Ocoraのクロアチア メジムリエ民謡から
ゼアミdeワールド274回目の放送、日曜夜10時にありました。1日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。オコラのクロアチアは既に廃盤だと思いますが、YouTubeは見当たりませんでした。今回改めて聞き直して、特に後半のダルマチアが非常に素晴らしい内容だったことを確認しました。最近のオコラはいまいちの盤が多いだけに当時は凄かったなと思います。メジムリエ地方の放送でかけた2曲も、現在も親しまれているほどの有名曲のようでした。2本目のMedimurski Lepi Deckiを聞いて、タンブリッツァは僅か2本でもしっかり音が聞こえることにもびっくり。
クロアチアの音楽の5回目です。今回はオコラのクロアチアと、フォークウェイズのユーゴスラヴィアの古い2枚のアナログ音源から抜粋して行くと予告していましたが、オコラ盤だけで重要音源が多く1回分になりましたので、フォークウェイズの方は次回に回します。
フランスの民族音楽の名門レーベルOcoraの「Musiques d`autrefois 過去の音楽」ですが、97年リリースでちょうどユーゴ紛争の最中でしたから、ここで聞かれる音楽は、いずれ聞くことは難しくなるのではと言う意味合いで、「過去の音楽」と言うタイトルになっていたように思います。その後、ここで演奏されている伝統音楽がどの位残っているかが気になるところです。ダルマチアのクラパのように発展していった音楽もあります。音源は1958~93年にかけてクロアチア国営放送が各地で行ったフィールドレコーディングです。
8曲目までが北部と北西部の音楽で、1曲目はメジムリエでの1958年の録音です。女性の独唱による愛の歌で、ハンガリー風な歌唱です。2曲目もメジムリエ地方の音楽で、タンブリッツァ合奏の1980年録音です。2曲続けてどうぞ。
<1 Cveti Mi Fijolica 1分27秒>
Cveti mi fijolica
<2 Medimurski Lepi Decki 56秒>
Nives Hažić - Međimurski lepi dečki (Lijepom našom, Prelog 2019)
東部クロアチアの音楽は、前回かけたようなスラヴォニアのポリフォニックな合唱に始まり、合唱とタンブリッツァ楽団の13曲目Sokacko Koloまで5曲入っています。Sokacko Koloは、部分的にルーマニアの有名な「ひばり」にも似ているように思います。古いタイプの婚礼の合唱曲Svatovacと、その後を継いだベチャラツ、その後にSokacko Koloまで3曲続けておかけします。戯歌(ざれうた)の類のベチャラツは、ボスニアに同名の歌唱伝統がありましたが、別物のようです。
<9 Svatovac 1分12秒>
<12 Becarac 2分17秒>
<13 Sokacko Kolo 3分3秒>
中央クロアチアは首都ザグレブの周辺ですから、タンブリッツァの明るい曲調がメインかと思いきや、4月23のキリスト教の祝日「ゲオルギオスの日」に歌われるトゥロポリエ地方の女声合唱と、男女の交唱Glasnicsと言う60年代後半の珍しい音源が入っています。2曲続けてどうぞ。
<15 I Ovo Se Klajna Zeleni Juraj Kirales 46秒>
<16 Glasnics 1分>
南部クロアチアのアドリア海沿岸ダルマチア地方は、後背地の内陸部と、沿岸と島嶼部に分けて入っています。後背地の方は8曲ありまして、クラパに至る様々な合唱伝統が辿れるように思います。その中から、リカ地方で1986年に録音されたOj Odi Brate Da Ga Zapivamoと言う曲をおかけしておきます。クラパに似た歌唱です。
<23 Oj Odi Brate Da Ga Zapivamo 1分44秒>
27、28曲目のキイェヴォ地方の男声合唱も、クルクと繋がるようなフリーキーな音ですが、クラパに繋がって行く部分も見えるように思います。
<27 Nema Pisme Nit 49秒>
<28 Pitaju Me Odakle Si Mali 51秒>
ダルマチア地方後背地の次は沿岸と島嶼部で、最初の29曲目は前に別な音源でかけたクルク島のソペラ二重奏のPotancuです。やはり不思議な音楽です。こちらは1968年の録音です。
<29 Potancu 1分24秒>
クルクとイストリアで4曲入っていますが、イストリアの方は32曲目のLabinski Tanacをおかけしておきます。前に他の音源で聞いた曲です。ソペラの二重奏ですが、イストリアの場合は、どこかヨーロッパの古楽に繋がるものを感じます。1973年の録音です。
<32 Labinski Tanac 1分59秒>
クルクとイストリア以外の島嶼部の音源はスサク島などの曲がありますが、段々とクラパに近い穏やかな南国的な音に変わっていきます。終わりの38、39曲目は中央ダルマチアのクラパが入っています。1983年の録音で、2000年代に入ってからのクラパ・ツァンビなどの歌唱と、一味違う感じです。この2曲を聞きながら今回はお別れです。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<38 Svet Ivane 6 Moga Trogira 2分11秒>
<39 Civit Mi Je U Gori 1分49秒>
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