シロカラカのシュイタ」までを続けてどうぞ。

<1 Rodopi Gaida Suita (Large Ensemble) 5分49秒>
<2 Kaba Gaida Contest 2分8秒>
<3 Shirokalaka Gaida Suita 4分37秒>
333 Bagpipes playing for the World Guinness Records - Sofia, Bulgaria

次の4曲目には、カバガイーダの独奏が入っています。ポサニーツァと言うロドピ地方の踊りの音楽を超絶技巧を交えて演奏しています。

<4 Rodopi Posadnitsa 2分31秒>
Rodopi Posadnitsa (kaba gaida solo)

6曲目の「羊よ」と言う曲では、女性の独唱を一本のカバガイーダが伴奏しています。追分のような細かい節回しに付いていくところは、日本の尺八伴奏の追分などの民謡を思い出させます。

<6 Ovnyolyo Vakal Ramatan 1分43秒>

一曲だけギリシアに戻って、ギリシアのバグパイプ、ツァンブーナの演奏を比較で入れておきます。ギリシア各地のバグパイプを特集したイギリスTopic Recordsの音源で、ギリシア・シリーズでかけようかと思って、かけられなかった曲です。'Tsiftetelli'のタイトル通り、レクと思われる枠太鼓がオリエンタルなリズムで囃し立てています。この盤には、ハサピコ、ペントザリス、スースタなどの有名な舞曲も入っています。

<6 'Tsiftetelli' 3分21秒>

では最後に5曲目に入っているベテランの長老たちのアンサンブルによるドスパットのシュイタを聞きながら今回はお別れです。ベテランらしい音の立った名演だと思います。ドスパットとは、ロドピ地方の町の名前です。これまでの曲を聞いてお分かりかと思いますが、全ての曲が同じ4つ、ないしは間の2つを抜いた上下2つの音の並びから始まっています。津軽三味線で曲の最初に3つの弦の同じ音を弾くように、これはバグパイプの調子を合わせるためでしょうか?

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<5 Dospat Gaida Suita 2分36秒>

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