スロヴェニアの音楽
ゼアミdeワールド276回目の放送、日曜夜10時にありました。15日20時半に再放送があります。宜しければ是非お聞き下さい。今日の動画はVodomecの2曲のみです。
今回から数回、スロヴェニアの音楽を聞いて行きたいと思います。セルビアやクロアチアと同じく南スラヴ系の民族ながら、旧ユーゴ諸国の中で一番北に位置することからドイツ、オーストリアの影響が強く、イタリアにも近いことから、イタリアの要素も感じられます。
スロヴェニアの民族音楽のまとまった音源としては、ドイツのTrikontから出ていたDer Bleiche Mondと英ARCのTraditional Music of Sloveniaが特に知られていると思いますが、いずれも品切れで手元に残ってない状態でした。ARCの方はストリーミングにありましたが、重要音源の集まったトリコント盤の方はMDでデータを残してあったと思うので、見つかったらおかけしたいと思います。他にはストリーミングで見つけたおそらくスロヴェニア盤と思われるSlovenia - Folk Songs from the Frankie Yankovic Collectionと、イタリア北東部フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州のレージア渓谷に住むスロヴェニア人の録音位です。
異色な方面としては、80年代から活躍するライバッハがいまして、個人的に80年代はニューウェーヴやインディーズにどっぷりだったので、LPも持っていましたが、今も活動が続いていることを今回初めて知って非常にびっくりしました。LPは行方不明ですがストリーミングで聞けますので、この番組でかけられそうな曲がありましたら取り上げたいと思います。
ARCの音源をかける前に、前回かけた1950年代初頭のユーゴスラヴィアの2枚のアナログ音源にも1曲ずつ入っていますので、まずはこちらからおかけします。Songs and Dances of Yugoslaviaには、1曲だけスロヴェニアのPolkaが入っています。演奏者がYodeler with accordion(ヨーデル歌手のアコーディオン弾き語り)となっている通り、隣接するオーストリアのチロル音楽が非常に近く感じられます。
<14 Polka 39秒>
Folk Music of Yugoslaviaの方にはSlovenia: Danceと言うタイトルで、やはりチロル風な合唱が入っています。
<11 Slovenia: Dance 58秒>
ARC盤ですが、スロヴェニアの伝統音楽を少し現代的にアレンジして演奏しているグループを集めている印象でした。タンブリッツァのように聞こえる弦楽器が頻繁に出てきますが、スロヴェニアではタンブーラと呼ぶようです。現物が手元にないので、解説を参照できないのが残念です。
この盤で特に耳に残ったヴォドメッツと言うグループの曲を2曲続けておかけします。東に位置するハンガリーの影響も感じられるIgraj kolo, jabukoと、チロルかイタリアのどちら寄りか判別が難しいVse ticice lepo pojo,~の2曲です。
<7 Vodomec / Igraj kolo, jabuko 3分12秒>
<14 Vodomec / Vse ticice lepo pojo, Dobro se je rano uraniti, Popito vince ne dojde vec, Pivaj vzivaj in prepevaj 4分52秒>
この盤の1曲目に戻りましてViniski Tamburasiの演奏は、タンブーラの涼し気な合奏音楽で、雪山を望む湖と古城の景色のジャケットのイメージ通りの音楽と言えるでしょうか。
<1 Viniski Tamburasi / Kopriva, Seljancica, Carska kasa, Pobelelo pole, Lepa anka, Prelosko svatbeno 3分36秒>
3曲目は無伴奏の女声合唱で、この曲も涼し気な印象です。スラヴ色は薄く感じます。北欧かバルトの合唱のようにも聞こえる清涼感があります。
<3 Vokalna Skupina Lan / Cvice mi polje pokrilo 1分43秒>
おそらく「星の中で」と言う意味の6曲目の歌は少しケルト色さえも感じさせ、ますますどこの国の音楽か分からなくなるような曲です。星のzvezdamiはロシア語ではズヴェーズダですから、言葉からスラヴ系と分かります。Brinaと言うグループの演奏は3曲ありますが、いずれもどこか他国の音楽をミックスしている感じです。
<6 Brina / Med zvezdami 4分21秒>
少しクロアチアのタンブリッツァ楽団にも似ているかなと思うTamburasi Kud Oton Zupancic Gradacの演奏を時間まで聞きながら今回はお別れです。コロなどの舞曲ですが、やはり涼し気な印象です。
ゼアミdeワールド お相手は、ほまーゆんでした。有難うございました。ではまた来週
<11 Tamburasi Kud Oton Zupancic Gradac / Zeleni jure, Tribucko kolo, Lepa anka, Carska kasa, Ivanic kolo 4分45秒>
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