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2021年6月14日 (月)

ヴェネツィア共和国の名残? ダルマチア近辺のクラパ歌謡

ゼアミdeワールド263回目の放送、日曜夜10時にありました。16日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はクラパ歌謡の2曲のみです。

今回は旧ユーゴのモンテネグロの音楽の2回目です。この国の単独の音源、スウェーデンのCaprice盤からご紹介していました。
まずは前回途中で終わってしまいました17曲目の男声合唱からおかけしたいと思います。隣のクロアチア南部のアドリア海沿岸のダルマチア地方の男声合唱、クラパ歌謡にそっくりで、グループ名もKlapa Ulcinjとあります。ダルマチアやアドリア海沿岸には、こういうイタリア風でダンディな明るい合唱と、全く調子外れに聞こえる魔訶不思議な重唱の両極端な歌がありますので、またクロアチアに回ってきたらかける予定です。

<17 Klapa Ulcinj / Damadan 2分28秒>

21曲目にもKlapa Ulcinjの歌唱が入っていますので、続けておかけします。これが本当に南スラヴ系のクロアチアの歌か?と不思議に思う程にイタリア的ですが、アドリア海に面したダルマチア辺りは、7世紀末から1797年まで1000年以上に亘り歴史上最も長く続いた国、ヴェネツィア共和国があった場所で、そこで話されていたヴェネト語やイタリア語と同系統の南ロマンス語系のダルマチア語と共に、イタリア風な音楽がスラヴ人の間にも広まったのではと思われます。ダルマチア語は、クロアチアのダルマチア海岸とモンテネグロのコトル南部で使用され、19世紀末に最後の話者が亡くなり、死語になっています。

<21 Klapa Ulcinj / Ustacu Rano Ja 1分8秒>

おそらくこの盤のジャケットを飾っているバグパイプの独奏が、12曲目か22曲目だと思いますが、今回は12曲目をおかけしておきます。

<12 Ljubo Majic / Cobanska Svirka 1分47秒>

ではこの盤のラストを飾っているCrna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursutaを次におかけします。モンテネグロ語での国名ツルナ・ゴーラに続く言葉の意味が不明ですが、最後を飾るに相応しい聞きごたえ十分な曲です。現物が残ってなくて解説を参照できず詳細は不明なのが残念です。

<28 Podgorica Ensemble / Crna Gora kremen kamen - Poljem se vije - Ursuta 3分55秒>

続きましてモンテネグロ正教の音楽に移ります。The Serbian Choral Society Jedinstvo 1839 Kotorの演奏で、Orthodox Church Music from Montenegroと言う盤のデータをストリーミングで聞きましたので、こちらからおかけします。全体に西欧的な合唱が多めですが、中に数曲、正教会らしい曲がありました。7曲目のDogmaticon 2th Toneと言う曲です。

<7 Dogmaticon 2th Tone 1分59秒>

4曲目のCherubic Hymnは、ヘルヴィムの歌と訳せますが、正教会の聖体礼儀で大聖入の際に歌われる祈祷文・聖歌で、主にスラヴ系の正教会でチャイコフスキーなど多くの作曲家がこの祈祷文に作曲を行い、一部は実際に聖体礼儀で使われているが、作曲者不詳の伝統的な聖歌もギリシャ系・スラヴ系・その他の正教会で広く用いられているとのことです。ヘルヴィムとはケルビムの現代ギリシャ語・教会スラヴ語読みであり、天使の名のことです。

<4 Cherubic Hymn 2分26秒>

ブルックナーなどクラシック音楽家の作品でも有名なテ・デウムが6曲目に入っています。キリスト教のカトリック教会・ルーテル教会・正教会の聖歌の1つで、テクストの冒頭の一文“Te deum laudamus”(われら神であるあなたを讃えん)からこの名称で呼ばれます。

<6 Te deum laudamus 2分53秒>

モンテネグロの音源は、セルビアと一つの国だった頃にBranko Krsmanovic GroupのARC盤が出ていますが、どの曲がモンテネグロか分かり難いので、またセルビアの時に併せて取り上げます。代わりに、コソヴォの時に重要な音源を忘れておりましたので、ここで入れておきます。LPのユネスコ・コレクションの時からあった音源で、「コソヴォのイスラム儀礼」と言う1974年の盤です。オーヴィディスのユネスコ・コレクションは、レーベル自体の活動は休止して久しいですが、データはSmithsonian Folkwaysが受け継いでいて、自社レーベル含めDL販売かカスタムCDRで購入可で、アップルミュージックのストリーミングでも聞けます。Smithsonian Folkwaysのお宝音源の山には、LPか10インチのアナログ盤のリリースのみで、CD化されなかった音源も沢山あります。
コソヴォのアルバニア人のイスラム儀礼を収めたこの盤は、長大な儀礼の中から25分前後収録された実況録音の2曲がLP両面に入っていました。コーランの第1章の朗誦から始まるスーフィー儀礼の1曲目を時間まで聞きながら今回はお別れです。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。

<1 Rufa'i Brotherhood / Islamic Ritual from Kosovo (UNESCO Collection from Smithsonian Folkways)
Surat al-Fatiha / Ayet 284 / Ayet 180 / Ashere / Du'a / Kelime-i tevid / Zikr / Prayers to Allah / Prayers to the Prophet 25分28秒>

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