« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

2021年6月

2021年6月30日 (水)

ボスニア山岳民の歌 ガンガとベチャラツ

一聴地味な音源ではありますが、Bosnia: Echoes From An Endangered Worldの中で特に驚いたのが、山岳部の三重唱のガンガとベチャラツです。米Smithsonian Folkways盤の一曲ごとの音源は一本目だけでした。おそらく山地出身者が集まって歌ったと思われる最近の映像が結構ありますので、それらも上げておきます。どれにしようか迷う程あります。村人の伝統衣装ではなく、モダンな服装で歌っています。男性の方は、日本の木遣りに似て聞こえて仕方ないです。3本目はボスニア紛争が終わった翌年の映像です。今日はおじさんが多いので(笑)、明日は女性のベチャラツを。(以下放送原稿を再度)

山岳部の歌唱でガンガとベチャラツと言う形式の3重唱が3曲入っていますので、続けておかけします。無伴奏の地声合唱と言う点では、ロシアやブルガリアなど、他のスラヴ系民族の本当の民謡に繋がるように思います。センテンスの最後の音程を上げる装飾法もそっくりです。最初が北ヘルツェゴヴィナの女性のガンガ、その次の2曲はサラエヴォ郊外のビイェラシュニツァ山の村落での男性のガンガと女性のベチャラツです。1984年のサラエボ・オリンピックでは、男子アルペン競技が開催された山です。ムスリムを含むと解説にあるので、当時は宗教の違いを越えて一緒に歌っていたようです。ガンガのような歌は組織化されない音として、都市部の人々が遠ざける傾向があるのに対し、田舎の住民はそれを彼らの最も表現力豊かな音楽の形だと考えているとのことです。ベチャラツの方は、幾分西欧の音楽の影響も入った新しいポリフォニー形式のようです。

<5 Rahima Sultanić, Mejra Sultanić & Habiba Sultanić / Ganga: Odkad Seke Nismo Zapjevale 2分54秒>
Rahima, Mejr & Habiba Sultanic - Ganga Odkad Seke Nismo Zap

<6 Safet Elezović, Muhamed Elezović & Zejnil Masleša / Ganga: Sto Bećara U Srce Udara 1分25秒>
<7 Samka Čatić, Rahima Skuljić & Džemila Delić / Bećarac: Selo Moje Leži Pokraj Bara 1分39秒>

Bukovica - bećarac

Hercegovačka ganga 1996. god u Buhovu

| | コメント (0)

2021年6月28日 (月)

セヴダリンカの名曲 Il' Je Vedro, Il' Oblačno?

ゼアミdeワールド265回目の放送、日曜夜10時にありました。30日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。前回途中までになったAlma Bandić の Il' Je Vedro, Il' Oblačno?からかけました。非常に印象的な曲です。他の曲は、また水曜以降に。

ボスニア・ヘルツェゴビナの音楽の2回目です。今回もユーゴ紛争のさなかにスミソニアンフォークウェイズから出たBosnia: Echoes From An Endangered Worldからご紹介します。93年に出たこの盤は、ボスニアのムスリムの音楽がユーゴ紛争前に現地録音されていて、演奏者の中には内戦で亡くなったと思われる「故人」の表記も見えます。イスラムのアザーンと神秘主義教団の儀礼ジクル、都市部の大衆音楽、山岳部の歌唱などが収録されています。

まずは前回途中で終わってしまった8曲目からおかけします。解説にexpressive sevdalinka(表現力豊かなセヴダリンカ)とあるように、ボスニアの叙情歌セヴダの類になりますが、ボスニアのラヴ・ソングと言えるジャンルがセヴダリンカと呼ばれています。タイトルのIl' Je Vedro, Il' Oblačno?は、「晴れ?それとも曇りかしら?」の意味です。女性歌手Alma Bandićの極めて美しい繊細な独唱です。

<8 Alma Bandić / Il' Je Vedro, Il' Oblačno? 3分2秒>

次に山岳部の歌唱でガンガとベチャラツと言う形式の3重唱が3曲入っていますので、続けておかけします。無伴奏の地声合唱と言う点では、ロシアやブルガリアなど、他のスラヴ系民族の本当の民謡に繋がるように思います。センテンスの最後の音程を上げる装飾法もそっくりです。最初が北ヘルツェゴヴィナの女性のガンガ、その次の2曲はサラエヴォ郊外のビイェラシュニツァ山の村落での男性のガンガと女性のベチャラツです。1984年のサラエボオリンピックでは、男子アルペン競技が開催された山です。ムスリムを含むと解説にあるので、当時は宗教の違いを越えて一緒に歌っていたようです。ガンガのような歌は組織化されない音として、都市部の人々が遠ざける傾向があるのに対し、田舎の住民はそれを彼らの最も表現力豊かな音楽の形だと考えているとのことです。ベチャラツの方は、幾分西欧の音楽の影響も入った新しいポリフォニー形式のようです。

