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2021年6月24日 (木)

Nada Mamulaの歌声とセヴダリンカ

ユーゴ紛争のさなかの1993年に、アメリカのスミソニアンフォークウェイズから出たBosnia: Echoes From An Endangered World(絶滅の危機に瀕した世界からの声)からのご紹介が、来週にかけて続きます。ボスニアのムスリムの音楽がユーゴ紛争前に現地録音されていて、演奏者の中には内戦で亡くなったと思われる「故人」の表記も見えます。ゼアミを開店した1996年には3年経って既に旧譜だったので、何とHPにアップしていませんでした。
この盤の冒頭を飾っていたKad Ja Podjoh Na Benbašuと言う曲ですが、「私がBenbašuに行った時」と言う意味の美しい叙情歌で、サラエヴォの人々がアンセムを選ぶなら、この曲に違いないという程の有名曲のようです。歌っているナダ・マムラ Nada Mamula(1927–2001)は、セヴダリンカの名女性歌手。ベオグラード生まれのセルビア人ですが、結婚を機にサラエボに移住しRadio Sarajevoを中心に活躍したそうです。20世紀後半のユーゴスラヴィアで最も人気のある歌手の一人とのことで、セヴダらしい声と歌唱だと思います。昨日のボスノ・モヤもありましたので、一緒に上げておきます。Omer bežeと言う曲は、ウィキペディアにリンクがある程の有名曲のようですので、併せて3本目に入れました。セヴダリンカの解説に、セヴダリンカにはOriental, European and Sephardicの要素が入り混じっていて、Sevdalinka is an integral part of the Bosniak culture,but is also spread across the ex-Yugoslavia region, including Croatia, Montenegro, North Macedonia and Serbia. とありました。前にモンテネグロで触れたように、旧ユーゴの他の国でセヴダっぽい曲があるというのは、間違いないようです。(以下はウィキペディアの解説の抄訳に少し手を加えました)
セヴダはトルコ語のsevdaに由来し、元はアラビア語のsawda(黒い胆汁)に由来します。オスマン語では、トルコ語のsevdaは単に黒い胆汁を意味するのではなく、恋愛の状態を指し、恋の病と片思いの孤独な憧れを指します。「メランコリック」と「夢中」の両方を意味するペルシア語(سودازده)に関連しています。セヴダリンカの歌詞のメインテーマである、喜びと痛みの両方を意味します。
ボスニアの人々は、この音楽の名前として「セヴダリンカ」と「セヴダ」という言葉を同じ意味で使用していますが、セヴダという言葉は他の意味でも使用できます。ポルトガルのファドの中心的な用語であるサウダージは同じ起源であり、アル・アンダルースとオスマン帝国の両方で何世紀にもわたって使用されてきたアラビア語の医学的言説から生まれました。 メランコリーという用語は同様の起源であり、ギリシャ語で黒胆汁を表す元の医学用語であるメランコリーに由来しています。

<1 Nada Mamula / Kad Ja Podjoh Na Benbašu 4分14秒>
Nada Mamula - Kad ja podjoh na bembasu - ( Audio )

Nada Mamula - Bosno moja - ( Audio )

Nada Mamula - Omer beze - ( Audio )

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