レジアのフィドルと3弦チェロ
今日はレジアのフィドル(citara)と3弦チェロ(bunkula)に焦点を当ててみます。ヴァイオリンとチェロを弾いているもので、どうしてもこの2つには目が行ってしまいます。フィドル(ヴァイオリン)奏者はフレーズごと、左右交互に足を踏み鳴らしていました。録音を聞いている限りでは、踊り手のステップの音かと思っていましたが、フィドル奏者の足音だったとは(笑) これはYouTubeを見なければ分からなかったことです。
ボウイングが曲がっていたり(弦に対して弓が直角にまっすぐ動いてない)、松脂が白くこびりついていたりと言うのは、クラシック奏法的には完全にアウトですが(笑)、東欧のフィドルでは普通に見られることです。何よりノリと味わい重視だろうと思います。3弦のチェロは2本ずつ重音で弾き、何と全く指板を押さえず、開放弦だけを弾いているようです。フィドル奏者の足踏みと合わせて、重音の組み合わせが変わっています。3弦のコントラバスやヴィオラはルーマニアのトランシルヴァニア音楽などで出て来ますが、チェロの3弦と言うのはレジアで初めて見ました。太い弓はコントラバスのものだと思います。北東イタリアのスラヴ圏、レジアの例を見ると、イタリアの一般のフォーク・フィドルはどうだろうかと気になってきます。
Coro Monte Canin Val Resia "Potyme dö pö Lypje"
Resia Valley - Italian fiddle
| 固定リンク
「バルカン」カテゴリの記事
- カロリーナ(2022.02.10)
- アルーマニアとサラカツァニ(2021.12.10)
- Aromanian Vlach Music アルバニアのアルーマニア人(2021.12.09)
- アルーマニアの歴史(2021.12.08)
- Splet igara iz Srbije(2021.12.03)
「イタリア」カテゴリの記事
- レジアの踊り(2021.09.24)
- レジアのフィドルと3弦チェロ(2021.09.23)
- 南イタリアのアルベレシュ、グリコ語とマグナ・グレキア(2021.05.20)
- 南イタリアのアルバニア人のポリフォニー Ajri kavalleres(2021.05.19)
- 南イタリアのタランテラ(2017.06.28)
コメント