<5 Rahima Sultanić, Mejra Sultanić & Habiba Sultanić / Ganga: Odkad Seke Nismo Zapjevale 2分54秒>
<6 Safet Elezović, Muhamed Elezović & Zejnil Masleša / Ganga: Sto Bećara U Srce Udara 1分25秒>
<7 Samka Čatić, Rahima Skuljić & Džemila Delić / Bećarac: Selo Moje Leži Pokraj Bara 1分39秒>

イスラムのアザーンと神秘主義教団の儀礼ジクルですが、音楽的にも美しい礼拝への召喚のアザーン(エザーン)から、おかけしておきます。イスラム世界に旅すると早朝に尖塔、ミナレットから聞こえてくるのがアザーンです。

<9 Kasim Mašić / Ezan (Call To Prayer) 4分58秒>

神秘主義教団の儀礼ジクルは、ウズベキスタンのブハラで興ったナクシュバンディー教団と、バグダッドで興ったカディーリー教団のジクルが抜粋で入っています。遠く離れた東欧のボスニアに、それぞれのタリーカ(教団)があることからして驚きです。時間の都合でナクシュバンディーの方だけおかけします。

<10 Naqshbandi Dervishes, Visoko / Naqshbandi Zikr (Excerpt) 3分19秒>

最後に都市部の大衆音楽になると思いますが、セヴダリンカの名女性歌手、エミナ・ゼチャイの対照的な2曲を聞きながら今回はお別れです。13曲目「トレベヴィチ山頂から山の精が叫ぶ」はアコーディオン中心の東欧風な伴奏、この盤のラストを飾る14曲目はサズの伴奏による「ムヨとニザマ」と言う恋愛叙事詩の歌唱です。ボスニア版「ロミオとジュリエット」あるいは「ライラとマジュヌーン」と言えそうです。Nizamaはペルシアの詩人ニザーミーに似ていますし、Emina Zečajと言う名前は、ユダヤ系に見えて仕方ないのですが(ミラ・ザカイと言う歌手がいたのを思い出しました)、また何か分かりましたらゼアミブログに書きます。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<13 Emina Zečaj / Vila Viče Sa Vrh Trebevića 3分3秒>
<14 Emina Zečaj / Voljeli Se Mujo I Nizama 3分50秒>

| | コメント (0)

2021年6月25日 (金)

ヒムゾ・ポロヴィナとイズディン・オソイキッチ

Bosnia: Echoes From An Endangered Worldの2曲目と4曲目は、かけた曲そのものは2曲目だけでしたが、ヒムゾ・ポロヴィナが歌っている生映像と、イズディン・オソイキッチのヴァイオリン弾き語りの生映像を見ることが出来て、今日の捜索は非常に達成感がありました(笑) トルコ帽を被ったヒムゾ・ポロヴィナの映像は雰囲気がありますし、イズディン・オソイキッチのヴァイオリンは、肩当を使ってないからだと思いますが、左の手のひらが棹の下にぴったり着いて西洋の奏法的には全くアウト(笑)。これでは広い音域で速いパッセージを弾くのは難しいと思います。しかし、出ている音は狭い音域で巧みに装飾をかけていて、凄い音が出ています。3本目は1915年のサラエボの映像。これは全くヨーロッパとは思えません。曲は1本目と同じでHimzo Polovina のDunjaluče, golem ti si です。(以下放送原稿を再度)

2曲目のDunjaluče Golem Ti Siという曲は、トルコ系の弦楽器サズの伴奏で、サズ奏者の名前にSelimの名が見える通り、ムスリムの音楽家と思いますが、歌い手、サズ奏者共に物故者(deceased)になっています。

<2 Himzo Polovina & Selim Salihović / Dunjaluče Golem Ti Si 3分14秒>
HIMZO POLOVINA uz SAZ ... Dunjaluce,golem,ti si

4曲目のヴァイオリンとトルコ系の擦弦楽器シャルギャの弾き語りをしているのも、ムスリム系の音楽家のようですが、こちは世俗的でエロティックな歌のようです。

<4 Izudin Osojkić & Osman Bikić / Alaj Volim Orati 4分22秒>
Izudin Osojkic

Himzo Polovina - Dunjaluče, golem ti si (Sarajevo, 1915. godine)

| | コメント (0)

2021年6月24日 (木)

