ロマノ・ディヴェスの2つのジリ
ハンガリーの農村ジプシー音楽でのケレマスキ・ジリとメセラキ・ジリの違いは、リズミカルな前者と、ゆったりとしたラメント(哀歌)の後者と言うことだったと思います。この話を聞いたのは、1977年の谷本一之氏のNHK世界の民族音楽だったと思いますが、この用語でのネット情報はほとんど皆無に近いようです。カタカナ表記の違いかも知れません。ダバ、ディビなどと男性が口で裏打ちリズムを取るケレマスキ・ジリは、90年代のこの界隈の音楽でよく耳にしました。結局アルバニア・ロマのグループ、ロマノ・ディヴェスの2曲に付いての違いはよく分からずのままですが、2本ともYouTubeはありました。ジリは歌の意味なので、ここではジャンル分けではなく単に曲名でしょうか。(以下放送原稿を再度)
2枚目はアルバニアのロマ音楽になりまして、Rromano Dives(ロマノ・ディヴェス)のChaj Zibedeと言う1996年に仏Al Surから出ていた盤です。アル・スール自体90年代の内に活動休止してしまいましたが、まだ在庫が残っていました。ロマノ・ディヴェスはアルバニアのベテラン・ロマ・グループで、2000年ころの話ですが、ヨーロッパではツアーが組まれるほど有名だそうです。クラリネット、アコーディオン、ベース、ダラブッカ中心で、女性ヴォーカルの入る1曲目とタイトル曲の2曲目が特に素晴らしいので、続けて聞きながら今回はお別れです。1曲目のE Semesqiri Giliと9曲目のE Ivanesqi Giliが、ハンガリーのジプシー音楽でのケレマスキ・ジリ(踊り歌)とメセラキ・ジリの対比を思い起こさせる名前で気になりましたので、9曲目についてはゼアミブログの方で触れたいと思います。ジリと言うのは、ロマ(ジプシー)語で「歌」の意味です。次回から、旧ユーゴのコソヴォに移ります。
<1 E Semesqiri Gili 5分43秒>
<9 E Ivanesqi Gili 2分1秒>
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