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2021年2月18日 (木)

ドブルジャのホロ 他

ゼアミdeワールド247回目のネットラジオでの放送、水曜夜8時半にありました。ラジオでは14日22時にも放送されました。21日22時と24日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はドブルジャのホロだけにしておきます。フォークダンスと歌ものは、それぞれまた後日。

今回からスタジオ収録に戻りました。ブルガリアの5回目は前回に続いて、数年前に民族音楽の名門レーベルSmithsonian Folkwaysから出た「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」から抜粋してご紹介したいと思います。前回は選挙特番が22時からあったため21時に放送が急遽変わりまして、聞けなかった方もいらっしゃるのではと思いますので、この盤について再度少し解説しておきます。
CD2枚組と図鑑のような豪華な本が付いたセットで、ポリフォニーばかり紹介されがちなブルガリア音楽に、大きな一石が投じられたという印象を持ちました。編曲されてない民謡や器楽そのものの貴重な録音です。
ニューヨークのバルカン・アーツ・センター創設者でもあるマーティン・ケーニッヒ(Martin Koenig)がカメラとポータブル・レコーダーを携え、1966年から1979年の10数年の間、6度に渡りブルガリアを旅行し、その当時まだ活気に満ちていた伝統文化継承の様子を収め、絶滅の危機に瀕していた希少な文化を捉えています。今では工業技術の発達やグローバル化によって完全に消滅してしまったと言われるブルガリアの生活様式を、視覚/聴覚から追体験することができる内容に仕上がっています。前回8曲かけましたが、今回は予定していた残りの3曲からご紹介します。

2枚目の6曲目はルーマニアに近いブルガリア東北部ドブルジャ地方のホロです。擦弦楽器はヴァイオリンかガドゥルカか、判断が難しく聞こえます。

<2-6 Добруджанско хоро ドブルジャ地方のホロ 3分30秒>
Dobrudzhansko horo (Dobrudzhan dance)

7曲目のトロパンカは、日本ではブルガリアのフォークダンス曲としてある程度知られているようですが、もちろん一つの旋律ではなく、たくさんのトロパンカが存在します。倍音成分が多く聞こえるので、共鳴弦の付いたガドゥルカの独奏だと思います。

<2-7 Тропанка トロパンカ 2分31秒>

トロパンカの比較で、74年に日本コロムビアから出ていたLP「世界のフォークダンス 東欧編」から、トロパンカをおかけします。日本で知られているトロパンカの旋律はこの曲だと思います。

<フォーク・ミュージック・アンサンブル / トロパンカ 2分20秒>

この盤からもう一曲、ロシア民謡になりますが、コロブチカもおかけしておきます。原曲は19世紀の詩人ネクラーソフの長編詩に旋律が付けられ民謡化した「行商人」(コロベイニキ)です。1960年代末頃のアニメーション「魔法使いサリー」の学芸会のフォークダンスのシーンでかかっていたのは、この演奏ではないかと常々思っておりました。個人的に、古き良き昭和40年代を思い出す演奏です。

 
<フォーク・ミュージック・アンサンブル / コロブチカ 3分>

「ブルガリア音楽の肖像~失われた世界への旅 1966-1979」に戻りまして、2枚目11曲目のトリテ・プチという曲は「3回」と訳が出て来ました。バグパイプとタパンのデュオのようですが、前回のカバガイーダ・オーケストラのように同じ始まり方をしています。エネルギッシュな演奏です。

<2-11 Трите пъти 3回 4分46秒>

歌ものをかけていませんでしたので、若い女性歌手二人を器楽が囃し立てる明るく溌溂とした1枚目22曲目のПушка пукна / Одзолу иду връцка колцаを、まずおかけします。その後で女性二人の交唱の民謡Потайно Рада годияを聞きながら今回はお別れです。ロシアの本当の民謡にも似た、茫洋とした感じのスラヴらしい歌です。
今回併せてかけようと思っていたブルガリアGegaの現地盤「トラキア民謡アンサンブル」は、次回に回します。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1-22 Пушка пукна / Одзолу иду връцка колца 2分14秒>
<1-14 Потайно Рада годия 5分48秒>

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