Nada Mamulaの歌声とセヴダリンカ

ユーゴ紛争のさなかの1993年に、アメリカのスミソニアンフォークウェイズから出たBosnia: Echoes From An Endangered World(絶滅の危機に瀕した世界からの声)からのご紹介が、来週にかけて続きます。ボスニアのムスリムの音楽がユーゴ紛争前に現地録音されていて、演奏者の中には内戦で亡くなったと思われる「故人」の表記も見えます。ゼアミを開店した1996年には3年経って既に旧譜だったので、何とHPにアップしていませんでした。
この盤の冒頭を飾っていたKad Ja Podjoh Na Benbašuと言う曲ですが、「私がBenbašuに行った時」と言う意味の美しい叙情歌で、サラエヴォの人々がアンセムを選ぶなら、この曲に違いないという程の有名曲のようです。歌っているナダ・マムラ Nada Mamula(1927–2001)は、セヴダリンカの名女性歌手。ベオグラード生まれのセルビア人ですが、結婚を機にサラエボに移住しRadio Sarajevoを中心に活躍したそうです。20世紀後半のユーゴスラヴィアで最も人気のある歌手の一人とのことで、セヴダらしい声と歌唱だと思います。昨日のボスノ・モヤもありましたので、一緒に上げておきます。Omer bežeと言う曲は、ウィキペディアにリンクがある程の有名曲のようですので、併せて3本目に入れました。セヴダリンカの解説に、セヴダリンカにはOriental, European and Sephardicの要素が入り混じっていて、Sevdalinka is an integral part of the Bosniak culture,but is also spread across the ex-Yugoslavia region, including Croatia, Montenegro, North Macedonia and Serbia. とありました。前にモンテネグロで触れたように、旧ユーゴの他の国でセヴダっぽい曲があるというのは、間違いないようです。(以下はウィキペディアの解説の抄訳に少し手を加えました)
セヴダはトルコ語のsevdaに由来し、元はアラビア語のsawda(黒い胆汁)に由来します。オスマン語では、トルコ語のsevdaは単に黒い胆汁を意味するのではなく、恋愛の状態を指し、恋の病と片思いの孤独な憧れを指します。「メランコリック」と「夢中」の両方を意味するペルシア語(سودازده)に関連しています。セヴダリンカの歌詞のメインテーマである、喜びと痛みの両方を意味します。
ボスニアの人々は、この音楽の名前として「セヴダリンカ」と「セヴダ」という言葉を同じ意味で使用していますが、セヴダという言葉は他の意味でも使用できます。ポルトガルのファドの中心的な用語であるサウダージは同じ起源であり、アル・アンダルースとオスマン帝国の両方で何世紀にもわたって使用されてきたアラビア語の医学的言説から生まれました。 メランコリーという用語は同様の起源であり、ギリシャ語で黒胆汁を表す元の医学用語であるメランコリーに由来しています。

<1 Nada Mamula / Kad Ja Podjoh Na Benbašu 4分14秒>
Nada Mamula - Kad ja podjoh na bembasu - ( Audio )

Nada Mamula - Bosno moja - ( Audio )

Nada Mamula - Omer beze - ( Audio )

| | コメント (0)

2021年6月23日 (水)

ボスノ・モヤとダ・ズナ・ゾラ

プラヤサウンドの「ユーゴスラヴィアの音楽」に、「おおリューバフ、リューバフ」と併せて入っていたボスニアの歌「ボスノ・モヤ」と「ダ・ズナ・ゾラ」。どちらも有名な曲のようで、かなりありましたが、ボスノ・モヤは歌い手によって旋律の違いがあるようです。やはりプラヤの音源は見当たらないので、放送でかけたのと同じ旋律で上げておきました。2本目のDa zna zoraは同じ歌手かも知れません。3本目の「ブコヴィナ・クラブVol.2」にも、Sandy Lopicic Orkestarの演奏で入っていたことを今回思い出しました。(以下放送原稿を再度)

同じEnsemble "Rakija"の演奏で、このプラヤ盤にボスニアの曲が後2曲ありますので、続けておかけします。軽快なBosno Mojaと、少しクレズマーにも似たDa Zna Zoraです。Bosno Mojaは、ロシア語ならボスナ・マヤ(私のボスニア)ですから、すぐに類推が効きます。

<15 Ensemble "Rakija" / Bosno Moja (Bosnia) 3分18秒>
Azra Husarkic - Bosno Moja ( ZG 2020/21 - 16.01.2021 )

<19 Ensemble "Rakija" / Da Zna Zora (Bosnia) 1分50秒>
Safet Isovic - Da zna zora - (Audio 1979)

Sandy Lopicic Orkestar Da Zna Zora - Shantel Remix

| | コメント (0)

2021年6月21日 (月)

おお、リューバフ、リューバフ

ゼアミdeワールド264回目の放送、日曜夜10時にありました。23日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日は「おお、リューバフ、リューバフ」のみですが、プラヤと同じ音源は見当たらないので、他の女性歌手と弦楽カルテットの演奏を上げておきました。ロシア語でリューボフは「愛」なので、ボスニア語のリューバフも同じ意味だと思います。この曲、民謡なのかセヴダに入るのか、どちらでしょうか。リズムのノリはホラを感じます。

今回から何回かボスニア・ヘルツェゴビナの音楽を聞いて行きたいと思います。
ボスニア・ヘルツェゴヴィナのヘルツェゴヴィナですが、現在のボスニア・ヘルツェゴビナ南部の歴史的名称で、15世紀にこの地域を支配したスチェパン・ヴクチッチの称号である「聖サヴァ公」にちなんだものといわれ、「公」を意味するドイツ語のヘルツォーク (Herzog) やハンガリー語のヘルツェグ (herc(z)eg) に由来する名称とのことです。
この国はボシュニャク人とクロアチア人が主体のボスニア・ヘルツェゴビナ連邦と、セルビア人中心のスルプスカ共和国の二つの構成体からなる連邦国家で、首都は1984年の冬季オリンピックが開かれたサラエボです。住民はボシュニャク人が48%、クロアチア人が14%、セルビア人が37%などで、ボシュニャク人の多くはイスラム教徒、クロアチア人の多くはローマ・カトリック教徒、セルビア人の多くはセルビア正教徒です。

