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2021年7月26日 (月)

「誰かがサズを弾いていた」

ゼアミdeワールド269回目の放送、日曜夜10時にありました。28日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。大揺れに揺れる五輪ですが、始まると見るのがオリンピック。ヤドランカさんの歌も冬季五輪から注目されるようになりました。NHK「みんなのうた」になっていたので、他の曲は知らなくても「誰かがサズを弾いていた」は聞いたことがあるという人が多いようです。他の曲はまた後日。なお店の夏休みは、7/22~25、8/7~9、13~15です。

今回からクロアチアの予定でしたが、遅ればせながらヤドランカさんの盤を数枚聞いていて、素晴らしい曲が多いので、ボスニア・ヘルツェゴビナの音楽の6回目としてセヴダっぽい曲を抜粋してまとめてご紹介したいと思います。

まずは、5年前に出た追悼盤から、「誰かがサズを弾いていた」をおかけします。2011年の4~5月にNHK『みんなのうた』としてオンエアされた曲で、母国ボスニアの民族楽器名サズをタイトルに冠しています。追悼盤の「フヴァーラ」と言うのは、セルビア・クロアチア語で「ありがとう」の意味です。ボスニア語も方言程度の違いですので、同じ言葉になります。彼女の日本滞在中の最後の曲になるのではと思います。幻想的な詩も素晴らしく、叙情歌セヴダのカラーを強く感じます。

<1 フヴァーラ ~誰かがサズを弾いていた 4分46秒>

13曲目に入っている「予感」は、コナミのゲーム「幻想水滸伝」のCM曲で、これも叙情的で非常に美しい曲です。夢を壊しては追う人間の営みが切なく歌われ、やはり祖国ユーゴスラヴィアが念頭にあるようです。

<13 フヴァーラ ~予感 Yokan 3分32秒>

94年にオーマガトキから出た「サラエボのバラード」は、一番古い時期の盤ですから、セヴダ風な曲が多く、特に私が気になったのが、8曲目のマケドニアと言う曲です。古い民謡をリメイクし、サズを弾き語っています。以下の訳詞がありました。「恋知るは彼の人 心あるかなきかまで されど運命の時来たりて あわれ 彼の人は倒れて病の床 尋ねて私も旅立った はかなきは我らが命 二人ともにあらんと あわれ この地上の園に」

<8 サラエボのバラード ~Makedonia 3分54秒>

同じく「サラエボのバラード」では、2,4,5曲目が甲乙つけがたく、全てかけたいところですが、時間の都合で4曲目のGDJe Si Dusoと、5曲目のNa Drumovima Sremaをおかけします。4曲目はグディシ・ドゥーショと表記されていますが、「愛する人よ、どこに」と言う訳なので、ロシア語から類推するとグジェ・シ・ドゥーショと読むのではと思います。5曲目は日本語タイトルが「丘につづく道」となっています。先週かけた没後5周年記念盤には、「サラエボのバラード」から一番多くセレクトされていますが、オリジナルのオーマガトキ盤の解説では「大地と空の境界線を西からドナウ川が流れ、まるで空に注ぎ込むよう。そんな懐かしいシーンを歌った曲です。」と書かれていました。

<4 サラエボのバラード ~GDJe Si Duso 3分51秒>
<5 サラエボのバラード ~Na Drumovima Srema 3分37秒>

最後に、96年にオーマガトキから出た「ベイビーユニバース」から、同郷のギタリスト、ミロスラフ・タディッチが素晴らしいギター伴奏を聞かせる「あなたはどこに」を聞きながら、ボスニアのシリーズを締めたいと思います。やはりヤドランカさんの歌で一曲となると、サラエヴォ・オリンピックで披露されたこのシュトテネーマ(あなたはどこに)と言うことになると思います。

ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週

<1 ベイビーユニバース ~あなたはどこに 4分42秒>

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