北イタリアのスロヴェニア人
ジョン・ゾーンのAvant Recordsの音源自体はYouTubeには見当たりませんが、Resia Valley Musicと検索すると色々出てきました。とりあえず今日はAvant Recordsの音源の曲名で検索して出てきた2本を入れておきます。(以下放送原稿を再度)
クロアチア北西部のイストリア辺りにイタリア人がいたのと入れ違うように、イタリア北東部のヴェネツィアの更に東に位置するフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のレージア渓谷には、スロヴェニア系少数民族がいて、この地での録音がジョン・ゾーンのレーベルAvant Recordsから96年に出ておりました。イタリアにスラヴ人がいた!と当時非常に驚いた音源です。よく聞くとスラヴ語らしき発音が聞こえてきます。フィドル(citara)と3弦チェロ(bunkula)を中心に、足の踏み鳴らしの生み出すシンプルなリズムは、アラン・ローマックスが録音したイタリアの本物の民謡にもそっくりですが、バルカンやハンガリーの音楽に近い面も見いだせるのかも知れません。そのリズムの出てくる3曲目から3曲続けます。
<3 Ta-do Z Te Biske Jasane 2分23秒>
<4 Ta Matjonawa 1分29秒>
Resia Valley Music - Ta Matjonawa
<5 Ta Pustawa 2分32秒>
Brian Olewnickのレビューによると「真のハイライトのいくつかは、無伴奏の女性の重唱で、WödaTaJurüdinaは、このレコーディングの時点で70歳だった2人の女性のデュエットです。失われた愛に対する彼女らの嘆きの優しさは印象的です。」とあります。その6曲目のWoda Ta Jurudinaを次におかけします。
<6 Woda Ta Jurudina 4分6秒>
では最後に、賑やかな歌声と共に足を踏み鳴らし、ヨーデルのような掛け声も入った、場の盛り上がりの様子がよく分かる曲を聞きながら今回はお別れです。最初の2曲がCDのラスト2曲のTa Lipawskaと、チロリアンの叫び声のような僅か4秒のJuhuhuc…!で、後の2曲は11、12曲目共通のPoti Mi Do Po Lipjeと言う曲で、2曲目の方が同じ曲のインストです。
<20 Ta Lipawska 2分42秒>
Ta lipawška (OPZ RTV Slovenija & Janez Dovč & Sozvočja Slovenije)
<21 Juhuhuc…! 4秒>
<11 Poti Mi Do Po Lipje 52秒>
<12 Poti Mi Do Po Lipje 2分26秒>
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