まず255回目の放送で取り上げたプラヤサウンドのChants & Danses De Yougoslavie (Yugoslavian Songs & Dances)から「おお、リューバフ、リューバフ」と言うボスニアの歌をおかけします。叙情的な美しい曲で、初めて聞いて30年程経ちますが、ずっと記憶に残っていた歌です。

<3 Ensemble "Rakija" / Oh Ljubav, Ljubav (Bosnia) 4分12秒>
BEBA SELIMOVIC ... Ah, ljubav, ljubav (TV SA - uzivo***)

Nafas Ensemble in concert, Oh Ljubav Ljubav (Traditional Balkan song)

同じEnsemble "Rakija"の演奏で、このプラヤ盤にボスニアの曲が後2曲ありますので、続けておかけします。軽快なBosno Mojaと、少しクレズマーにも似たDa Zna Zoraです。

<15 Ensemble "Rakija" / Bosno Moja (Bosnia) 3分18秒>

<19 Ensemble "Rakija" / Da Zna Zora (Bosnia) 1分50秒>

次に、ユーゴ紛争のさなかにスミソニアンフォークウェイズから出たBosnia: Echoes From An Endangered Worldからご紹介します。93年に出たこの盤は、ボスニアのムスリムの音楽がユーゴ紛争前に現地録音されていて、演奏者の中には内戦で亡くなったと思われる「故人」の表記も見えます。イスラムのアザーンと神秘主義教団の儀礼ジクル、都市部の大衆音楽、山岳部の歌唱などが収録されていますが、今回は前半からおかけしておきます。

まずは1曲目のKad Ja Podjoh Na Benbašuと言う曲ですが、「私がBenbašuに行った時」と言う意味の美しい叙情歌で、サラエヴォの人々がアンセムを選ぶなら、この曲に違いないという程の曲のようです。

<1 Nada Mamula / Kad Ja Podjoh Na Benbašu 4分14秒>

2曲目のDunjaluče Golem Ti Siという曲は、トルコ系の弦楽器サズの伴奏で、サズ奏者の名前にSelimの名が見える通り、ムスリムの音楽家と思いますが、歌い手、サズ奏者共に物故者になっています。

<2 Himzo Polovina & Selim Salihović / Dunjaluče Golem Ti Si 3分14秒>

4曲目のヴァイオリンとトルコ系の擦弦楽器シャルギャの弾き語りをしているのも、ムスリム系の音楽家のようですが、こちらは世俗的でエロティックな歌のようです。

<4 Izudin Osojkić & Osman Bikić / Alaj Volim Orati 4分22秒>

8曲目は、解説にexpressive sevdalinka(表現力豊かなセヴダリンカ)とあるように、ボスニアの叙情歌セヴダの類のようです。タイトルのIl' Je Vedro, Il' Oblačno?は、「晴れ?それとも曇りかしら?」の意味です。女性歌手Alma Bandićの極めて美しい繊細な独唱です。この曲を聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<8 Alma Bandić / Il' Je Vedro, Il' Oblačno? 3分2秒>

| | コメント (0)

2021年6月18日 (金)

コソヴォのイスラム儀礼

コソヴォの時に重要な音源を忘れておりましたので、ここで入れておきます。LPのユネスコ・コレクションの時からあった音源で、「コソヴォのイスラム儀礼」と言う1974年の盤です。オーヴィディスのユネスコ・コレクションは、レーベル自体の活動は休止して久しいですが、データはSmithsonian Folkwaysが受け継いでいて、自社レーベル含めDL販売かカスタムCDRで購入可で、アップルミュージックのストリーミングでも聞けます。Smithsonian Folkwaysのお宝音源の山には、LPか10インチのアナログ盤のリリースのみで、CD化されなかった音源も沢山あります。解説もPDFで参照できます。
コソヴォのアルバニア人のイスラム儀礼を収めたこの盤は、長大な儀礼の中から25分前後収録された実況録音の2曲がLP両面に入っていました。コーランの第1章の朗誦から始まるスーフィー儀礼の1曲目を時間まで聞きながら今回はお別れです。
(以上、放送原稿を再度上げました。AB両面と、元の蘭フィリップスのLPも上がっていましたので、3本とも上げておきます。70年代には日本フィリップスから国内盤LPで出ていました。)

Surat al-Fatiha / Ayet 284 / Ayet 180 / Ashere / Du'a / Kelime-i tevid / Zikr / Prayers to...

Zikr/ Du'a / Tekbir

Islamic Ritual from Yugoslavia

| | コメント (0)

2021年6月17日 (木)

セルビアとモンテネグロの正教会の音楽

セルビア正教会の系列の合唱団がモンテネグロ正教の音楽を取り上げたと思しきこの盤は、CDは見たことはありません。ほとんどが西欧的な合唱で、本当にこんな感じなのだろうかと思いますが、取り上げたCherubic HymnとTe deum laudamusの2曲は美しく、特にソプラノのハイトーンが輝かしく素晴らしいです。1本目は放送内容とは関係なく、セルビア正教会の映像です。2本目のDogmaticon 2th Toneのように、ドローン(持続低音)がバックに入っています。(以下放送原稿を再度)

Serbian Orthodox Chant - Psalm 135 Praise the Lord

続きましてモンテネグロ正教の音楽に移ります。The Serbian Choral Society Jedinstvo 1839 Kotorの演奏で、Orthodox Church Music from Montenegroと言う盤のデータをストリーミングで聞きましたので、こちらからおかけします。全体に西欧的な合唱が多めですが、中に数曲、正教会らしい曲がありました。7曲目のDogmaticon 2th Toneと言う曲です。

<7 Dogmaticon 2th Tone 1分59秒>

4曲目のCherubic Hymnは、ヘルヴィムの歌と訳せますが、正教会の聖体礼儀で大聖入の際に歌われる祈祷文・聖歌で、主にスラヴ系の正教会でチャイコフスキーなど多くの作曲家がこの祈祷文に作曲を行い、一部は実際に聖体礼儀で使われているが、作曲者不詳の伝統的な聖歌もギリシャ系・スラヴ系・その他の正教会で広く用いられているとのことです。ヘルヴィムとはケルビムの現代ギリシャ語・教会スラヴ語読みであり、天使の名のことです。

<4 Cherubic Hymn 2分26秒>

ブルックナーなどクラシック音楽家の作品でも有名なテ・デウムが6曲目に入っています。キリスト教のカトリック教会・ルーテル教会・正教会の聖歌の1つで、テクストの冒頭のラテン語の一文“Te deum laudamus”(われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれます。

<6 Te deum laudamus 2分53秒>

| | コメント (0)

2021年6月16日 (水)

ツルナ・ゴーラ・クレメン・カメン

カプリースの盤のラストを飾っているツルナ・ゴーラ・クレメン・カメンが気になります。モンテネグロ語での国名ツルナ・ゴーラに続く言葉の意味が不明ですが、最後を飾るに相応しい聞きごたえ十分な曲でした。現物が残ってなくて解説を参照できず詳細不明なのが残念です。カプリース盤ではCrna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursutaでしたから、メドレーになっていたようです。いかめしい感じの男性の独唱は1970年の音源のようで、ユーゴ紛争前です。3本目がカプリースの音源です。

Crna Goro kremen kamen

KUD "Mijat Mašković" - Crna Gora kremen kamen (HD), Fest. Zmaj preleće 2019

Crna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursuta

| | コメント (0)

2021年6月14日 (月)

ヴェネツィア共和国の名残? ダルマチア近辺のクラパ歌謡

ゼアミdeワールド263回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はクラパ歌謡の2曲のみです。

今回は旧ユーゴのモンテネグロの音楽の2回目です。この国の単独の音源、スウェーデンのCaprice盤からご紹介していました。
まずは前回途中で終わってしまいました17曲目の男声合唱からおかけしたいと思います。隣のクロアチア南部のアドリア海沿岸のダルマチア地方の男声合唱、クラパ歌謡にそっくりで、グループ名もKlapa Ulcinjとあります。ダルマチアやアドリア海沿岸には、こういうイタリア風でダンディな明るい合唱と、全く調子外れに聞こえる魔訶不思議な重唱の両極端な歌がありますので、またクロアチアに回ってきたらかける予定です。

<17 Klapa Ulcinj / Damadan 2分28秒>

21曲目にもKlapa Ulcinjの歌唱が入っていますので、続けておかけします。これが本当に南スラヴ系のクロアチアの歌か?と不思議に思う程にイタリア的ですが、アドリア海に面したダルマチア辺りは、7世紀末から1797年まで1000年以上に亘り歴史上最も長く続いた国、ヴェネツィア共和国があった場所で、そこで話されていたヴェネト語やイタリア語と同系統の南ロマンス語系のダルマチア語と共に、イタリア風な音楽がスラヴ人の間にも広まったのではと思われます。ダルマチア語は、クロアチアのダルマチア海岸とモンテネグロのコトル南部で使用され、19世紀末に最後の話者が亡くなり、死語になっています。

<21 Klapa Ulcinj / Ustacu Rano Ja 1分8秒>

おそらくこの盤のジャケットを飾っているバグパイプの独奏が、12曲目か22曲目だと思いますが、今回は12曲目をおかけしておきます。

<12 Ljubo Majic / Cobanska Svirka 1分47秒>

ではこの盤のラストを飾っているCrna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursutaを次におかけします。モンテネグロ語での国名ツルナ・ゴーラに続く言葉の意味が不明ですが、最後を飾るに相応しい聞きごたえ十分な曲です。現物が残ってなくて解説を参照できず詳細は不明なのが残念です。

<28 Podgorica Ensemble / Crna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursuta 3分55秒>

続きましてモンテネグロ正教の音楽に移ります。The Serbian Choral Society Jedinstvo 1839 Kotorの演奏で、Orthodox Church Music from Montenegroと言う盤のデータをストリーミングで聞きましたので、こちらからおかけします。全体に西欧的な合唱が多めですが、中に数曲、正教会らしい曲がありました。7曲目のDogmaticon 2th Toneと言う曲です。

<7 Dogmaticon 2th Tone 1分59秒>

4曲目のCherubic Hymnは、ヘルヴィムの歌と訳せますが、正教会の聖体礼儀で大聖入の際に歌われる祈祷文・聖歌で、主にスラヴ系の正教会でチャイコフスキーなど多くの作曲家がこの祈祷文に作曲を行い、一部は実際に聖体礼儀で使われているが、作曲者不詳の伝統的な聖歌もギリシャ系・スラヴ系・その他の正教会で広く用いられているとのことです。ヘルヴィムとはケルビムの現代ギリシャ語・教会スラヴ語読みであり、天使の名のことです。

<4 Cherubic Hymn 2分26秒>

ブルックナーなどクラシック音楽家の作品でも有名なテ・デウムが6曲目に入っています。キリスト教のカトリック教会・ルーテル教会・正教会の聖歌の1つで、テクストの冒頭の一文“Te deum laudamus”(われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれます。

<6 Te deum laudamus 2分53秒>

モンテネグロの音源は、セルビアと一つの国だった頃にBranko Krsmanovic GroupのARC盤が出ていますが、どの曲がモンテネグロか分かり難いので、またセルビアの時に併せて取り上げます。代わりに、コソヴォの時に重要な音源を忘れておりましたので、ここで入れておきます。LPのユネスコ・コレクションの時からあった音源で、「コソヴォのイスラム儀礼」と言う1974年の盤です。オーヴィディスのユネスコ・コレクションは、レーベル自体の活動は休止して久しいですが、データはSmithsonian Folkwaysが受け継いでいて、自社レーベル含めDL販売かカスタムCDRで購入可で、アップルミュージックのストリーミングでも聞けます。Smithsonian Folkwaysのお宝音源の山には、LPか10インチのアナログ盤のリリースのみで、CD化されなかった音源も沢山あります。
コソヴォのアルバニア人のイスラム儀礼を収めたこの盤は、長大な儀礼の中から25分前後収録された実況録音の2曲がLP両面に入っていました。コーランの第1章の朗誦から始まるスーフィー儀礼の1曲目を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。

<1 Rufa'i Brotherhood / Islamic Ritual from Kosovo (UNESCO Collection from Smithsonian Folkways)
Surat al-Fatiha / Ayet 284 / Ayet 180 / Ashere / Du'a / Kelime-i tevid / Zikr / Prayers to Allah / Prayers to the Prophet 25分28秒>

| | コメント (0)

2021年6月11日 (金)

Cobanine, lijepa djevojko

カプリース盤13曲目のCobanine, lijepa djevojkoを、ボスニアの伝統歌セヴダ風と言った理由は、ゆったりとした哀歌風の旋律であることと、エキゾチックな音階が聞き取れる点で、メロディライン自体が何とも言えずセヴダに似ています。すぐ北隣ですから似てくるのでしょう。ジプシー音楽やクレズマーと同じ出版社のセヴダのヴァイオリンの楽譜を持っていますが、エキゾな増二度音程が目立ちます。装飾の付け方も独特なように思いました。モンテネグロで有名な民謡のようで、かなり動画がありました。タイトルはA Beautiful Shepherdessの意味のようです。

Branka Scepanovic - Cobanine, lijepa djevojko - (Audio 1969)

Teofilovići: Čobanine, lijepa đevojko

Marija Bozovic i band - Cobanine, lijepa djevojko

| | コメント (0)

2021年6月10日 (木)

モンテネグロの音楽~牧笛、タンブリッツァ、トルコ風、セヴダ風

典カプリースの「モンテネグロの音楽」から6日の放送でかけた内、残りの5曲ですが、イタリア風なクラパ歌謡は来週も取り上げますので、外して4曲まとめてアップします。昨日のグスラールの弾き語りと、1曲目の合唱、6曲目の牧笛は、どれも狭い音域をメリスマティックに動き、半音階が多く無調のように聞こえる点で共通しているように思います。どうしてもタジクの高山の音楽、ファラクを思い出してしまいます。考えてみればチベットの声明も調性があるようなないような感じです。高地の音楽は似てくるのでしょうか? 7曲目のタンブリッツァ、13曲目のセヴダ風も、またそれぞれクロアチアとボスニアで取り上げますので、今回は解説を省略します。10曲目のトルコ風が、一番意外性はありました。(以下放送原稿を再度)

6曲目の牧笛と思われる笛の音も、どこかタジクの高山の音楽、ファラクと通じるようなフリーキーな感じです。

<6 Savo Kontic / Pastirska Svirka 1分55秒>

7曲目にはクロアチアでも代表的な弦楽器タンブリッツァの楽団の明るい音色で男性の歌を伴奏していて、緊張感あふれる曲調が多い中、ちょっとほっとする感じです。

<7 Zvuci sa Ribnice Tamburitza Orchestra & Risto Pucomarkovic / Trkom trci Malica 4分20秒>

10曲目はA La Turcaのタイトル通り、トルコ風な音楽が聞こえてきます。オスマン帝国には抵抗しながらも、こういうオリエンタルな側面も現代まで伝わっているようです。

<10 Plav Instrumental Ensemble / A La Turca 2分31秒>

13曲目ではボスニアの伝統歌セヴダに少し似た感じの哀歌風な男性の独唱を聞けます。

<13 Sjukrija Serhatlic & Podgorica Ensemble / Cobanine, Lijepa Devojko 3分13秒>

| | コメント (0)

2021年6月 9日 (水)

吟遊詩人グスラール

わずか1弦のみの擦弦楽器グスレで叙事詩を弾き語る吟遊詩人グスラルの映像は、かなりありました。楽器の名前は知っててCDで聞いていても、生映像で見るのは今回が初めてです。ディナル・アルプスの山人が、支配者オスマン・トルコへの抵抗の歌として語り継いで来た印象が強かったのですが、正にその通り。狭い音域の無調にも聞こえる音楽は、タジクのファラクに似て聞こえて仕方ないです。セルビアとモンテネグロ共通の伝統ですが、本場は山深いモンテネグロです。“グスレの聞こえない家は死んだ家”と言われるほどだそうで、第二次世界大戦中のパルティザンも多くの歌を作ったそうです。

Gusle – BCMS collection

Singing to the accompaniment of the Gusle

| | コメント (0)

2021年6月 7日 (月)

モンテネグロの音楽 カプリース盤

ゼアミdeワールド262回目の放送、日曜夜10時にありました。9日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。3曲目からは、また水曜以降に。

今回は旧ユーゴのモンテネグロの音楽です。
モンテネグロとは、ヴェネツィア中心のヴェネト語による「黒い山」を意味する名称で、同じラテン系のイタリア語でも同じになると思います。セルビア語の方言ともとれるモンテネグロ語で「黒い山」は、ツルナ・ゴーラ(Црна Гора、Crna Gora)と言いまして、ロシア語ならチョールナヤ・ガラー(Черная гора)ですから、同じスラヴ系とはっきり分かります。

この国の単独の音源は、スウェーデンのCapriceから2005年に出ていて、おそらく単独のものはこの盤だけだと思います。やはり売り切れでしたが、ストリーミングにありましたので、その中から抜粋しておかけします。この盤についてゼアミHPに書いたコメントは以下の通りです。

1991年のユーゴスラビア解体後、セルビア共和国とモンテネグロ共和国が新たに、ユーゴスラビア連邦共和国として誕生し、さらに2003年2月、連合国家セルビア・モンテネグロとして発足。バルカン半島の中央部に位置しバルカン山脈やロドピ山脈、ディナルアルプスなどがそびえる起伏の激しい地形で、一部アドリア海に面しているモンテネグロも国土の大部分がディナルアルプスの山岳地帯。古くからの義賊ハイドゥーク、パルチザンの地、美しい自然に囲まれるモンテネグロの、長い歴史から生まれた中世からの文化や伝統を感じさせる音楽を収録した本作品。演奏はモンテネグロを代表する実力派グループたちでグスラをはじめとする各種の民族楽器や伝統のアンティフォニックやポリフォニックな独特な歌唱も聞ける。

この盤が出た2005年の時点ではセルビアと連合していましたが、2006年6月3日にモンテネグロ共和国として独立しています。この国は、南はアドリア海に臨み、北西をクロアチアのドゥブロヴニクとボスニア・ヘルツェゴビナ、北東をセルビアのサンジャク地方、南東をアルバニア、東部をコソボと接しています。

現物が残ってなくて解説を参照できず詳細は不明ですので、解説は最小限にして出来るだけ多くかけたいと思います。まずは山岳地帯の音楽らしい荒涼とした印象の一曲目からどうぞ。

<1 Tikova Male and Female Singers / Oj, Devojko, Da Sam Te Vidio 1分16秒>

3曲目には、わずか1弦のみの擦弦楽器グスレで叙事詩を弾き語る吟遊詩人グスラルの歌が入っています。セルビアとモンテネグロの伝統音楽と言えば、まず筆頭に上がる音楽です。グスラルは他にも数曲ありますが、こちらをおかけしておきます。

<3 Vasko Doljanica / Od kako je Kotor nastanuo 6分45秒>

6曲目の牧笛と思われる笛の音も、どこかタジクの高山の音楽、ファラクと通じるようなフリーキーな感じです。

<6 Savo Kontic / Pastirska Svirka 1分55秒>

7曲目にはクロアチアでも代表的な弦楽器タンブリッツァの楽団の明るい音色で男性の歌を伴奏していて、緊張感あふれる曲調が多い中、ちょっとほっとする感じです。

<7 Zvuci sa Ribnice Tamburitza Orchestra & Risto Pucomarkovic / Trkom trci Malica 4分20秒>

10曲目はA La Turcaのタイトル通り、トルコ風な音楽が聞こえてきます。オスマン帝国には抵抗しながらも、こういうオリエンタルな側面も現代まで伝わっているようです。

<10 Plav Instrumental Ensemble / A La Turca 2分31秒>

13曲目ではボスニアの伝統歌セヴダに少し似た感じの哀歌風な男性の独唱を聞けます。

<13 Sjukrija Serhatlic & Podgorica Ensemble / Cobanine, Lijepa Devojko 3分13秒>

17曲目には隣のクロアチアのアドリア海沿岸のダルマチア地方の男声合唱、クラパ歌謡にそっくりな男声合唱が入っています。グループ名もKlapa Ulcinjとあります。ダルマチアやアドリア海沿岸には、こういうイタリア風でダンディな明るい合唱と、全く調子外れに聞こえる魔訶不思議な重唱の両極端な歌がありますので、またクロアチアに回ってきたらかける予定です。この曲を聞きながら今回はお別れです。この盤は全部で28曲ありまして一回では紹介しきれませんので、次回はモンテネグロ正教などの音源と併せてまた幾つかかける予定です。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。

<17 Klapa Ulcinj / Damadan 2分28秒>

| | コメント (0)

2021年6月 4日 (金)

La Sirena再び

Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jewsの第3集、ブルガリアとユーゴスラヴィア編では、Durme durmeとかChichi bunichiのように他のセファルディ音楽の盤でもよく聞く曲がありますが、前者は旋律違いだと思いますし、やはり個人的に一曲選ぶとすればLa Sirenaです。IneditのLoretta《Dora》Gerassiなどの名唱も多いので、聞き比べるのも一興です。(以下放送原稿を再度)

トルコの音楽巡りの際に、Voice of the Turtle / Music of the Spanish Jews of Turkeyと言うタイタニックのセファルディ音楽の盤を取り上げましたが、このシリーズには「ブルガリアとユーゴスラヴィア編」もありまして、バルカン巡りのどこかに入れてようと思っていました。コソヴォの後に少し余りましたので、今回入れておきます。
15世紀のレコンキスタで、スペインのユダヤ教徒はイスラム教徒と共に追放され、北アフリカやバルカン半島など多くは旧オスマン帝国内に離散しました。スペイン系ユダヤ人は、セファルディとも呼ばれます。
211回目の放送でもかけた曲ですが、Voice of the Turtleの第3集ブルガリアと旧ユーゴスラヴィアのバルカン編から、La Sirenaという曲をおかけします。バルカンのセファルディーの間に広まったよく知られている叙情歌です。
211回目でも解説を入れましたが、セイレーンとは「サイレン」の語源ですが、ギリシア神話では、海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる、上半身が人間の美しい女性で、下半身は鳥の姿の海の怪物を指しますが、Voice of the Turtleの対訳歌詞では「もし海がミルクで出来ていて、私が漁師だったら、私は愛の言葉で不幸を釣るだろう」と匂わせる所で終わっています。この歌のルーツはボスニアのサライェヴォにあるそうです。

<14 La Sirena 4分34秒>

| | コメント (0)

2021年6月 3日 (木)

ズルナとダウルのコソヴォの2曲とハサピコ

ズルナとダウルのこの2曲のコソヴォらしさはどこにあるか、よく分かりませんが、ハサピコと並べてみると違いは歴然としているようです。ロマの演奏は、ギリシアのハサピコから遠く感じますが。(以下放送原稿を再度)

もう一枚は、マケドニアの6回目でかけたズルナとダウルの盤に2曲、コソヴォの曲がありました。英Topic Recordsから出ている「マケドニアと近隣諸国のジプシー音楽」と言うCDですが、サックス以前から伝統的に行われていたダブルリードのズルナと大太鼓ダウルという、この地域に普く見られる組み合わせで演じられる結婚式の音楽が収録されています。

<GYPSY MUSIC FROM MACEDONIA & NEIGHBOURING COUNTRIES ~Kalandxój (Kosovo) 4分27秒>

<GYPSY MUSIC FROM MACEDONIA & NEIGHBOURINGk COUNTRIES ~Burrërisht (Kosovo) 1分33秒>

Khasápikos (Greece)

| | コメント (0)

2021年6月 2日 (水)

コソヴォのスーフィー歌謡? Lulzoj Fusha Lulzoj Mali

月曜にシェマリ・ブリシャ&スカロス楽団の演奏でかけたLulzoj Fusha Lulzoj Mali (Les champs et les montagnes s'épanouissent)と言う曲ですが、スーフィー儀礼的な演奏風景の映像がありました。民謡でここまで熱く語るだろうかと言う歌い方です。隣のボスニアには似た感じのスーフィー音楽があります。タンブール系の弦楽器は、コソヴォではサズと言うのかタンブールと言うのか不明です。小さい方は、ギリシアのバグラマスにそっくりです。この曲はコソヴォの歌で「野原と山々に花が咲く」(移住の歌)と、アリオン盤に解説がありました。

Mleqani - Lulzoj fusha lulzoj mali

Ali Krasniqi,Is Llapqeva, Halil Bytyqi - Lulzoj fusha lulzoj Mali

南アルバニアのフリーリズムの3声の叙事詩的なポリフォニー、Mora Rrugen Per Janine (J'ai pris la route pour Janine)「私はジャニネへ向かう」も、色々映像がありました。IRINI QIRJAKOは、アルバニアのエスマのような歌手と拝察しました。見事な歌声です。

IRINI QIRJAKO - "Mora rrugen per Janine" - 100 VJET MUZIKE

| | コメント (0)

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »